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21/08/23|PFF最終日、PCR検査に上映に予定盛り沢山!受賞結果は…!?

今思えば、もっと事前に調べておけば良かったような気もしますが、しかしcovidテスト会場のWEBにそこまで詳しく書かれていなかったので知る由もなかったといえばなかった事案…。

そう、帰国時に必要になる【陰性証明書】の取得についてのお話し。

映画祭会場のエリア内にもテスト会場があるということで、現地時間20日(金)のギリギリ72時間以内の時点でテストを受けていたのですが、このテストが実は日本政府の定める検査方法に当てはまらない検査方法しか対応しておらず、検査を受けて陰性だったにも関わらず厚生省が定めるフォーマット(紙)の陰性証明書を発行してもらうことができませんでした。WEBにはテスト方法の具体的な用語までは書かれていなかったので、ここで受けた検査が果たして日本のフォーマットに対応するテスト会場だったのか、WEBを見ただけでは判断がつかない状態でした。土日は閉まってしまう病院がほとんどで、近くの総合病院での検査は間に合わず。慌てて21日の夜から22日の朝にかけて、フェニックス市内で日本の陰性証明書取得に対応しているクリニックを探す羽目になってしまいました。

幸いにも、泊まっていたホテルから車で30分程度のオールドタウンのエリア(少し繁華街的なところ)に日曜日の昼間では対応しているクリニックがあったので、急遽WEBから予約してそこに向かうことに。ここまでの滞在期間で、配車アプリのLyftを十分に使いこなせるようになっておいて本当によかったです。タクシーをホテルで呼んでもらって…とチンタラしていたら、危うく検査を受けられる時間を過ぎてしまうところでした…。

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間に合うかヒヤヒヤしながらも、無事にオールドタウンのクリニックに到着。他にも日本人の受診者が頻繁に来るところだったようで、事情を説明したらすぐに理解してくれました。検査キットを渡され、自分で鼻咽頭に採取用の棒をつっこんで検体を採取。検体採取の棒が既にケースの中に入ってしまっているので写真だと見にくいですが、綿棒より少し細めのチップが青い蓋のケースの中に入っています。で、名前や受付番号や日付を書いたカードと一緒に封をして、クリニックの受付に提出。

提出後、90分くらい結果が出るまで時間がかかるということだったので、このタイミングでランチを。フェニックス市のスコッツデール・オールドタウンは、映画祭会場があるエリアよりもやや建物が密集していて人も多い、賑やかな場所でした。街中を歩く人の姿も見られたので、「ようやく人の気配がある街にきた…」と謎に安心感も沸きました。

で、サンドイッチ屋さんでコールスローとハムとチキンのサンドを購入。一番小さいハーフサイズで頼んだのですが、それでも日本で言えば、マックのバーガー2つ分くらいのサイズ感のあるサンドでしたね…。

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味はちゃんと美味しかったです。バンズもなかなか良い感じでした。量は多かったけど。

そしてランチ後、無事にクリニックで日本政府のフォーマットに準拠した陰性証明書をゲットしました…!よかった…!ちゃんと医師のサインも、クリニックのハンコもある!完璧やん!

と、一安心したところで、夕方の『12ヶ月のカイ』のQ&Aに間に合うために、速攻でホテルに戻ります。この時乗ったLyftの運転手が、これまた超偶然なんですが現地のブラジル系アメリカ人男性の映像ディレクターさんでした。車の中でかかっていた音楽の話から発展して、仕事の話、映画の勉強の話、映画祭の話等々を交わしました。これはLyftのルール的にOKなのかNGなのかわかりませんが、去り際にインスタも交換しました、笑。もしかしたらどこかで、また会う日があるといいですね。

で、急いで『12ヶ月のカイ』の最終上映とQ&AのためHarkins Theaterへ!こっからはもう怒涛だったのであまり記憶がないのですが、最終上映は一番お客様のリアクションが大きかった気がします。多分2人くらいオーバーリアクションな女性がいたんだよな…笑。クライマックスでは明確に悲鳴のような声が聞こえました。ありがとうございます。

Q&Aは今回も質問がどんどん飛び出しました。「キョウカの部屋がとても質素だったのはなぜ?」「参考にしたSF作品はあるの?」「ラストの〇〇のデザインはどうやって思いついたのか?」「制作していて大変だったことは?」(←こういう日本でもあるあるな質問が来たのはちょっと意外でした。)などなど。

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▲クライマックスの「例のアレ」を見せているところ…。

お馴染みのスクリーンを出た後の談話も割と盛り上がり、この日は更にもう一人のディレクターと知り合うことが出来ました。彼・ジェレミーはアリゾナ在住の映画監督で、冒険家(?)でもあるそうです。

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そして、『12ヶ月のカイ』最終上映後は土井内さんとマイカと一緒に劇場近くのイタリアンをお腹に入れてから、クロージング作品『Everybody's talking about Jamie』を鑑賞。

これもねぇ、当たり前なんですがやっぱりアメリカのプロの人たちのクオリティは半端ないなと思い知らされる快作でした!

