見出し画像

BUMP OF CHICKEN 全アルバム紹介&レビュー

どうもこんにちは。

今回はタイトルにあるように、BUMP OF CHICKENが今までリリースしてきた10枚のオリジナルアルバムと、3枚のベストアルバムに加えて、ボーカル・ギターの藤原基央さんが「MOTOO FUJIWARA」名義でリリースしたサウンドトラックアルバム「SONG FOR TALES OF THE ABYSS」をざっくりと紹介&個人的レビューしていきたいと思います。


私は「一番好きなアーティストは誰?」と言われたら間違いなくBUMP OF CHICKENと答えます。なぜ好きになったのかというと、前から詞やサウンドが好きだったということもありますが、初めて行ったライブ「aurora ark」の東京ドーム公演1日目の藤原基央さんのMCで「世の中にいっぱいあるアーティストの何万曲ある中から、俺たちの音楽を見つけてくれた、俺はお前に会いにきました」みたいなことを言ってて、その考えに感銘を受けたからです。

私は、リスナー歴としては「aurora arc」からなので5年くらいと短い方ですが、ある程度BUMP OF CHICKENの歴史は把握していると自負しています。なのでこれを書こうと決めました。


基本的には自分の主観で述べていますが、なるべく客観的な意見も取り入れるように述べています。

評価は、オススメ度と個人的好き度に分けて、★10を満点につけていきます。また、リスナーから人気の高い曲と個人的オススメ曲も掲載します。


あと、アルバムごとにSpotifyのリンクを貼っておくので、聴きたくなった方はそちらからどうぞ。

長くなりますがよろしくお願いします。
それではスタートです。


1st 「FLAME VEIN(+1)」(1999)

記念すべき1stアルバム。藤原さんが初めて日本語詞で曲を書いた「ガラスのブルース」から始まる。1998年リリースの、500枚限定8cmCDに収録されてた「アルエ」「リトルブレイバー」「ナイフ」以外の4曲は、3日間でレコーディングを終わらせた。歌詞カードは藤原さんがカフェのバイトの休憩の合間に手書きで書いたもの。現行盤は、2004年に再発されたリマスター盤。「LAMP」のカップリング「バトルクライ」が追加収録されている。

演奏は荒削りで、藤原さんのボーカルも尖っていて、全体的に若々しさを感じる。


良いアルバムではあるが、他のアルバムの人気が高すぎるので、人気は低い方。個人的にも優先順位は下がってしまう。ただ、この若い頃ならではの荒削りな部分が現れているところが、魅力的でいいなと思う。

(人気曲:①ガラスのブルース、③アルエ)
(オススメ曲:⑦ナイフ、⑧バトルクライ)

おすすめ度:★★★★★★
個人的好き度:★★★★★★★


2nd 「THE LIVING DEAD」(2000)

「ランプ」以外の収録曲は全て、2〜3週間くらいでレコーディングを終わらせた作品。楽器隊のレコーディングをした後、藤原さんのメロディー・作詞を書く作業を行い、ボーカルレコーディングを行うという風に行われた。「Opening」と「Ending」は元々「プレゼント」という一曲だったが、このアルバムの始まりと終わりの役割を担うために、それぞれ前半部分と後半部分が抜き出された形で収録された。(その後「プレゼント」は2008年にレコーディングされ、「present from you」に収録)現行盤は2004年に再発されたリマスター盤。

ワンマンライブを成功させたり、メジャーデビューの話が出始めたりと、インディーズで大きな人気を集めるものの、色々重圧に悩まされている中で制作されたからか、全体的に暗い作風となっている。

楽曲は「K」や「Ever lasting lie」など、1つの物語のような楽曲が多い。そのためか、BUMP OF CHICKENのアルバムの中でもコンセプト・アルバム的要素が強い作品となっている。なお、「ベストピクチャー」はBUMP OF CHICKENの全楽曲(隠しトラック除く)の中で唯一藤原さんが作曲に関わっていない楽曲で、ベースのチャマこと直井由文さんが作曲している。

リスナーからの人気は高い。中にはこのアルバムを最高傑作だとあげる人もいる。


個人的には、藤原さんが書く一つの物語のような歌詞やこれを短期間で書き上げたのがすごいなと思う。全体的に雰囲気が暗いのが好き。初期の作品の中でも人気があるのが納得できる名盤。

