データ系キャラが勝てるようになる方法を考えてみた
天果さんの記事を読んで「言われてみれば、いつもデータ系キャラ負けてるよなぁ。たまには勝たせてあげたいよなぁ」と思ったので、どうやったらデータ系キャラが勝てるようになるかちょっと真面目に考えてみる。
まずは簡単に、データ系キャラの強みを考えていこう。(用いるデータが正しいことを前提条件に置いてます)
・データ通りに動けば自滅することはない
・勝率の低い戦いには挑まない
・たとえ運が味方せず不利になっても、想定内であれば冷静に対処できる
・情報収集能力が高いので、戦う前に有利が築ける
・情報処理能力が高いので、戦うたびにデータが増え、多くの状況に対処できるようになる
あれ、結構強いんじゃない? 普通に主人公格になれるポテンシャルある気がしてきた。
次に弱点を考えていこうと思う。
・想定外の動きをされると、対応できない(データを取ることに集中してしまう、ということにしておこう)
・いい意味でも悪い意味でも動きが合理的なので、予測されやすい
・そもそもキャラクターとしてあまり面白くない
うーん。弱いというより、面白くないのが問題かも。結局、漫画とかゲームの「強い」っていうのは「出てくると面白い」というのと直結するから、出てきた時点で「あーはいはい」みたいになってしまうキャラクターが強くなることはありえない。
だから、データ系キャラの課題は、新しい長所を手に入れることだと思われる。データ系であるというアイデンティティを失わずに、魅力的なキャラクターになるにはどうすればいいのだろうか。
1.とんでもなく素早い対応速度
相手が想定外の動きをしてきても、即座に自分のデータに組み込み、その場で成長できるキャラ。
あ、これ知ってるぞ。秘密兵器系メカキャラじゃん。
データ系としてのアイデンティティ失って、別系統のキャラになってしまっている。ボツ。
2、イケメン
イケメンかつデータキャラ。顔で売る。ダメだ。イケメンは必ず、いざというときは覚悟を持って一か八かをするという生態があるし、そもそもデータ系キャラがイケメンだったら、それはあくまで「データに強いイケメン」というキャラであって、データ系という属性自体がおまけになってしまう。イケメンという属性はあまりにも強すぎる。ボツ。
3.勝利に興味のないデータ収集オタク
相手のデータを収集しつつ、自分自身もデータにない動きをすることで、あらゆるデータを増やそうとするキャラ。
勝つことではなくデータ収集を目的に動いている。
集めているデータ量が多いだけでなく、その過程においての経験値が非常に高いので、相手の想定外の動きに対しては反射的に最善の動きを取ってしまう。そのため、結果的に強い。強いし、そのつもりはなくても勝ってしまう。
あれ、これいいんじゃない? ちょっと、強そうじゃない?
純なデータ属性を持ちつつ、相手が想定外の動きをすればするほど、データ収集という性癖によって培われた反射的な経験が生かされ、勝つつもりがないのに勝ってしまう。あ、見つけたぞこれ! これがデータ系キャラの正当進化系だ!
「まだデータにない技を見せてくれ(眼鏡クイッ)」
「勝つか負けるかはどうでもいい。見ること、知ること、理解することがすべてだ(眼鏡クイッ)」
「ふむ……その技は二年前に見たやつのあの技に似ているな。一致率92,3パーセントと言ったところか(眼鏡クイッ)」
アリでしょこれ。これなら強キャラになれる。
恋愛においても強い。恋愛のデータもたくさん集めようとするから、色んな口説き文句を知っているし、うまくいってもうまくいかなくても冷静にデータ化する。
でも結局女性そのものにはあまり興味がない。そういう、ぶれずに自分の道を貫いているところがかっこいいということで、めちゃくちゃモテる。
「お前のようなタイプの女のデータはもう十分だ。お前の行動パターンは99、8パーセント予測できてしまう。全くそそられない(眼鏡クイッ)」
「俺を惚れさせたいなら、俺のデータにないようなことをしてみろ。ふん。やはり困惑するだけか。つまらん(眼鏡クイッ)」
あっ……いいね。
戦ってる最中、予想外のことが起これば起これば興奮して強くなりつつ、しかもデータ収集を怠らない! あー! これぞ正しきデータ系キャラの姿だ!
そうだよ。既存のデータキャラが弱いのって、勝つためにデータを用いていたからなんだよ。
データを使って勝とうとするってことはつまり「データがなければ勝てない」ってことだから、そういう不純な動機が、弱者である本性を露呈してしまっていたんだ。
データが悪いんじゃない。データの扱い方が違ったんだ。
そう。彼に足りなかったのは、データへの愛。
いっときの勝利よりも、己の特性や趣向を優先することによって、彼は新たなステージに立てる。
勝利よりも、データ。女よりも、データ。物語の筋書きよりも、データ!
そういうキャラは、意外性があって面白い。しかも幅の広い知識のあるデータ系キャラであるため、未知の敵と戦う際の情報提供者としての活躍の機会もある。いいじゃんいいじゃん。
あ、しかもデータ収集オタクって、それだけでピンチの主人公を助太刀する動機にもなる!
「俺はまだお前のデータを十分にとれてない。ここで死なれては困る。それにあの敵……なかなか面白いデータがとれそうだ!」
あっ熱いわこれ!
データ系キャラ、未来あるぞ!
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