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映画館とトイレ問題

映画館で映画を観ると何故かトイレに行きたくなる。せいぜい2時間程度なのに我慢ができない。家にいる間は5時間でも平気なのに、どうも映画館はダメだ。

いや、映画館だけではない、登山もそうだ。いざ山を登ろうとするとお腹が痛くなりトイレを探してしまう。

どうやら「しばらくトイレに行けないよ」という状況に私は極めて弱いようだ。

映画を観ていれば、物語の幕開けと同時にストーリーと同じくらいの割合で「トイレ」が頭の中を占める。

物語が面白ければ、中盤に差しかかる頃には「トイレ」の存在もだんだんと頭の隅に追いやられていくこともある。
だが、どんなにテンポ良くストーリーが進もうが、ハラハラする展開になろうが、「トイレ」そのものを頭から消すことはできない。

「レインボーブリッジを封鎖できません!」と青島が叫んでいたあの時も、尿道を封鎖できるかどうかで悩んでいたし、マーヴェリックと訓練生たちがマッハ10と闘っていた時も、私の膀胱は体感マッハ10と闘っていた。

もちろん、私の豆腐メンタルが引き起こすこのトイレ問題に毎回丸腰で臨んでいるわけではなかった。

当然ながら上映前にコーヒーは飲まない。
カフェインなんぞ飲もうものならテキメンだ。NO MORE映画泥棒のカメラとパトランプのやりとり辺りからすでに「今そこにある危機」
なので、カフェインを控えるのは前日から、上映中の飲み物は口を湿らす程度と徹底している。

もちろん薄着はしない。知っての通り冷えは禁物。

トップガンマーヴェリックでの失敗

このように気をつけて臨んだのに失敗したのが、「トップガンマーヴェリック」だった。

あれだけ、息つく暇も与えない最高に面白いエンターテイメント作品でありながら私はやはりトイレに行ってしまった。前日からカフェイン断ちをしたのになぜ?

私が犯した「失敗」は、上映前に飲んだ「酔い止め薬」だった。

私は幼少期からめっぽう乗り物に弱い。
ディズニーランドの医務室で半日寝込んだことがあるという人はそう多くないだろう。富士急ハイランドではない、ディズニーランドで、だ。そんなわけで日頃から酔い止めは手放せないでいた。

ちなみに私はトップガンマーヴェリックを観たが、決してコクピットには収まってはいない。今流行りの体感型シート4DXでもなかった。
なのに、画面酔いをするかもしれない…と完全にビビった私は、こともあろうに上映前に酔い止め薬を飲んでしまったのだ。

眠気を抑える!と謳われたこの薬にはなんと「カフェイン」が含まれていた。
気合いを入れて前日から我慢したカフェインを知らないうちに自ら摂取してしまった。

結果、NO MORE映画泥棒あたりから、NO MOREトイレ!と映画館の中心で生理的欲求を叫ぶのを堪える羽目になったのだった。

その後、映画中盤まではなんとか欲求を抑え、マーヴェリックとペニーの美しいラブシーンでトイレに走ったのだった。トム様のラブシーンを正視できなかったわけではない、どこでトイレに行くか考え抜いた結果がラブシーンだったのだ。それは苦渋の決断だった。

このようなわけで、誰か。
映画館でトイレに行かないで済む方法を知っている方がいたら教えてほしい。

今日は、トイレにまつわる思い出…ならぬ、私の映画にまつわる思い出。

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