おすすめ度:★★★★★★
個人的好き度:★★★★★★

(人気曲:②グングニル、⑥K)
(おすすめ曲:④続・くだらない唄、⑦リリィ)


3rd 「jupiter」(2002)

メジャー1stアルバム。「天体観測」のヒット、それによるブレイク後、初の作品。アルバムタイトルは、藤原さんがスタッフからアルバムタイトルについて訊かれた時、頭に浮かんでいたのが、「jupiter」だったためこのタイトルに。ちなみに、このアルバムからしっかりと時間を取って、1曲1曲に向き合いながらレコーディングをするようになり、曲が溜まってきたらアルバムをリリースする方式へと変わっていった。(この制作方法は現在も行っている)

シングル・アルバムを通じて初めてのオリコン週間チャート1位を獲得。累計出荷枚数が90万枚を超えるヒットを記録。

前作とは異なり、物語のような作風の楽曲は「ダンデライオン」のみ。言わずと知れた大ヒット曲「天体観測」、藤原さんが歌詞の制作に苦労した「ハルジオン」、オープニングを飾るアンセム「Stage of the ground」など、メッセージ性の強い歌詞の楽曲が多い。サウンドは従来通りバンドサウンド。


バンドとして成長を遂げ、1曲のクオリティも上がっていってる傑作。収録曲に関しては「天体観測」が注目されるが、「ハルジオン」「メロディーフラッグ」とそれに負けないくらい好きな曲もある。結成からの集大成といっても過言ではないと思う。

おすすめ度:★★★★★★★★★
個人的好き度:★★★★★★★

(人気曲:②天体観測)
(おすすめ曲:③Title of mine、⑦メロディーフラッグ)


4th「ユグドラシル」(2004)

BUMP OF CHICKENの最高傑作との呼び声も高く、特にリスナーからの人気が高い作品。従来のバンドサウンドに拘らず、マンドリンやブズーキなどを使用するなど、曲が求めるサウンドづくりへと変化していき、現在のBUMP OF CHICKENの楽曲制作の根本が形成されたとも言えるアルバム。この頃のBUMP OF CHICKENは諸事情で増川さんがレコーディングに参加しなかったり、藤原さんが書く曲にほかのメンバーがどう演奏するか向き合ったりと、色々葛藤を抱えながら活動していた。

70万枚近くを売り上げ、BUMP OF CHICKENのアルバムの中では最も売れたアルバム。

作詞に9か月かかり、Mr.Childrenの桜井和寿さんが2000年代で最も印象に残った曲として挙げた「ロストマン」をはじめ、「embrace」「同じドアをくぐれたら」、藤原さんの弾き語り曲「レム」など、「jupiter」までのサウンド作りとは異なり、曲が求めるサウンドで作られた楽曲が収録されている。

このアルバムは、当時のリスナーだけでなく後追いのリスナーからも特に人気が高く、評価も高い。某サイトの人気投票では毎回1位を獲得。このアルバムを2000年代の名盤にあげているリスナーも少なからずいる。


熱心なリスナーになってから、聴いたアルバムだが、実際このアルバムがBUMP OF CHICKENの最高傑作といっても過言ではないと思う。どれも好きな曲で、リアルタイムで聴いてたらさらに興奮していただろうなと思う。(あと、これから「Sphery Rendezvous」に行く予定の方は一回聴いておいた方がいいかも)

オススメ度:★★★★★★★★
個人的好き度:★★★★★★★★★★

(人気曲:⑥sailing day、⑧車輪の唄、⑬ロストマン)
(おすすめ曲:③乗車権、⑦同じドアをくぐれたら、⑪fire sign)

5th「orbital period」(2007)

メンバー全員が28歳になった年にリリースされた作品。アルバムタイトルは、「公転周期」という意味。藤原さんが28歳の誕生日の前、0歳から28歳までの時と同じく、木曜日の誕生日の間隔の年数が「5、6、11、6」と生まれた日と同じ曜日になることに気づき、28年で一巡りの周期があることに、藤原さん含むメンバー全員が興奮と感動を覚えた。その感動と興奮が冷めやらなかったので、このタイトルになった。

