大学の先生って経営したことないでしょ?という誤解
こんにちは。ひとりPR会社を起業した植田聡子です。
大学院に行くということに対する反応
今春から大学院に通い始め、生活が一変(まあ、公務員辞めた時点で激変)していますが、大学院に通うということは影響がありそうな方以外はほとんどお伝えしていませんでした。
昨年、業務委託で関わっていたとある経営者の方に「実は来年の4月から夜間と週末に大学院に行くことにしました。色々な方との人脈なども今後の業務に活かせたらと思っています」とご報告しました。特段、報告義務はなかったのですが、お世話になっているので、一応ご報告すべきという判断からです。
その時、彼女は明らかに不満げな表情と口調になりました。
大学院なんて行ったところで、実際の仕事に役立たないから。
ビジネスは実務でしか学べないよ。
大学の先生が経営学とか教えていても、実際経営なんてやってないんだから。
ただ報告しただけで、ここまで「ネガティブ」なリアクションが返ってくるとは正直思っていなかったので、びっくりしました。
それでも、私は大学院に通うということに対して、ネガティブな思考にはなりませんでした。むしろ実務については長く経験を積んできたので、アカデミックな視点を併せ持つことで強みになるはずだと信じて、その場は特段反論もせず、大人の対応で終えました。
今思えば、人に対してあのようなリアクションをしてしまうというのは、やはり経営者の資質として問題があるといわざるを得ません。少なくとも自分の部下がそのような報告をしたら、上司として一定の態度というのはありますし、ましてや業務委託の関係において、私は彼女の部下ではないはずなのに、というモヤモヤは、反面教師としたいところです。
いざ入学してみると
いざ大学院に入学して、あの時の彼女からのアドバイスがつくづく的外れだったことを実感しています。私が通っているビジネスデザイン研究科のウェブサイトにはこのように記載されています。
ビジネスの構想力と戦略的思考を育成・開発するMBAコースであり、
意欲あるビジネスパーソンを対象にしたビジネススクール型大学院です。
教授たちもビジネスの最前線で活躍した後、アカデミックの世界とご自身の会社経営を並行して行っている教授たちが数多くいます。
「経営なんてやってないでしょ」どころか、大企業、外資系企業、ベンチャー、スタートアップ、色々な経験を積み重ねてきた一流の先輩たちです。
そして、それは学生も同様。ご自身の会社を経営しながらの方、個人事業主、もちろん多くの一流企業のビジネスパーソン、なんとお医者様も同じ授業を受講しています。昨日ご一緒した方は、ご自身の会社がこのコロナ禍においても過去最高益を叩き出し、今期はさらに勝負をかけるなどという強者でした。
もちろん大学院によっては、がっつりアカデミック一辺倒の分野もありますが、こと立教MBAについてはそれは全くあてはまりません。
利害関係が反応にバイアスをかける
組織を離れた私ですが、先ほどのネガティブ反応をした女性経営者しかり、自身の利害というフィルターを通しての感情表現をしてしまいがちです。私のケースではこんな感じでしょうか?
「業務委託の人間が大学院で学ぶなんて、仕事を疎かにするのではないか」
「余計な知恵がついて、仕事がやりにくくなるのではないか」
人が何かを始めようとするタイミングで、それに待ったをかけるような一言って必要でしょうか?その人の価値を下げる余計な一言で、例え内心どう思っていても、ビジネスのお付き合いであるなら、一定の態度は保持すべきと思います。
これ、部下の産休・育休でもありますよね。
「おめでとう」の気持ちと、「部下が休む」という影響。
でも、上司たるもの「おめでとう!」と言うべきだし、人として部下の幸せを心から祝える、そういう関係にしないといけないはずなのです。
大学院に行きたいという気持ちに対し、ネガティブな反応をした、恐らく張本人は「大学院に通っていない」人だと推測します。だとしたら、余計に「自分の未経験分野をあたかも知っているかのように諭すのはよろしくない」と心の中で申し上げたいと思います。大人ですから、心の中でしか言いませんが、noteには書いてしまいました(笑)
私が今教えていただいている教授が一番最初の授業で
「皆さん、MBAのために費やした学費、それは今まで皆さんが使ったお金の中で最も有意義な使い方である、ということを確約します。ここでの学び、同窓生との出会いはこれからの皆さんにとって大きな財産となります」
とおっしゃってくださり、私の最初の不安は一掃されました。
大学院、特にMBAホルダーは何かしらの価値を見出したはずです。通ってみないとわからないのかもしれませんが、私は自分が例え未経験のことだとしても、人のスタートに水をさすような発言もその思考回路も持たずに、今後も行きたいと思います。
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