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ビナス・アンド・スプレッダー 第一話(前)

ビナス・アンド・スプレッダー~赤銅の女神達と救星の播種児~
人類種監察機構シリーズより

子供の腕程も有る肉棒が、肉厚の裂け目を力強く掻き分けて”女”を貫く。何度も、何度も。薄暗いが、粗野ではない空間を、二人の吐息が温める。

その持ち主はといえば、その剛直に不釣り合いな華奢とも言える体躯の少年であった。一方、それ受ける側は、その少年とは反対に大柄な……否、それでは収まらぬ、2mを超える巨大な体躯といって差し支えない女性だ。
その、寝台に寝そべり少年に下半身を差し出す彼女、浅黒く日に灼けた肌を汗でドレスする彼女は、確かに女性である。
”女性の物”の上に、少年の物に勝るとも劣らないサイズの肉竿が、だらりとした状態で垂れ下がっていたとしても。

物語は、時間にして一年ほど遡る。

カラカラの空気が吹きすさぶ惑星港地上側施設……すなわち、軌道上の航宙船から発した上陸用エアプレーンの発着場エプロンに降り立った少年は、質素ながらも明らかに上等な礼服に身を包んだ一人の大柄な女性と、スーツに身を包んだ同様に体躯の立派な女性ら数名に歓迎されていた。

「よくぞお越しくださいました、上級監察官殿。わたくし共ハチマンは素早い御来訪に厚く御礼申し上げます。わたくしは惑星執行府代表、アレナ・バルツァルと申しますわ」
「御出迎え、ありがとうございます。人類種監察機構上級監察官、ミハシ・ゾウジです。ミハシがファミリーネームですので、どうぞ、ミハシと」
「では改めてミハシ様、この惑星の状況は如何程ご存知で?」
儀礼的に握手をした二人は、並んで発着場施設内へと歩みだす。後ろから見たその姿は、さながら戯画化した母子のようだ。

「資源採掘惑星ハチマンは、恒星からの突発的な磁気嵐により大規模な施設損傷が起きたものの、これはほぼ復旧が済んだと聞いています。そちらは我々の埒外ではありますが」
歩幅の差を埋めるためにやや早足でゾウジは歩を進めるが一切息を乱れさせることなくそう返す。
「そして、あなた方ハチマンの住民の生体機能……具体的には、生殖機能に異常が発生し、それが我々に救援を求めた理由である。そう認識しています」
「結構。大筋で状況に間違いはありませんわ」
ややあって、施設内の応接室……彼女らの体躯に合わせたとはいえやや手狭な部屋だ……に辿り着き改めて向かい合う。

「ただし、一つ付け足すとすれば、私達の生殖能力のうち”出す”方に問題が発生していて、”受ける”方には問題がないということですわね」
そう言ってたくし上げた礼服のスカートの内側には、ストッキングを押し上げてはっきりと形の分かる、アレナのペニスが在った。

「存じています」
ゾウジはそう返し、跪いた。

【続く】

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