和を以て貴しと為す（やはらぎをもちて たふとしとなす）

憲法十七条（いつくしきのり とをあまりなな をち）
第一条（ひと を）

　一ひと をに曰いはく。
　和やはらかなるを以もちて貴たふとしと為なし、忤さかふること無なきを宗むねと為せよ。
　人ひと皆みな党たむらあり、亦また達さとる者もの少すくなし。
　是これを以もちて或あるいは君父きみ･かぞに順したがはず、乍たちまち隣里さととなりに違たがふ。
　然しかれども上かみ和やわらぎ下しも睦むつびて、事ことを論あげつらふに諧かなふときは、
　則すなはち事理こと自おのづからに通かよひ、何事なにごとか成ならざらむ。

一曰。
以和爲貴、無忤爲宗。
人皆有黨、亦少達者。
是以或不順君父、乍違于隣里。
然上和下睦、諧於論事、
則事理自通、何事不成。

『日本書紀』第二十二巻

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和やはらかなるを以もちて貴たふとしと為なし、
（調和を諮はかることを何よりも大切にし）

忤さかふること無なきを宗むねと為せよ。
（諍いさかいを起こさないことを何よりも基本としなさい）