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書評 間宮兄弟 江國 香織 間宮兄弟の住む家に、3日くらい連泊したくなった・・・。
間宮兄弟は30すぎなのに、兄弟で暮らしている。
ダサい、変人、女にモテない。
最悪じゃんと思いつつ読みすすめていくと、とても魅力的な兄弟なのに気づく
にいちゃんは、徹信に輪をかけてダサい。
・・・どう見てもスーツ用の白いワイシャツを、チノパンと合わせるセンスも変だ。しかも細いウエストをさらにベルトで締め上げて、ベルトの幅が20センチ以上あまってたれさがっていた。
やばい変人のような感じだが、兄はとても優しい人だった。
遠くで暮らす母親の誕生日には欠かさず食事をごちそうしたり
里帰りの日には、この兄弟、母のほしいものを大量に買って帰る。
そんな兄弟が、カレーパーティをする。
不倫をしている女教師に、よく行くレンタルビデオ店のバイトの女子大生を誘う。
そこでの時間は至福の時であり、何か説明のできない楽しさがあった。
物語は二人の兄弟の恋になっていくのだが・・・
うまくいくはずはなく
兄弟にしては頑張ったのでした。
兄が恋する女子大生は、妹と仲が良い
でも、この幸せも今だけと感じている。
それを言葉にしてしまう。
私たち、こんな風に二人でお買い物して、ぶらぶら散歩したりできるのって、いまだけかもしれないね
何言ってるの、そんなわけあるわけないじゃん
だって、間宮兄弟を見てごらんよ。いまだに一緒に遊んでるじゃん
まるで、時間が止まったように
幸せそうな笑顔の間宮兄弟
たぶん、本人たちは自分が幸せだなんて感じていないのかもしれない
でも、他人から見ると、とても幸せそうであり
幸せなんか、実際、そんなものなのかもしれないと思いました。
幸せの渦中にいる時は、自分が幸福だなんて気づかなくて
後で、あの時は幸せだったんだよねと気づくのかもしれません。
*映画化されています。
2021年 5月 16日