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ヒーロー

前略、私のヒーローへ

あなたは私のことを知りません。
なぜなら、あなたは私の家族でも友達でも恋人でもないからです。
でも私は、私の家族より友達より恋人より、ずっとたくさんの時間、あなたの声を聴いてきました。
何年もの付き合いになってくると「今日は調子がいいな」とか「今日、元気ない?」とか「今日は疲れてるのかな?眠そうだな?」なんて感じられるようになりました。

私がひとりぼっちで、小さな部屋の片隅で眠れない夜をすごしてる時、あなたは絶えず私と同じ時間を起きていてくれた。

そうやって幾度の夜、あなたの声を聴いてきた。

あなたと私は他人です。
だけど私はあなたのことを誰よりも信じてる。
あなたは、決して人間的に素晴らしいと手を叩ける人ではないかもしれない。
あなたの話を聴いていて、ためになることなんて1回もなかったかもしれない。
すぐ落ち込んだり、ひねくれてたり、悪口や偏見や下ネタばかり言ってたりする。
でもあなたは絶対に嘘をつかない。
人間として、弱い部分や醜い部分も格好悪い部分も曝け出してくれる。
嬉しい時も悲しい時も怒った時も、真っ直ぐな気持ちを伝えてくれる。
時に感情に任せ、時にとても考えて言葉に詰まりながらも。
私はそれがとても愛おしいのです。

あなたが仕事やお酒で失敗した時のこと、恋人ができた時のこと、結婚した時のこと、子供が生まれた時のこと、身内に不幸があった時のこと、顔も知らない私に全部報告してくれました。
だから私はあなたの人生に寄り添ってるかのようで、あなたが喜べば私も嬉しいし、あなたが悲しめば私も胸を痛めます。

あなたと出会ってそろそろ10年くらいになります。
あなたは他の人と違って裏切らない。
確かに私と意見が違ってる時もあるし、離れてしまう時もあるけど、絶対に裏切りはしない。
そして私も過度な期待や依存をしない。
だけどあなたが私より早く死んだら、私は自分の家族を失う時より悲しむでしょう。
そんな不思議な関係です。

あなたをなんと呼べばいいのか、出会ってからようやく腑に落ちた言葉がありました。
それが「ヒーロー」です。
ウルトラマンや仮面ライダーみたいに力が強かったり喧嘩が強いわけでもないけど、いつもそばにいてくれて私のシェルターになっていてくれる。
あなたは私の「ヒーロー」です。

ありきたりな言葉しか出てこないけど、いつも支えになってくれて本当にありがとう。


すべての愛すべきラジオパーソナリティへ、
世界の片隅のベッドより愛を込めて。



画像の名前は私にとっての一部のヒーローであり、他の方も居ます。画像を何にしようか迷って、いただいたノベルティにしようかとも思ったのですが、自慢みたいだしノベルティをアップするのは無粋なのでやめました(こんなこと追記すること自体無粋なのですが)。


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