《詩》望み
私の本当に欲しいもの。
すぐそこに言葉があるのに、喉の奥に引っ込んでしまう。
言おうとすると
喉に見えない詰め物をされてるみたいに
息が苦しい。
”あなたに名前を呼ばれたい“
”ずっとそばにいたいです“
字で打つのはこうも容易いのに。
どうして言わせてくれないのだろう。
私ならいくらでも言葉を用意できるのに、、
この詰め物は
呪いのように喉にまとわりついて
離れてくれない。
ヒュウ、と息を吸うしかできなくて、
ふぅ、と言うのを諦める。
欲しいものを目の前に
ただ立ち尽くすしかなかった。
望みを言うのを拒んだ私に
涙が代わりにこぼれ落ちた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?