CDはスリーブケース仕様となっており、藤原さんが書き下ろしたストーリー「星の鳥」と歌詞が収録された、88ページのブックレットが付属。
バンド結成28周年を迎えた2024年には、このアルバムのツアー「ホームシック衛星」のリバイバルツアー、「ホームシック衛星2024」が開催された。

「プラネタリウム」以降にリリースされたシングルはいずれも20万枚以上を売り上げており(特に「supernova/カルマ」は50万枚に迫るヒット、2006年のオリコン年間シングルチャート9位を記録している)、初週売上は過去最高の38.1万枚を記録しているが、同じリリース日だったコブクロのアルバム「5296」に阻まれ、週間チャートでは2位に。(「jupiter」以降にリリースされたオリジナルアルバムでは唯一1位を逃した)

サウンド面では、今までの特徴でもあったチャマさんの動きまわるベースラインが、曲に沿ったベースラインへと変わっていたり、升秀夫さんのドラムが押し出されるようになったり(特に「メーデー」のドラムソロ)、シンセサイザーやストリングスを初めて使用したりなど、「ユグドラシル」での経験を踏まえた上で大きく変化。だが、あくまでも4人が奏でるバンドサウンドが中心となっている。

リスナーからの人気はあるが、前後の作品(「ユグドラシル」「COSMONAUT」)と比べると、低い。だが、「ホームシック衛星2024」の開催もあって、人気や評価が上がってきていると思う。


個人的に、最初はどうしても中盤でダレるなと思うことがあり、途中で聴くのをやめることもあって、好きは好きだけどなーって感じだったが、「ホームシック衛星2024」の開催で聞き返したり、有明アリーナ公演を観に行ったりしたことで、だいぶ印象が変わった。ブックレットの「星の鳥」が大好き。その「星の鳥」を付属することや「voyager」を最初に、「flyby」を最後に収録することで、このアルバムがコンセプチュアルな作品になっているので、そこがいいなと思う。

オススメ度:★★★★★★★
個人的好き度:★★★★★★★★

(人気曲:④才悩人応援歌、⑩花の名、⑭カルマ)
(おすすめ曲:⑦ハンマーソングと痛みの塔)

6th「COSMONAUT」(2010)

メンバー全員が20代から30代に突入して初めてリリースされた作品。2008年のツアー「ホームシック衛星」「ホームシップ衛星」終了後、藤原さんは曲が書けなくなるスランプに見舞われる。それを心配したプロデューサーのMORが心配してスタジオに誘うようになり、そこで藤原さんにお題を与えるようになる。藤原さんは楽曲制作の場所を自宅からスタジオに移すことで作曲のペースが上がった。その結果、ストック録って出しが多い、BUMP OF CHICKENにしては、珍しくストックが豊富になり、収録予定だった楽曲が漏れるほど。(その曲は「(please)forgive」。のちに「RAY」に収録される)

藤原さんのスランプがあったからか、時間をかけて制作された。この後も「友達の唄」や「ゼロ」の制作があったため、このアルバムを引っ提げたライブツアーはリリースの一年後から開催された。

楽曲は、過去を振り返るような歌詞のものが多く、藤原さんが30歳を越えたという経験が大きな影響を及ぼしている。サウンドはバンドサウンドではあるが、荒削りなものはなく、洗練されたものになっている。変拍子の曲やバックビートの曲が無かったりと、新たな試みに取り組んでいく姿勢が深まった。あと、藤原さんの歌い方も以前のような尖ったものから優しい歌い方へと変わりつつある。

リスナーからの評価は高い。このアルバムが一番好きと挙げるリスナーも多く、「ユグドラシル」に次ぐ人気を誇るアルバム。


個人的にも、「ユグドラシル」の次に好きなアルバム。アルバム全体の雰囲気が落ち着いていて、最初は違和感を感じることがあったが、聴いていくうちにこのアルバム結構いいなーと思うようになった。暗いだけでなくその中に暖かみのあるアルバムだと思う。ちなみにこのジャケット写真は、個人的にBUMP OF CHICKENのアルバムの中で一番好き。

オススメ度:★★★★★★
個人的好き度:★★★★★★★★★

(人気曲:⑦魔法の料理 ~君から君へ~、⑧HAPPY、⑨66号線)
(おすすめ曲:⑥透明飛行船、⑩セントエルモの火)

