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第1話:ハタチのヘアブラシ

無印良品のヘアブラシがあります。
お風呂に入ったあとと朝の身じたくのときの2回、毎日使います。
プラスチックでできています。
わたしはずっとショートヘアなので、これで不便を感じたことはありません。

そういや待って?きみはいつからうちにいる?
そう、あれは20年前。
わたしが親元を離れ、ひとり暮らしを始めたその日に
新宿の無印良品で買ってきたんだった。

あれからわたしは大学に行ったり彼氏ができたり、
就職したり結婚したり、
子どもができたり引っ越ししたり、
いろんなことがあったけれど、ずっと一緒でした。
20歳のヘアブラシ。

割れることも折れることもなく、
使ったらポイっとしまわれるだけだったのに、
こんなに長生きです。
しかも丸ごと洗えるし。

プラスチック製品は確かに、海を汚す原因になるし
石油が原料となっていて自然に戻ることはほぼありません。
誰かを不幸にするモノでしょう。
でも、かれこれ20年同居しているこのヘアブラシ。
今さら悪者にして処分して、
ナチュラルな素材でできた新しいヘアブラシをお迎えすることが
しっくりきませんでした。
きっと洗えないし。

わたしは、このヘアブラシが壊れるまで使うか、
わたしの毛量がヘアブラシに耐えられなくなるまで使うつもりです。
その日がきていざ処分するとなったとき、
技術が進んでプラスチック製品がすてきにアップサイクルできる時代に
なっているといいなと思います。
その日まで、大切に使うし自分の毛量は維持したいと思います。(夫はもう無理だから。)

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