私の「越境学習」の源流を探る
Facebookの思い出機能が教えてくれた。
9年前の今日、私は「Reflection Night」という人事・社員教育に関わる人々の集まりに参加した。
2015年以降は大学院でさまざまな社会人との交流を楽しんでいるが、自分の越境体験を語るとき、いくつか「源流」と呼べるようなコミュニティがある。
でも、その時系列はあまり意識していなかったので、整理してみる。
1.Reflection Night
Reflection Nightは、2013〜2017年ごろまで、人事・教育に携わる企業人の集まりとして2〜3ヶ月に1回のペースで開催されていた。
スローガンは「Give & Share」。
サブタイトルは「みんなの作戦会議」。
分け合うことで生まれる何かに焦点を当てているところは今考えても素晴らしい。
また、走り続ける人事・教育担当者も、ちょっと立ち止まってふりかえろう、作戦を立て直そう、というコンセプトもまた、私に大きな影響を与えている。
毎回、参加者が勤める企業の会議室を使わせていただいていた。
上の写真のときは、原宿にあるビームスさんの研修ルームで。
この「夜の企業訪問」や「場所の持つ力」みたいなものを感じることもまた、楽しみの一つだった。
当時、IBMの研修子会社に勤めていた私は、IT業界の世界しか知らなかった。
研修を売る立場だったが、競合他社のことも、顧客である事業会社の人事の世界も、よく知らなかった。
それぞれが抱える人事・教育の悩みを共有するうちに、ぐぁっと視界が開けた感覚を覚えている。
似たようで違う、違うようで似ている。
この不思議な感覚を味わい持ち帰る、時々もやもやも。
そんな貴重な数年間だった。
フリーランスになり、最初は安定しない収入がとても不安だった。
だから、「なんでも受ける」から「自分の苦手なタスクは受けない」と決めるまでには、大きな葛藤があった。
そんなとき、話を聞いてくれて支えてくれたのは、Reflection Nightのメンバーだった。
私の「働き方」の大きな転機を支えてくれた感謝は一生忘れない。
なにしろこのネーミングが素晴らしすぎて、毎月最終日曜日に開催しているふりかえりイベントの名前を「リフレクション・ナイト」にした。
どなたでも参加可能。
よろしければNPOいろどりキャリアのPeatixからどうぞ。
2.Learning Bar
Reflection Nightに誘ってくれた「海上さん」とは、現・立教大学の中原淳先生が主催する「Learning Bar」で知り合った。
場所は品川。
ドキドキしながら参加したことを覚えている。
探してみたら、当時の記事が!
ステージに向かって、右側後方の席に座ったんだよなぁ。
それから、2013年4月26日と言われて蘇る記憶。
新入社員研修の仕事が終わって、海浜幕張から大急ぎで会場に向かったんだ。
たくさんの方と名刺交換をしたが、まさか次につながる「何か」があるとは予想もしていなかった。
3.NEXT☆7
冒頭のFacebookの思い出に登場する「黒ちゃんと麻美ちゃん」とは、ここで出会った。
この会は、ITベンダーの研修子会社の集まり「七社会」から派生した。
七社会は私たちの上司が定期的に集まる会で、お互いのビジネス状況を報告し合う場。
定例ミーティングでその内容が報告されていた。
日本IBM、富士通、NEC、日立、東芝、三菱電機、日本ユニシスの各研修子会社(当時)である。
ある日私は上司に「大人ばっかりずるい!私も別の会社の人たちと会いたい!」と訴えた記憶がある(笑)。
その願いを叶えていただき、2012年12月、IBM箱崎事業所で大人の(笑)「七社会」が行われている隣の部屋で、「若手の会」として、この会はスタートした。
その時は、私のファシリテートでワールドカフェを実施した。
このとき嬉しかったのは「IT研修あるある」について、他社の皆さんと共感できたこと。
各社の中で似たような問題が起きており、これまでライバルだと思っていた人たちが急に身近な存在となった。
もっと早く話したかった!という思いが溢れた。
顧客のコンペで入れ違いになることもあり、客先のロビーで目配せして「Good Luck!」なジェスチャーを送り合うことも何度かあったっけ。
研修という分野では、情報を隠して競合していくよりも、知恵を寄せ合っていく方が楽しいし健全だと感じさせてくれたグループだった。
活動は各社の会議室を点々としながらしばらく続き、名前も「若手の会」→「NEXT☆7」→「NEXT☆Family」になったように記憶している。
4.IBMユーザー研究会
遡っていたら、こんなのもあった!
2011〜2012年、上司から声をかけられ、IBMユーザー研究会に参加した。
テーマに合わせて論文を書くプロジェクトがあり、「IT人材の新入社員教育」というテーマを選択したグループのアドバイザーとなった。
メンバーは全員、異なる企業から参加しており、1ヶ月に1回のペースで集まり、どんな論文を書くかを話し合った。
こちらも各企業の会議室をお借りして打ち合わせを行い、その後は飲み会。
発表会ではメンバーの皆さんは特別賞をいただき、プロジェクト終了後も時々集まって飲んでいた。
この時は、あまり「アウェイ」な感じはしていなかった。
そもそも所属企業が後援しているプロジェクトであり、アドバイザーの私は何かタスクを進めるわけでもなかった。
何も考えずに、ただただ、楽しんでいたように思う。
5.CDA養成講座
おそらくこれが最も古い「いろんな社会人との交流」だろう。
2010年のことである。
CDA(Career Development Advisor; 2016年以降は国家資格キャリアコンサルタントと両方持っている方もいる)取得という共通の目的に向かって、同じクラスのみんなと数ヶ月をともに過ごした。
これをきっかけに、大学院に入るまでは様々な勉強会に参加した。
最初はそれが楽しかったのだが、なんでもかんでも参加しているうちに色々と断れなくなってきて、大学院に入学したようなところも実はある。
(もちろん、断る口実だけのために大学院に入ったわけではない。笑)
しかし、いろんなきっかけを与えてくれるグループにいたからこそ、今、大学院とエニアグラムとPoints of You®︎という学びに収束した。
これらはすべてCDA養成講座の学びがベースになっているから、やはり自分にとって必要不可欠な時間だった。
そうそう、2017年にフリーランスになり、最初に仕事のオファーをくれたのは、CDA養成講座のクラスメイトだった。
6.まとめ
振り返ってみると、いろいろあった。
濃く関わったコミュニティもあれば、単発のものもたくさんある。
上記のもので、コミュニティ全体としてつながり続けているものはないが、ここで生まれた人間関係は細く長く続いていて、ときどき、目の前に浮上してくる。
どれもつながっている感じがする。
越境体験や越境学習は、一つひとつの濃厚な体験だけでなく、こうした連続性の中でも生まれていく。
私の視点を広げ、感性を豊かにしてくれたのは、まぎれもなく、自分とは全然違う誰かとの対話だった。
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