7th「RAY」(2014)

初のライブ映像作品やベストアルバムのリリース、初のスタジアム公演開催、そこでザイロバンド(光るリストバンド)やチームラボボールを使用した演出を取り入れるなど、BUMP OF CHICENにとって新たな挑戦をどんどん行っていく中でリリースされた作品。当初は1月下旬にリリース予定だったが、3月12日に延期された。

更にこのアルバムのリリース日には、バンドとしては初となるコラボレーション楽曲「ray feat. HATSUNE MIKU」を配信リリース。初音ミクとのコラボレーションは、当時のリスナーを驚かせた。

新たな挑戦を示すかのように最初の3曲は、シンセサイザーを大胆に取り入れたサウンドで始まる。だが4曲目の「サザンクロス」以降は、今までのBUMP OF CHICKENのようなバンドサウンドの楽曲が多い。

この変化に困惑するリスナーが一定数いたが、新たな取り組みを評価するリスナーや最高傑作とあげるリスナーも一定数いる。また、音圧を上げすぎたからか音割れしているという意見やジャケット写真があんまり…という意見もあった。


個人的にこのアルバムも好きではあるが、いかんせん一曲一曲が長い(特に後半に収録されている既発曲)のであまり聴かないアルバムかも。ただアルバムの全体的な流れは好きだし、好きな曲は割とある。

オススメ度:★★★★★★★★
個人的好き度:★★★★★★

(人気曲:③ray、⑦ゼロ)
(おすすめ曲:④サザンクロス、⑬(please)forgive)

8th「Butterflies」(2016)

前作「RAY」から1年11ヶ月と、メジャーデビュー以降では最短のリリース間隔を置いてリリースされた作品。ただでさえ寡作なBUMP OF CHICKENがこのペースでアルバムをリリースすることは異例。バンド結成20周年に間に合わせるように作ったものだと思われる。実際、バンド結成記念日の前日にリリースされたし。

「RAY」以降、「ミュージックステーション」に初出演し、地上波で初めて楽曲を披露。その後も、初の東京ドーム公演を開催したり、NHK紅白歌合戦に初出場したりなど、今まで極めて消極的だったメインストリームへの進出を積極的に行ってきた。また既発曲が半分を占めており、一部のアルバム曲も後にタイアップに起用された。これらの効果もあってか、初週売上は「RAY」の初週売上を上回った。売上も「RAY」を上回るヒットとなっている。

楽曲の面では、EDMを大胆に取り入れた「Butterfly」やオートチューンが使われた「パレード」など、打ち込みを大々的に使った楽曲が多いからか、エレクトロな要素が強め。これや新たな取り組みに戸惑う昔からのリスナーも少なくなかった。そのためか、このアルバムはBUMP OF CHICKENのアルバムの中でも人気が低いアルバムである。


個人的に、BUMP OF CHICKENのオリジナルアルバムの中でもあまり聴かないアルバムだが、そこまで悪くないと思う。(なんならほかのアルバムのレベルが高すぎる)

とくに「流星群」が好き。こういう新たな取り組みを行ってきたことは、今後の活動にも繋がっているだろうし、いろいろ反省してバンド中心のサウンドに帰ってきた(?)のかもしれない。

ただ、タイアップ曲が多数収録されているので、人に薦めやすいアルバムではあると思う。

オススメ度:★★★★★★★
個人的好き度:★★★★★

(人気曲:①GO、②Hello,world!、③Butterfly)
(おすすめ曲:④流星群、⑪ファイター)

9th「aurora arc」(2019)

結成20周年記念日に行われたスペシャルライブ「20」、初のスタジアムツアー「BFLY」を開催した結成20周年イヤーや、久しぶりにリリース関係なく開催されたツアー「PATHFINDER」、積極的なタイアップ曲のリリースなどの精力的な活動を経て、リリースされた作品。

前作と異なり、14曲中12曲が既発曲もしくは何かしらの形で公開済みの楽曲であり、完全な新曲はインストゥルメンタルの「aurora arc」と藤原さんの弾き語り曲「ジャングルジム」の2曲のみ。そのため、「アリア」以降のBUMP OF CHICKENのドキュメンタリーのような作品になっている。

