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あなたという存在に何度救われたことか。



先日、地元の親友が私の下宿先に遊びに来た。
彼女とは今年でもう14年の付き合いになる。



小学生の時、家が向かい合わせで、放課後によくお互いの家を行き来していた。私の弟、彼女の妹も含めて、4人でWiiのマリオをやりこんでいた、懐かしの思い出。


中学生。部活が一緒で毎日彼女と登下校をした。彼女と話したり歌いながら帰っていたら、毎日30分登る帰りの坂道も全然苦にならなかった。交換ノートもしたし、少女漫画の貸し借りもした。

だけど、この頃は余りにも一緒にいすぎて、遠慮がなくなり、優しい彼女に甘えて傷つけたこともあったんじゃないか、と今も心の後悔として残っている部分もある。


高校は別々。離れたけれど、それでも月に1度は近所の公園のベンチで待ち合わせして、近況報告をしていた。彼女は、その時、いつも決まってポケットいっぱいにお菓子を詰め込んで持ってきてくれる。
その温かい時間に何度救われたことか。




そして、現在、大学4年生。大学は、高校よりももっと離れて、新幹線を使わないと会えない距離になった。毎日やり取りをしている訳じゃないけれど、ふと思い出したように彼女が電話を掛けてくる。そして、まるで昨日会ったかのように会話をする。早く帰ってきてねー、待っててねー、で電話を切るのが4年目のルーティーン。

年に3回、長期休みの私の帰省が、彼女と会える唯一の時間になった。そんな少ない時間でも、お互い“なんか変わった“と感じる部分はなく、これまた昨日会ったかのように気兼ねなく話ができる。それは、彼女とだからできるんだろうな、と思う。もはや友達を超えた家族のような存在。



そんな彼女が大学4年目で初めて遊びに来た。
3泊4日、なんて貴重で嬉しい時間だ。
私が普段遊びに行く場所に連れて行ったり、美味しいと感じたお店を共有したり。

でも、話す内容は地元で過ごすのと何も変わらない。最近どうだこうだ、今何が好きだ、今何が悩みだ、好きな人はできたか、どんな将来を過ごしたいか。



しかし、今回は1つ特別な事があった。

滞在2日目の夜ご飯、私と彼女に、私の彼氏が加わった。
今までの私たちは、共通の知り合いはいれど、3人以上で過ごしたことがあまりなかった。だから少しの緊張と違和感がある時間。でも、私にとって、とても、とても幸せな時間だった。
だって、大好きな友達と、大好きな恋人が、楽しそうに話をしてくれるから。


家に帰り、隣の布団に潜りながら、私は少しドキドキして“彼氏、どうだった?“と彼女に尋ねた。すると、彼女はこんな返答をくれた。

“○○くんって、ずっと目を見て話してくれるよね。でも、食事中ってずっと目を見てられないじゃん。だけどね、下を向いて食べてる時もちょっと頷いてるくない?それがちゃんと聞いてるって感じがしてとても素敵だなと思ったよ。“

とても驚いた。私ですら、意識していなかった彼のいいところに彼女が気づいてくれた。私は、そんな部分を持つ彼が改めて素敵だと思ったが、それ以上に、そこに気づいて伝えてくれる彼女がなんて素敵な子だと思った。


人の些細な言動や変化に気を配れる、それゆえに繊細で考えすぎる部分もあるけれど、そんな彼女を私はとても尊敬しているし、見習わなきゃなと思うことが沢山ある。


真面目で、謙虚で、とても優しい、しっかり者だけど実は甘えたがりで、たまに毒舌になったり、ネガティヴになったり、だけど人を傷つけるような行動は絶対に取らない、そんな彼女と友達になれたことが私にとって人生最大の誇りだ。これから先何があっても、私は彼女の味方でいたいし、彼女の親友を名乗っていたいと心から思う。



来年には、彼女は私より一足先に社会人になる。

いつか結婚なんかしたり、子供なんかできたりして、忙しくなって、今以上に会えなくなったとしても、おばあちゃんになった時に一緒にお茶できる関係でいたいね。

いつもありがとう。私と出会ってくれてありがとう。大好きだよ。



柚。

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