光る君へ(1)約束の月 2024年1月7日
導入
貞元2年(977年)
ユースケ・サンタマリアさん演じる、安倍晴明が夜空を見上げ、凶事の始まりと大雨を予言するところから本作は幕を開けた。
そしてその大雨により、雨漏りするボロボロの藤原為時の屋敷で、まひろ(のちの紫式部)が目を覚ます。使用人に満足に給料が支払えず、衣を食料に変え、どうやらかなり生活が厳しい様子。お父さんの為時が無職でお金がないよう。為時は、蒙求の冒頭を弟君に読み聞かせているようだが、お掃除をしているまひろの方が聞いて覚えてしまっているよう。
オープニング
うねるようなオーケストラのメロディと、真っ赤なお花が開く様子から始まる。平安時代といえば、花にに季節の移ろいを感じ、色合を十二単の重ねに取り入れたり、歌に詠んだりした時代。この赤い花は何の花なんんだろう?
流れるような木管と弦楽のテーマが表すのは、「大河」という言葉が表すような、雄大な時代の流れか。はたまた平安絵巻の中へ目を遊ばせているのだろうか。その間に入り込むようなピアノの細かく華やかな動きが、平安時代の文化の華やかさや、色鮮やかさを感じさせる。シンバルでいったん締まった後は、何かを訴えかけるようなピアノ独奏。ピアノ一本で力強く雄弁に語りかけてくる様子は、筆一本で1000年残る物語を描いた紫式部と重ね合わされる。オーケストラと合流した最後、シンバルに強く打ち付けられながら、ピアノが激しく高音と低音をいったりきたりするのは、激しい運命に翻弄される登場人物たちであろうか。
金管楽器やバイオリン独奏などが効果的に使われる、戦乱の世を表す大河ドラマのオープニングと対比すると、なんとも優美な曲だという印象。
藤原兼家さん家のお正月と藤原為時さん家のお正月
道隆さんと貴子さん夫妻が、正月から笛と琴で合奏するの聞ける兼家さん家、これこそ私たちの思い描く「「貴族」」って感じで好き。このタイミングでご挨拶は無理だ為時さん、会ってくれなくても仕方がない。お手紙だけでも渡せてグッジョブだよ!
平安時代の婚姻
平安時代は婿入り婚なので、女性側の実家の富で一家の豊かさが決まる。男性貴族達は、自分の出世のためにも妻、そしてそのバックについている妻の実家を選ぶ。また、一夫多妻制なので、別に通う女の人がいることが社会的に許されている時代である。
為時がのんきに別の女に会うために家を空けているのか、ご飯を食べさせてもらいに行っているのか、それとも他に何かの事情があるのか、、、伊勢物語の筒井筒のよう。寂しい気持ちを押し殺して、健気に待つ女というのがある種今も理解はされる美学の一つではあるのかもしれない。。。?
除目
為時パッパのエントリーシート、なかなか高飛車でこりゃだめじゃね?と思っていると、やはり円融天皇はお怒りのご様子。権力者に「馬である」と鹿を見せられても、絶対に反論するマンだこれは絶対。
お世辞とかまでいかなくても、余計なこと言わないっての、、就活中には大事なスキルかもよ?
春、そして秋へ
まひろちゃんにかの有名なエピソード、「お前が男の子であったらなあ」をぶっぱなしながら、桜が咲いて春がきた。雀ちゃんのご飯もなく、使用人も離れてしまい、まひろ一家はかなり困窮している様子。
一方で宮中は、その春に関白・藤原頼忠の娘、尊子が入内。続いて秋に右大臣・藤原の兼家の娘、詮子が入内。二人の持っている松の扇の上部に、それぞれ二色の装飾がついている様子が、権力のせめぎあいを表しているみたい。
詮子ちゃんの入内の日に、安倍晴明の屋敷に雷が落ちたのは吉兆か凶兆か。段田安則さんの「そなたはわが嫡男ぞ」の迫力に、一緒に見ていたうちの父親が「おお~」と感嘆していた。
激やば道兼お兄ちゃん
少しでも目下のものに舐められたと感じると、殴ってでも「わからせよう」としてしまう道兼お兄ちゃん。激情が過ぎるようにも見えるが、出来がよく長男として重用される道隆お兄ちゃんと自分を比べて、「俺ももっとできるはずなのになんで」って気持ちになっちゃうんだろうなあ。弟の三郎君は可愛げもなく飄々としてて、でもお母さんにも詮子ちゃんにも可愛がられてるようにみえて、真ん中のお兄ちゃん的には面白くないのかな。
まだ第一話の前半だけど、書きたいことがたくさんあってかなりの文量になってしまった。。。続きは次のノートにしよう。