読者への配慮の「ルビ振り」が、逆効果になっては「たまらない」ので、新たなタグを作りました。
少年マンガと青年マンガには、実は内容以外にも大きな「違い」があるのですが、皆さん、気づいていたでしょうか?
…この記事のタイトルから分かってしまったかも知れないですが…
答えは「ルビ(ふりがな)の量」です。
少年マンガは全ての漢字にルビが振ってあります。
セリフの中の印字はもちろん、描き文字にさえ振ってあることがあります。
一方で青年マンガは、一部の難しい漢字、特別な読み方をする漢字にだけ、ルビが振ってあります。
これは、読者の年齢に対する配慮でしょう。
少年マンガは、より低年齢、より多くの人間に読んでもらえるよう、全ての漢字が「読める」ようにしてあるのです。
このことに気づいていたため、自分は「より多くの人間に読んでもらいたいなら、そういう配慮も必要なんだ」と、ごく自然に思っていました。
今さら書くまでもない話ですが…漢字をどのくらい知っているかは、人によります。
中には環境的に「漢字をあまり学べないまま成長してきた」人もいます。
(日本に住む子どもの中にも、学校に通えない人間はたくさんいます。また、小説に使われるような難しい漢字だと、学校の授業だけではなく「普段の読書量」が影響してきます。)
そういう「知っている漢字の数が少ない」人たちが、読めない漢字だらけの小説を見た時、どう思うでしょう?
「難しそう…」と、読まずに去ってしまうと思いませんか?
「難しい漢字でもパーフェクトに読みこなせる人間」にだけ読者になってもらいたいと言うなら、そのままでも良いのかも知れませんが…
自分は「できる限り多くの人」に、自分の小説を読んでもらいたいと望んでいます。
「漢字を知っている・知っていない」で読者を分けたくはありません。
なので、できる限り漢字にルビを振っています。
(さすがに「全ての漢字に…」というわけにはいかないのですが…(時間的・労力的な問題で…)。)
このことは、妹尾河童さんの『少年H』にも影響を受けてのことなのですが(著者のルビに対する想いが冒頭で語られています)…
若年層にも読んでもらいたいからと言って、漢字自体を少なくするわけではなく…
難しい漢字もちゃんと使い、そこにルビを振ることで、自分の小説を新たな漢字との出会いの場にしてもらえたなら、素敵だな…と思うのです。
しかし、小説のタイトルや作品概要(あらすじ)だけでは、ルビの多さなど分かりようがありません。
できればこのことを、本文に進む前の「小説情報」でも分かるようにしておきたいと思いました。
なので、「ルビがたっぷり付いている」ことを表す「タグ」を付けようとしたのですが…
サジェスト機能で他の作者の使っている「ルビ関連」タグを見た時、「う…っ(このままじゃアカン…)」と思いました。
なぜなら、既存のタグは「ルビ=特殊なオリジナル用語のためのもの」という前提で付けられていたからです。
キャラ名がキラキラネームだったり、技名がキラキラネームだったり…
そういう漢字にルビを付けるためのものとして「ルビ多め注意」「ルビ多し」など、まるで「ルビがネガティブなもの」であるかのようなタグが、たくさん存在していたのです。
たくさんの読者に読んでもらいたくてルビ振りをしたのに、それが「閲覧注意」の対象とみなされてしまっては、たまりません。
なので、そんなネガティブなイメージを持たれないよう、ルビに関するタグを新たに作りました。
ズバリ「ルビ(ふりがな)多めの安心仕様」です。
(実際にそのタグを設定している小説はコチラ↓。)
これなら「難しい漢字にもルビが振ってあって、読みやすい」という意味だと、分かってもらえるのではないかと…。
よりたくさんの読者に作品を楽しんでもらうため、手間ヒマかけ、がんばってルビ振りをしている作者の方々には、ぜひ参考にしていただきたいです。
(そして「ルビはネガティブなもの」というイメージを持たれないようにしていただきたいです。)