既発曲が多数収録されていたり、完全未発表の新曲が2曲しかなかったりと、リスナーからは否定的な意見がリリース前にはちらほら見られたが、リリース後は一転して良いアルバムだという意見が多く、「RAY」以降の作品では、リスナーからの評価や人気が特に高い作品。

サウンド面でも、エレクトロ要素は影を潜め、バンドサウンド中心に。打ち込みとバンドサウンドがうまく共存しているサウンドになっていて、前作ほどの過剰なものとはなっていない。


個人的には、初めて買ったBUMP OF CHICKENのアルバムがこれなので、一番思い入れがあるアルバム。初めて手に入れたときのワクワクは一生忘れない。アルバムの曲順が良かったから名作になったんだろうなと思う。あと、歌詞カードはオーロラを観にカナダ・イエローナイフへ行った模様を収めた写真で構成されていて、よりアルバムの世界観を引き立たせるものとなっていて好き。ジャケット写真もオーロラで結構好き。これからBUMP OF CHICKENを聴き始める人には「Iris」の次に薦めるオリジナルアルバム。

オススメ度:★★★★★★★★★
個人的好き度:★★★★★★★★★

(人気曲:②月虹、③Aurora、⑬新世界)
(おすすめ曲:⑨話がしたいよ、⑩アンサー)

10th「Iris」(2024)

過去最長の5年2ヶ月というリリース間隔を空けてリリースされた作品。前作「aurora arc」から今作までの間には、コロナ禍、藤原さんの結婚発表、チャマさんの不倫・それに伴う活動休止、ポケモンや朝ドラ、劇場版名探偵コナン、SPY×FAMILYなど、大型タイアップが付いた楽曲を次々とリリース、公式アプリ「be there」のローンチ、「Silver Jubilee」「be there」「ホームシック衛星2024」という3つのライブツアーを立て続けに開催するなどの出来事があり、BUMP OF CHICKENにとっても、リスナーにとっても、今まで以上に濃密な期間を過ごしてきた。

前作に引き続き、タイアップ曲・既発曲が多く、新曲は「Silver Jubilee at Makuhari Messe」で先行して披露された「木漏れ日と一緒に」と2023年のツアー「be there」中に藤原さんが書いた「青の朔日」のみ。「アカシア/Gravity」以降のバンドのドキュメンタリーのような作品となっている。(ちなみに歌詞カードも同じようにドキュメンタリーのようなものになっている)

前作同様、既発曲が収録曲のほとんどを占めていることや、近年のBUMP OF CHICKENの作品を手掛けている、VERDY氏によるジャケットに関して否定的な意見を述べるリスナーも少なくなかった。リリース後は評価が変わるだろうなと思うが、どうだろうか。


個人的には、もう少し新曲があったらなあと思うことはあるし、アルバム全体のまとまりは前作と比べてあまり感じないが、クオリティの高い曲が集まった普通に良いアルバムだった。彼らが、タイアップ曲とかアルバム曲関係なく、1曲1曲を真摯に向き合って制作しているだけあるなと思った。あと、パッケージや歌詞カードも凝った作りになっていて、それが非常に良くて、CDを買うリスナーのことをしっかり考えて作られたんだなと思った。CDの盤面にあるニコルが可愛い。ジャケットはちょっと味気ないけど。(だからかCDの不具合はちょっと残念)

「アカシア」や「SOUVENIR」といった近年のタイアップ曲から聴くようになったリスナーにとって、満足できる内容の作品となっていると思うし、これからBUMP OF CHICKENを聴き始める人にオリジナルアルバム1枚を薦めるなら、このアルバムを選ぶ。

オススメ度:★★★★★★★★★★
個人的好き度:★★★★★★★★

(人気曲:②なないろ、④SOUVENIR、⑥クロノスタシス、⑬アカシア)
(オススメ曲:⑨青の朔日、⑪窓の中から、⑫木漏れ日と一緒に)



おまけ

MOTOO FUJIWARAソロ・サウンドトラックアルバム「SONG FOR TALES OF THE ABYSS」(2006)

