助産師、羊水をかぶる
それも頭から、である。
私が新米助産師の頃の話。
分娩台には、お産が順調に進んでいる産婦さん。
まだまだ判断の甘い助産師さと。
自然破水するタイミングの見極めができませんでした。
足を広げた産婦さんの正面に、中腰の私。
強い陣痛が来た瞬間。
「ばっしゃーん!!!」
勢いよく自然に破水。
頭からびしゃびしゃに濡れました。
産婦さんは痛みで気づいておらず、そのままお産の介助続行。
無事に赤ちゃんが産まれた後に、先輩助産師からは笑われました(そりゃもう大爆笑よ)
「羊混なくて、よかったねー!」
羊混とは羊水混濁のこと。
おなかの中で、赤ちゃんがうんちをして羊水が濁ってしまうことを羊水混濁といいます。
羊混なくて本当に良かった。
ちなみに、
しょっぱかったです。
羊水は海によく喩えられますが、全くもってその通りだと身をもって感じました。
磯の香りを纏いし助産師のおはなしでした。
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