「私は簿記の知識全然ですが、全部コピペで何とかなってるんで、大丈夫です!」ブラック管理部が崩壊するまで8
皆様こんにちは。amamiyaです。
いつも記事にお付き合いいただきまして、ありがとうございます!
前回の記事、スキ!の伸びが最速で、嬉しい悲鳴を上げています…!
励みになりますので、ぜひ「ドン引き!」の気持ちの代わりに、ぽちっと押してやってくださいませ。
漏れなく私のやらかしを振り返る勇気に繋がりますゆえ、何卒……!!!
それでは本日も、ブラック企業での勤務3日目編その③、行ってみよー!
前回までのあらすじ
(前記事読むのが面倒な人向け↓)
出社3日目の朝から襲い来る様々な波乱に、amamiyaは振り回されていた。
その中でも特に、書類探しでまさかの奇行を連発してくる管理部長には成す術もなく、彼女はついに「ドン引きの向こう側」を垣間見る。
書類整理、という概念が存在していない会社で、amamiyaは果たして、無事に新しい仕事に取り組むことが出来るのか――――――
というところまで、書きました。
今度こそ、新しい仕事編をお送りしたい気持ち
まずは、前回の記事のお詫びから。。。
結局、前回の大見出しが全く意味を成しておらず申し訳ありませんでした。
管理部長の奇癖を詳細に解説した弊害で、途中から「管理部長with書類回」に変わっていくのを止められなかったようです。
今回こそ、入社してから3日目に教えられた仕事の件、書いていきます!
1.まずは管理部長が戻ってこないと、お話にならない訳でして
私が恐怖感から死んだ魚のような目で現実逃避している間、管理部長は例の謎スペースで、書類(?)たちを丁寧に積み上げていました。
因みにその謎スペースというのは、彼女のデスク後ろに位置しており。
ボロボロ~新品の段ボール箱(数箱)
無職透明のクリアーホルダーで出来たギチギチ書類タワー(数本)
平積みのレターラックらしき何か(書類パンパン)
総菜の折箱、掃除機、謎の紙袋、POP
腰高のスチールラック
などから構成されている、カオスなエリアでございます。
どうでも良いですが、その場所にせっせと保管している時点で、その書類の出番、未来永劫無さそうな予感がするのは私の気のせいでしょうか。
管理部長はそれが終わると漸く私のデスクまで戻って来て、
「ほんと度々お待たせしてすみません。それではamamiyaさん、今日から会計ソフトの入力の手順について、お伝えしていきますね!」
例の限界クリアーホルダー(無色)マニュアル一式 ~輪ゴムで止めて~ を手に、元気いっぱいにそう告げたのでした。
2.突然かなり専門的な仕事を振られても、聞いてない訳でして
「え、っと? 会計ソフトの入力、ですか?」
しかし当時の私、思わず指示内容を聞き返すしかありませんでした。
シンプルに、めちゃくちゃビックリしたんですよね。。。
何せ、そんなものすごく経理的な仕事内容は、私の記憶の限りでは、転職サイトの募集要項に載っていなかったのです。
因みに改めて補足しておきますと、
私が応募した職種は、「DX化を目的としたIT事務」でございました。
(↑詳しくはこの辺りの記事をご参照くださいまし)
思い返しても、業務詳細欄に小さい字で「経理業務を中心に」とさらっと書いてあった気はするものの、「簿記については、基礎知識程度でOK。簡単な仕訳が出来れば問題ありません」と添えられていたはず。
いやまさかそんな。
本来なら、人材募集要項に具体的に指定するような専門的な業務を―――
入社3日目の新人にぶん投げるなんて、ある?
ところが、この真っ当な質問に対して、上司である彼女から食い気味で返って来た言葉といいますと。
「はい! 実は今めちゃくちゃ時間押してて、この入力も今日から2日以内に済まさないと、社内用の損益報告会に間に合わないんですよ!!」
で、ありまして。
新入社員は、更に度肝を抜かれたのでした。
3.そこに無茶めな期限を付けられても、納得できない訳でして
管理部長は平然と宣っていましたが、私は正直耳を疑いました。
今日初めて教えられる業務がものすんごく専門的な上、2日後が期日とは?
控えめに言って正気の沙汰じゃないですね???