はい、ここからはおまけです。

PlayStation2用ゲームソフト「テイルズ オブ ジ アビス」のサウンドトラックとしてリリースされた、藤原さん唯一のソロ作品。

藤原さんが「カルマ」のアレンジバージョンを手がけたり、ゲーム内のラスボスやバトルのBGMを書いたりしたことをきっかけに、スタッフから「自分の名前でアルバムを出すべきだ」と言われ、リリースされることになった。

その名の通り、このアルバムには「テイルズ オブ ジ アビス」で使用され、藤原さんが書いたBGMを収録。もちろん、テーマソングの「カルマ」も収録。(これがこのアルバムに収録されている、唯一のBUMP OF CHICKEN名義の楽曲)


個人的にはあんまり聴かないアルバムではあるが(ゲームも名前は知ってるけどやったことないし)、「promise ~live~」→「カルマ」の流れは何回聴いても鳥肌が立つ。この流れだけでも聴いてほしい。

あと、このアルバムはBUMP OF CHICKENを知り尽くしたリスナーが辿り着くアルバムだと思う。

オススメ度:★
個人的好き度:★★★★★


シングル・カップリング集「present from you」(2008)

BUMP OF CHICKEN初のシングル・カップリング集。このアルバムがリリースされるまでに発表された、アルバム未収録のカップリング曲12曲(既存曲のアレンジ違い含む)に加え、「THE LIVING DEAD」の制作時に書いたものの、「Opening」と「Ending」として抜粋され、フルとしては未発表曲だった「プレゼント」を収録。以前からメンバーはカップリング集をリリースしたいと思っていたらしい。ある程度曲が貯まってきたからか、このタイミングでリリースされた。ジャケットは真っ白で、アーティスト名とタイトルが書いてあるだけのすごくシンプルなもの。

シングル・カップリング集ではあるが、評価が高く、このアルバム以降のカップリング曲などを収録した「present from you 2」をリリースして欲しいというリスナーの声もある。


個人的には、オリジナルアルバムと同じように好きなアルバムである。「ラフ・メイカー」や「真っ赤な空を見ただろうか」といった表題曲より人気のある曲や、「ホリデイ」「ガラスのブルース (28 years round)」といったオリジナルや表題曲と遜色ないクオリティの楽曲が収録されている。曲順はリリース順ではあるものの、しっかりアルバムとして構成されていると思う。このアルバムはオリジナルアルバムを一通り聴いてから聴くことをおすすめする。

オススメ度:★★★★★
個人的好き度:★★★★★★★★

(人気曲:①ラフ・メイカー、⑩真っ赤な空を見ただろうか)

(おすすめ曲:④ホリデイ、⑫ガラスのブルース(28 years round)、⑬プレゼント)


ベストアルバム「BUMP OF CHICKEN I <1999-2004>」「BUMP OF CHICKEN II <2005-2010>」(2013)

BUMP OF CHICKEN初(にして唯一)のベストアルバム。自分たちでは選べないからという理由で、スタッフによって選曲された。ジャケット写真の撮影は蜷川実花さんが担当している。今までリリースしてきた作品のジャケットやエンブレムが飾られたもので、ベストアルバムにふさわしい豪華なものとなっている。

「LAMP」から「宇宙飛行士への手紙/モーターサイクル」までのシングル表題曲が全て収録されていたり、「K」や「ギルド」といったファンから人気の高いアルバム曲も収録されていたりするので、初心者入門には持ってこいの作品。


熱心なリスナーとなった今では聴くことが少なくなったし、もう少しアルバム曲を入れても良かったんじゃないかと思う。ただ、私は「天体観測」が聴きたくてこのアルバムを借りて、BUMP OF CHICKENの曲を聴くようになったので、このアルバムがある意義はそれなりにあると思う。

(オススメ曲は強いて言えば、隠しトラックの(I)「faraway」(II)「くちびる」。CDで買うかレンタルするか何なりして聴いてね)

オススメ度:★★★★★★★★★★
個人的好き度:★★★★


おわりに

この記事を読んで、BUMP OF CHICKENが好きな方は、「うんうん」って共感したり、「何言ってんだコイツ」って突っ込んでもらったりして楽しんでもらえたら、BUMP OF CHICKENが気になる人は、これが聴くきっかけになれたら幸いです。

長文でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。


いいなと思ったら応援しよう!