掛け算の順序問題はもうやめよう・小さな教育情報
4✕6はマルで、6✕4はバツ?
この「掛け算の順序問題」はよく話題になります。
私の現場経験では算数・数学教育に詳しい人ほどバツにすることにこだわる姿勢が強いという印象があります。つまり「専門家」を気取る傾向があると言うのは言い過ぎでしょうか。
バツにすべき派の言い分は、掛け算は「1あたり量✕いくつ分」だからこの用語にピタリと合わないと「正確に理解していない」ということにあります。
ところが、問題文は大抵「ぜんぶで何こあるでしょう」と、結論しか聞いていません。ならば、4✕6だろうが6✕4だろうがどちらも答えは24で正解なんですからどちらもいいに決まってます。交換法則を教えている、いない云々は関係ないです。九九でシロクもロクシもどちらも習っているんですから。
どうしても「正解な理解」にこだわるなら問題文を変えればすむ話ではないでしょうか。
「6人のこどもに1人4個ずつみかんをあたえたい。みかんはいくつあればいいでしょうか」に続いて「①1人あたりみかんは何個あたえますか(1あたり量はいくつですか)」「②それは何人にあげますか(それは、いくつ分ありますか)」「③みかんは全部でいくつあればいいでしょう。式と答えを書きましょう」と3つのパートに分けて答えさせればいいだけです。
それが面倒だというなら4✕6も6✕4もどちらもマルです。教師の問いの正確性が不十分なのに子どもの解答に極度に正確性を求めるのはお門違いというものだと思います。
もう一つ言うならば「1あたり量✕いくつ分」を「いくつ分✕1あたり量」と考えてはいけない理由はあるのでしょうか。何が何でもを前者でなければいけない数学的理由があるなら教えてもらいたいのですが。
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