ワンコインでつながる異国のあなた
ポストクロッシングを始めてみた。
ポストクロッシングとは、世界中のポストクロッシング登録者に、ポストカードを送ることができるサービスだ。
送り先はクリック1つでランダムに決まる。
サイト内の「送り先ガチャガチャ」みたいなものを回すのだ。
送り先が決まったら、同時に発行されたIDを用意したポストカードに記入する。
それと相手の住所。
この2つが大切。
ポストカードが相手に届き、そのIDをサイトに入力してもらって、それで初めて次は自分がポストカードを送ってもらう権利を得る。
自分が登録した住所が、「送り先ガチャガチャ」に加わるのだ。
このサービスを知ったのは、たまたま見つけたnoterさんの記事だ。
よく記しているが、私は手紙を書くのが好きだし、外国から手紙が来るって、なんだかわくわくする。
ポストクロッシングは、送る相手も、送ってくれる相手も誰だかわからない。
送った相手が、送り返してくれるわけでもない。
そんなある意味気軽さを含みつつ、でもその一期一会の関係が特別に感じ、興味をそそられた。
サービスを利用するとき、プロフィールページを入力する。
そこには、その人の趣味や好みのカードの種類などが記されている。
それらを参考に、ポストカードを用意したりメッセージを考えたりする。
私は先週、人生で初めての1枚を投函したところだ。
初めての相手はアメリカの女性。
食べ物のポストカードが好きだと書いてあったが、ちょうどいいのが見つけられず、日本っぽさのある可愛いイラストのポストカードにした。
できれば希望に添えたらベストなのかもしれないが、、意外と見つからなかった。
メッセージには、ちょうど今月誕生日だったようなのでお祝いの言葉を添えた。
Google翻訳って、便利だ。
そして、エアメールのシールと切手を貼る。
切手は100円切手。
(100円で世界中に送れるのは、すごい)
届くまで2週間はかかるようなので、どきどきしている。
ちゃんと届くかな。
ちなみに私はプロフィールに、書き手のその日の起床時刻と日付を記入してほしい旨を記しておいた。
これは、現代アーティストの河原温の「I GOT UP」シリーズに由来している。
河原温は、海外から友人にあてて毎日その日の日付と起床時刻をスタンプしたハガキを送る、というコンセプチュアルアートを発表していた。
(他にも「I AM STILL ALIVE」という、電報形式のものもある。ご興味ある方は下記を参考に)
私はこの手書きではない無機質なスタンプと、でもそこには作家が起きた時間が刻まれているという、
その静と動のような違いが感じられるところが好きだ。
そして、起床時刻から遠い彼の地にいる作家が、ちゃんと生きている、と感じられるところも好きだ。
なので、私も友人と手紙を送り合うとき、互いに必ずその日の日付と起床時刻を書き合っている。
早起きしたんだな、など、ちょっとだけ友人の生活が垣間見える。
ポストクロッシングでも、世界中の人の「I GOT UP」を集めて、彼の地で生きるその人に想いを馳せてみたい。
そしていつか「河原温に捧ぐ世界の「I GOT UP」」として、まとめてみようかな、なあんて想像して遊んでいる。
とまぁ、浮き足だっているけれど、まだ1枚も私のもとには届いていないし、私が先週送ったたった1枚も、当然まだ届いていないだろう。
とどくかなぁ。
とどくかなぁ。
ドキドキするなぁ。
とどくといいなぁ…。