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読まれにくいジャンルほど、読みやすいボリュームで。

投稿小説サイトで人気を獲るには、まずジャンルカテゴリーの選定が大事だと言います。

今や、どのサイトも恋愛ファンタジー2強時代

(サイトによっては「恋愛>>>>>>ファンタジー」な所もありますが…。)

その他のジャンル(カテゴリー)は、なかなか読者がつかないランキング上位に入れない、というのが現状かと思います。

恋愛&ファンタジー以外のジャンルに「読者がつかない」のは何故なのでしょう?

理由はいろいろ考えられます。

…ですが、1つ言えるのは「難しそうなジャンルは、初心者にはハードルが高い」ということです。

読書初心者は、ジャンルを「食わず嫌い」ならぬ「読まず嫌い」します。

なにしろ「そもそもそれが、どんな内容のジャンルなのか」を知らないので、勝手に「難しそう」「おもしろくなさそう」と先入観を抱きます。

たとえば「歴史小説・時代小説」は、読むのに知識が要りそうで難しそう…。

たとえば「推理・ミステリ」は、読むのに頭を使いそうで難しそう…。

たとえば「純文学」は、お堅そうで面白味がなさそう…etc。

(もちろん、初心者でも、こんな先入観を抱く読者ばかりではないでしょうが…。)

実際に読んでもらえれば「おもしろさ」が分かるものでも、読んでもらえないことには、その「おもしろさ」が分かってもらえません

「読まず嫌い」をする「読書初心者」には、まずそのジャンル(カテゴリー)の「最初の一歩」となる小説が必要です。

「実は、そんなに難しくない」「読むのは、そんなに大変じゃない」「このジャンル、意外とおもしろい」――そう気づいてもらうための「読みやすい」入口が必要です。

なので、自分は「歴史小説」や「純文学」を「短編」や「SS」で書いています。

小説概要で「10~15分で読める」「5~10分で読める」と案内している通り、実際に文章量をそのボリュームで抑えています。
(時間の目安は各サイトの「読書時間目安」に合わせています。)

過去記事でも「読書離れ・活字離れ」問題の関連で書いていることですが…

「読書初心者」…特に「長文に慣れていない人間」「大ボリュームの小説に慣れていない人間」に、いきなり長編を読ませるのは酷なのではないでしょうか?

下手をすると、途中リタイアされ、そのジャンル自体、あるいは読書自体に苦手意識を持たれてしまう可能性があります。

それに、現代は「タイパ重視」の時代。

映画やアニメですら、倍速視聴する視聴者が数多くいるような「時間を重視する」時代です。

「おもしろいかどうかも分からない」未知ジャンルの小説に挑むのに、いきなり「時間を取られる」大ボリュームの作品を選ぶ人間がいるでしょうか?

なので、初心者に対しては「ボリューム」あるいは「文章」からして「読みやすい」=「時間のかからない」作品が必要だと、自分は考えます。

特に、初心者に「ハードルが高い」と思われてしまうジャンル(カテゴリー)にこそ、「ハードルが高くなさそう」な「入口」が必要だと思っています。

商業出版の分野に目を向けてみれば、各社、この読書離れの時代に「新規読者を得るため」の様々な工夫をしていることが分かります。

表紙絵や挿絵に、若者にも好まれそうな絵師さんを起用してみたり、「キャラクター小説」という分野を打ち立ててみたり、「○分後に××な結末」のように「すぐに読める」「気軽に読める」シリーズを作ってみたり…。

アマチュアの物書きにも、同様の工夫=「新しい読者に気軽に入ってきてもらうための工夫」が必要なのではないかと思うのです。

読書離れはプロ・アマを問わず襲いかかる問題です。

「アマチュアだから、読書離れ問題にはノータッチで良い」…などと言っていられないほど、状況は危機的なのです。

なので、自分は「それまで読書を趣味にしていなかった人にも読んでもらえる」作品を目指し、努力を重ね、工夫を凝らします。

「読みやすいボリューム」にしてみたり、文章の「難易度」や「文体」を様々に変えてみたり…。

…実際に読書初心者の方に読んでもらって「モニタリング」できているわけではないので、成果のほどは分からないのですが…。

それと、問題なのが「そもそも小説投稿サイトにマッチング機能が無いので、初心者が初心者向けの作品に出会えるわけではない」ことなのですが…。

(そのあたりの機能面、システム面も、現状の課題です…。)

最近の若年層はSNSや動画サイトにかける時間が多く、全体的に見て、読書にかける時間が少なくなっています

(昨今、アンケートによっては「あなたの趣味は何ですか?」から「読書」という項目が消えているくらいです。←これを見た時、本気で「ヤバ…」と青ざめました…。)

今後の小説コンテンツの未来を考えるなら「読書人口を増やす」ことは必須の課題です。

そしてその貴重な読書人口を、ハードルの低いジャンル(カテゴリー)にばかり奪われてしまわないよう、「ハードル高めなジャンル」は必死に策を練らねばならないのです。



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