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あらためて、バッハを深める
こんにちは。
ピアノ講師であり、
メンタル心理ヘルスカウンセラーとしても活動しています、
「One Heart」です。
今日は、”音楽”のはなし。
子供時代、ピアノのレッスンでバッハを習った。
「インヴェンションとシンフォニア」と
「平均律クラヴィーア曲集」
どちらも、あまり好きにはなれなかった。
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「インヴェンションとシンフォニア」は最初の先生の時で、小学生から中学生にかけて。
「平均律」は、高校時代で3人目の先生の時。
どちらの先生も、バッハを機械的な基礎を習得するためのものとして捉えていたように思う。
「淡々と・・・」「あまり緩急はつけない」など、
ロマン派やその後の時代の音楽のように「感情を表現する」という概念はなかったと思われる。
それで私は、「バッハはつまらない」とレッテルをつけてしまった。
大学に入り、対位法やポリフォニーなどを専門的に学ぶようになると、今までのレッテルがさらに拍車をかけ、「弾きづらい」「よくわかんない」とバロック音楽そのものを避けるようになりました。
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そして、講師になり、レッスンの現場でバロック音楽を扱わないわけにはいかず・・・。
それでも私のバロック音楽への苦手意識は変わることなく、やはり生徒に対しても「機械的な演奏」という指導をしてしまう始末。
そんなとき、ひょんなご縁から
ヘンデルのオラトリオを歌う合唱団に誘っていただき、一年間「メサイア」を歌う機会をいただきました。
「メサイア」とは、ヘンデルが作曲したオラトリオで、英語読みの「メシア」に由来している。
新約聖書から歌詞を取り、イエス・キリストの生涯を題材とした独唱曲、重唱曲、合唱曲で構成されている。福音書から採用されているものは少なく、イザヤ書などの預言書に描かれている救世主についての預言をとおして、イエスを救世主とする手法で描かれているのが特徴。
その時に指導してくださったマエストロ(指揮者)が、
「バロック音楽をロマン派のように感じてみたらどうだろう?」と新しいアイデアを持って1曲1曲のストーリーをリアルに感じながら、想像しながら音楽を創っていきました。
わたしにとっては、驚きのできごとでした。
バロック音楽をロマン派のように演奏するって、斬新だねと。
そんなきっかけがあり、一年くらい前から
あらためてバッハの音楽を学び直ししようと決意。
バロック音楽に曲想を感じて緩急をつけたりすることは、
賛否両論あるかと思うけど、音楽に「これ」という正解はなく、
ただバッハ自身がそれを受け入れて作っていたかは不明。
もちろん「メサイア」を指導、指揮してくださったマエストロも、
「バッハ自身はどう感じるかわからないが」とおっしゃていましたが、
その年の演奏会は歌い手側も聴き手側もとても評価の高いものとなったのは事実です。
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クラシック音楽は、形式や調性などの楽式論的なことはもちろん、
カチッと型にはまった”お堅い音楽”と捉えている人も少なくないと思う。
とくに、バロック音楽はクラシックの基礎といわれるほど、
形式も型にはまっているものが多いので、クラシックを学ぶにはまずはバロック音楽から、という先生も多いと思います。
私の恩師たちも、「バッハは基礎」だと指導してくださいました。
わたしも今でも、そう思います。
基本に忠実なので、基礎的なことを学ぶためにはもってこいの教材です。
それでも、基礎と捉えてしまうとついつい、機械のように演奏するのか、と思ってしまいがちですが、先述したバロック音楽をロマンチックに・・・という発想で創り上げた「メサイア」はわたしにとって、とても特別な体験となりましたし、こんな”ドラマチックな新約聖書”もいいねとワクワクしたことを今でも鮮明に覚えています。
あまり独創的になりすぎず、それでいて斬新なアイデアを音楽に刻んでいく。
作曲家の”こだわり”という背景は、楽譜にしっかりと刻まれていれば明らかですが、そうでない場合は再現する側のインスピレーションやアイデアにかかってくる。
表現する(再現する)立場として、あまり型破りなことはできないけれど、
作曲家のバックグラウンドを知り、こだわりを追求するとともに、一音一音に込められた”思い”に触れてみることで、もう一歩踏み込んだ解釈もできるかもしれない。
今日も”愛”あふれる一日をお過ごしくださいませ。
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