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潟梨酒
こんにちは。安東です。
blogの更新は、完璧主義でやると一向に進まないことに気づいたワイナリー責任者です。
今当ワイナリーで最も?!HOTなアイテム、梨のお酒のご紹介です🍐
潟梨酒とは?
2024年。ワイン造り3年目でまだまだぶどうの醸造も勉強することばかりなのですがこの潟上市の梨は美味しかったので、発酵させてお酒にしました。
潟上産の梨100%。アルコール度数5%前後のお酒です。
2024年11月21日(木)発売解禁
勘の鋭いアナタはお気づきかもしれません。
そう、ボジョレー・ヌーヴォーの解禁日ということに。
毎年同じ日に解禁します。
いずれ、毎年解禁を楽しみにしてもらえるように。潟上ヌーヴォーと呼ばれるように。そして、「〇〇年に一度の出来」と言えるように(笑)
![](https://assets.st-note.com/img/1733130406-UVYafFtjmNhcZuHv1pJyGBTe.jpg?width=1200)
名前の由来
潟上の梨だから潟梨。。。ではあるんですが、「カタナシ」あんまりポジティブな言葉ではありません。
形無し
・本来あるべき形や価値がないさま
・またはそのも本来の姿や価値が損なわれてあとに残らないさま
・姿形や容貌が醜いさま、または身分や気持ちなどが劣っているさま・・・など
しかし、お酒の元となった梨は、味は良いのにカタチはバラバラ、カタナシで個性的な子たちばかりです。その「あり方を変えると活躍できる」、「”本質
あるカタナシ”が潟上の希望となる」、そんな想いを込めました。
やさしくしたかったんです。(味わい解説)
![](https://assets.st-note.com/img/1733145539-apXr3nTSmvOzU1B25DhPWqkj.jpg?width=1200)
目指したのは、「やさしいお酒」
低アルコール、梨のやさしい香り、やさしい甘み。
ぶどうと比べ、糖分も酸も少ない和梨。主たる品種は幸水です。
ガツン!とくるお酒よりは梨らしく秋田らしく、謙虚かつ美味しいお酒をイメージしました。
実際に出来上がったものは、ひとことで言うなら、
「すごくやさしい吟醸酒」のような感じです。
梨の香り。。。というよりは酵母の香りが第一印象です。空気に触れていくことで、すこしずつ、吟醸香にも似た香りが現れてきます。
とても謙虚なアルコール感、繊細な甘みと酸味。
飲み疲れしない、やわらかい味わいなのでお食事のストライクゾーンは広いように思います。日常のおかずとともに楽しんでいただくのがおすすめです。
どこで買えるんだべか
そんな潟梨酒ですが、現在は直売のみとなっています。
当ワイナリーまでお越しいただく、または送料かかりますがお送りすることは可能です。
遠くない未来に道の駅やECなども検討しておりますのでしばしお待ち下さいませ。。。
![](https://assets.st-note.com/img/1733145759-N3hSV1fXTOYnrxD4AJmUBq7v.jpg)
税込¥1980.( 500ml)
他、現在出張販売を積極的に行って行きますので、イベントとご都合合えばぜひお越しください。
12/8 :国際教養大学 「AIUマルシェ」(ワインの販売と潟梨カレー)
12/14,15:道の駅てんのう「ぬぐだまりふぇあ」(ワインの試飲と販売、梨カレー)
![](https://assets.st-note.com/img/1733146318-l8bKoXps0wWH1Y7ic2U4k9av.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1733146354-RxDd95pOwNC1H6uBhrQqWe0Y.jpg?width=1200)
潟梨酒≒カタリザケ?
まだまだ、始まったばかりの潟梨酒ですが、
皆様の反応も概ね上々。
これから、合わせる料理や飲み方など、提案を生み出していきますし、ぜひみなさんからのアイデアも教えてくれたら嬉しいです。
このお酒は読み方変えれば「カタリザケ→語り酒」。
ぜひこのやわらかく謙虚な、秋田県民みたいなお酒を片手に、友人や同僚、同志や家族と、未来を語ってください。
そんなお酒にしていきたいです。
おわり
潟梨酒苦労話
ここからは長文となりますので興味ある方だけ。。。
ことの始まりは、昨年、潟上の農家さんとお話している際に出てきた梨の話でした。「今年(2023年)は梨ほとんど採れなかったけど、潟上の梨はうめんだ。だども傷や不形で捨てる梨もしったげあんだ。梨でワインとかできねえかな」というお話でした。まだ入社しワイン造りも始まったばかりでしたが、なんだかもったいないなあというのと、梨ワインなんかあったらなんだか面白そうではあるなと思いました。
![](https://assets.st-note.com/img/1733142985-EeRrYiCfklwZNbxnV1jq4dsW.png)
そこで翌日、上司のR専務に話したところ、地元の梨をなんとかしたいという想いは一緒だったようで、当時は梨ワインなんて正解がわからん。。。かったのですが、後の2024年春、ミラクルが起こりました。
弊社のすぐ近くに果樹試験場がありまして、その中の土地をお借りしていて、新たなぶどう圃の準備をしていたのですが、その中に、梨の手入れもすることが条件に入っていたのです。梨があるならやるしかない!
かくして8月末、梨を収穫し、すぐに圧搾し発酵させました。
最初は順調でしたが、発酵し始めて1週間ほどしてからが肝でした。毎日味をチェックし、程よい甘さのところで発酵を止める。。。段取りでしたが、一日だけ、チェックしなかった日がありその日に一気に糖がとんだ様で。。。それまであった甘みがなくなっていました。あわてて冷却し発酵を止め、、、、
そして次段階でぶつかったのが硫黄臭でした。発酵過程でどうしても出てくるものではあるのですが、澱引きして酸素を取り込んだりしてなんとか落ち着いたかなあと思ったところで瓶詰めしましたがしばらく匂いが残り、これはデビューが難しいかも。。。とテンションが下がっていきました。
が、時間の経過とともに匂いはやわらぎ、これは出せる!と判断しました。
もちろん、その間試飲していただいたお客様や有識者様の良い反応も背中を押すきっかけにもなりました。
最後にハードルとなったのはラベルでした。様々な思いが交差するなかで決定したラベルですが手元に届いたのは発売日前日。。。。突貫作業でラベル貼りでした。(ウチは手貼りです)
ラベル作りの苦労もそのうちに書きます。
それではみなさん、良き日々を。