と、直にぶつけるわけにもいかないので、当時の私、脳内でオブラートを何重にも包み、柔らかな笑顔を意識して尋ねました。
「すみません、この会社の売り上げ規模って、20億超えてましたよね? 仮に先月に2億くらい取引があったとして、今から2日間で全部入力するってことですか? 今日初めて入力作業を教えていただく身としては、かなり難易度が高いと思うのですが、、、」
経理周辺のイメージが難しい方もいらっしゃると思うのですが、経験から言うとこのスケジュール、タイトとかいうレベルを軽く超えていました。
ところが管理部長、きょとん顔をしたあと、「ああ!」みたいな納得スマイルで、こんなことを言いました。
「安心してください! 内部損益用なので、先月分全部じゃないんです☆ 売上と仕入れ…売掛と買掛とか、在庫とかパパッと入れるだけなので!」
本当に語尾に「☆」が見えるような調子でした。
なるほど。限られたごく一部の入力だけなら、やれなくもなさそうです。
まあ、そこまで言うなら本当に、初心者でも簡単な業務なのかなぁ……
何となく腑に落ちないも、当時の私は一旦納得し、「分かりました」と答えたのでした。
4.そもそもこの仕事の前に、確認したいことがある訳でして
「あの、仕事を教えていただく前に、一つ質問してもいいですか?」
漂う不安感はさておき、私はもう一点、気になっていたことがありました。
「基幹システムとの連携って、どうなってるんですか? 確かMD曰く、『将来的には会計ソフトとも繋がって、入力も不要になる』と聞いていましたが……」
そうです。
実は大変長くなるので面接の記事では省略していましたが、基幹システムは、「クリック一つでデータが反映され、仕訳自体が不要になる機能を付けた」という説明もありました。
だから面接時に、経理仕事の印象が少なかったのですよね。
すると彼女、この質問に対し、ちょっと気まずそうな顔をしました。
「実は、実証実験がまだ途中で、何も連携してないんです……半年、うーん、せめて年末までには実用化していきたいんですが、、、すみません。
私も会計ソフト入力は嫌なんで、早く繋げられるように頑張りますね!
じゃ、今日の作業始めましょうか!!」
管理部長が早口で説明する様は、触れられたくない、という気持ちが表れてるようでした。
なるほど、プロジェクトリーダーを担当している彼女に、遅れている事情を説明させたのは、酷だったのかも……?
性懲りもなくまだ純粋善良ウーメンだった当時の私は反省し、頷きました。
「分かりました! まず会計ソフトに慣れるところから頑張ってみます!」
私は気持ちを切り替えて、それらしいアイコンをクリックしました。初めて触る会社のものですが、会計ソフトの操作は慣れているし、多分大丈夫……
と、思っていた当時のわたくし。
「………ん!?」
開いた画面を見て、固まるしかありませんでした。
モニタに映っていたのは、見たらわかる玄人向けなやつだったからです。
(会計ソフトに詳しい方、〇bicか〇JSだったとご想像ください)
これまでの中小企業経理の経験で扱って来たソフトは数種類あれど、そのどれとも違うUI。専門用語の羅列されたメニューと、システムの独特さ。
初見で何処を触って良いのか困惑したのは、初めてでございました。
「あの、、、管理部長……? これ、かなり難しい方のソフトですよね?」
私は無意識ながらそんな質問をしておりましたが、しかし管理部長、きょとん顔で、「そうなんですか?」と言うのです。
「基幹システムとの連携の関係で5、6年ほど前にこれになったんですけど、そんな難しいんですか? 私、他の会計ソフトとか全然知らなくて」
基幹システム導入のプロジェクトリーダーにしては、奇妙な返答です。
まるであたかも、管理部長は会計ソフトや基幹システムベンダーの選定の場に居なかったような感じですが、、、
え? それもどういうことなのよ??????????
「まぁでも、やることは簡単なので、そう怖がらないでくださいamamiyaさん! 経理の経験者さんですし、すぐ慣れると思いますよ!」
「そうですかね……」
彼女は怯える私の肩をポンと叩き、「そうですよ!」と力強く言いました。
「私は簿記の知識全然ですが、全部コピペで何とかなってるんで、大丈夫です!」
嫌な予感しかないタイトルの台詞を残して、
次回に続きます。