役者良し!映像良し!音楽良し!

お金があるからこそ出来ることだとは当然わかっていますが、それでもこのクオリティに近づく(次の作品で)ためには今何を埋めなければいけないのか、自分のキャリアをここに持ってくるために何をこれから見つけなければならないのか、ものすごく頭を抱えました。ドラグクイーンになりたい主人公の話なんですが、こういうストーリーに大金注ぎ込める国に早く日本もなってほしい。映画を作る人間としての自分の内側のことだけでなく、文化をどう残していくのかという外側のことも非常によく考えさせられる作品でした。(これは昨日の『the Shot Through the Wall』も同じ)

良いものを見ると、楽しかった・見れてよかったという気持ちもありますが、うわ悔しい…というインパクトの方が強く残りがち。

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クロージング作品のあとは、同じスクリーンでいよいよ映画祭のアワードセレモニーです。取り敢えず始まる前の心の余裕があるうちに…、土井内さんと記念に一枚撮っておきました。

少し準備の時間を空けて、セレモニーがスタート。短編作品の部門から次々に受賞者が呼ばれていくわけですが、今年はコロナの影響もあり会場にゲストが来ていた作品はやはり少なかったようです。作品名・役者名が呼ばれるもトロフィーの受け取り手がいない作品が続々と…。受け取られずにテーブルの反対側に並べられていくトロフィーたちに、映画祭ディレクターのジェイソンが「ブラザー安心してくれ、これからまだ仲間が増えるから」とジョークを飛ばすシーンも。

そしてついに、『12ヶ月のカイ』がノミネートされたSci-Fi部門の発表…

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なんと、まさかの、アメリカで……!!!

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『12ヶ月のカイ』が、BEST Sci-Fi Feature(SFコンペ部門で最高賞)を受賞することができました…!!!!!
ひえぇぇぇぇえ……!!!!!?!?!
重いいぃぃぃぃい……!!!!!(トロフィーが)

あいにく計量器がないので実際の重さがまだ分かりませんが、アリゾナの特産物である銅で出来ているトロフィーだそうで、デカイし重かったです。
その名も「コッパーウィング」!(まんまだ笑)

地味に翼のところが鋭利だし、重いしで、飛行機どうやって持って帰ろうかという心配の方が先に来てしまいました…笑

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この10日間、様々な作品をこの映画祭で見てきましたが、見た作品はどれも大変興味深く、日本にずっといたら見られないような、気付けないような体験・作品もたくさんありました。コロナ禍で普段より参加のハードルが高い海外映画祭ではありましたが、こうして振り返ると、やはり実際に現地に来ることで体感したり知ることが出来たものもたくさんありました。映画関係者だけでなく、街中での出会いも、その土地の自然との出会いもそう。

地球上にはもっと色んな人がいて色んな場所があるということ、これはオンラインではなかなか実感として得られない部分だったのではないかと思います。このようなタイミングに、かなり贅沢な経験だったと思いますが、試しに外に出てみて本当によかったです。

数々の映画祭が世界でもオンライン開催とされていく中、現地開催のみで開かれる映画祭はとても稀です。その状況は日本でも同じ。

なぜ現地開催のみだったのか、というその土地全体の理由も含めて、今回は多角的に得られること、考えられることがとても多い映画祭でした。これほどまでに、ひとつの映画祭に参加する際に頭をフルで使った映画祭は、今までなかったかもしれない。映画祭だけでなく、旅の全体も含めて。

この経験が何かに活かせるかもしれないし、私だけの人生の蓄積に終わってしまいなんの役にも立たないかもしれない。今は分からないですが、数年後、数十年後、世の中が更に動く時に、どこかで何かに活かせたら良いなと思います。


まずは、『12ヶ月のカイ』に関わってくれたキャスト、スタッフ、クラウドファンディングサポーターの皆様、映画祭の皆さん、マイカ、前島さん、土井内さん、そして何よりこんなとんでもないタイミングでがっつり海外に行くことを許してくれた弊社(マジでとんでもねぇ会社です)、全ての方に心から感謝を。

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