『世界観』はもはやビジュアルだけじゃない。
普段は個人事業主や中小企業のブランディングを担当していますが、ブランディングをしたいとお問い合わせをいただくときに、相談ですごく多いのが、『世界観のあるブランディングに憧れる』という部分です。
無敵艦隊のアウトプットを『世界観がある。』とありがたいことに言っていただくことも多いのですが。
とはいえ、『世界観とは?』といういろんな意味を含む言葉は掘り下げた方がいいという考え、改めて掘り下げてみました。
『世界観』でイメージしやすいのはディズニー。
世界観の威力というものは、なんか、凄い。そんな印象を人が抱いているのもなんとなくわかる気がします。
先日、ディズニーランドへ行ってきました。
外で購入するよりも2倍以上するペットボトルの飲み物も、私たちは世界観に入っていると、何も疑うことなくその料金を支払うなんて経験したこともあるのではないでしょうか???
あの世界の中ではキャラクターの耳をつけるという新しい文化が生まれるって、世界観の中に入り込んでいる自分としては気づけませんが、冷静になるとなんとも不思議な空間です。(私はつけたことはないですが)
『ディズニーは特別だから。』
そう思う真理って、結構最強だと思うんですよね。
世界観が、価値を上げ、その世界の中の当たり前を大きく覆す力を持っている。
だから、『世界観』という部分に惹かれる事業主が多いのでは…と思っております。
(数少ないディズニーっぽい写真。)
オシャレだと、世界観のあるブランドになるのか?
『世界観のあるブランド』という話をしていると、世界観=ビジュアルという認識を持たれることが多いと感じています。
確かに、ビジュアルを整えている人と、整えていない人はこれだけ違います。
とはいえ、ビジュアルだけを整えたとしても、『なんか素敵なビジュアル〜。』で終わるものと、『世界観があるビジュアル!』となるものがあると思っています。
誰でも使える無料アプリを使ってフィルターを統一しても、なんだか、イマイチで世界観が締まらないという事例を見てきた人も多いのではないでしょういか???
だれでも、なんとなく見てくれを整えることができるようになったからこそ、『世界観』という言葉が含む意味がもっともっと広くなったのではないかということ。
そして、差別化や指名されるブランド作りをしていくためには、個人や小規模事業でも『世界観を作る』ことは必須の考え方になっていくのではと感じています。
そして、オシャレなだけでは世界観は作れない、というのが最近の持論です。
世界観のあるビジュアルを掘り下げる。
先ほどもお伝えしたように、素敵なビジュアルであることと、世界観を作っているビジュアルは全く似て非なるものです。
私はブランディングを思想の浸透と定義しており、毎回この図式を大事にしているのですが、ビジュアルもこの図で説明できると思っております。
下図の1のフェーズである、思想の言語化をすっ飛ばすと一貫性のないイメージになるので、1は必須です。
(ブランディングについて掘り下げたい方は以前の記事を読んでくださいませ。)
①ただ素敵なビジュアル=いきなり2のフェーズ。
これは、素敵なブランドの真似事になったり、一貫性が生まれないものになっています。
②世界観を担っているビジュアル
しっかりと1の段階を通って2のフェーズ、思想に基づいたブランディングを取り組んでいて、結果的に一貫性を持たせることが出来ることに繋がります。
では、ビジュアルの他に世界観に含まれるものは???
単なる素敵なデザインは『点』で終わるんですが、
世界観のあるデザインは『線』で続いていく。
点を線にするための、ストーリーや文脈があるからこそ、世界観につながっているのです。
例えば、北欧暮らしの道具店さんは、販売しているのはECでの商品ですが、それに伴うライフスタイル全体を訴求していて、商品とブランドが線で繋がっているイメージです。
私も購入したことがあるので、定期的にメルマガがきますが、メルマガ=売り込みなイメージは一切なくて、届いて嬉しいお手紙的な感じで受け取っております。
他にもお客さまセンターとのやり取りをしたことがあるのですが、あたたかい対応をしていただいて、『北欧くらしの道具店っぽい!』と感じたのを、すごく覚えております。
見えないところでのこだわりの積み重ねが、ビジュアルだけではなくて、人の対応などといったところまで世界観に繋がっているんですよね。
大事なのは『その先』まで設計できているのかどうか。
※この以下の投稿の中では、『デザイン』という言葉をビジュアル的要素という意味で使っております。
点で終わらず、線を作っているブランドは何が違うんでしょう???ということをやっと!触れていきます。
まず、ビジュアルを整えている人と、ビジュアルを整えていない人の違いというのは、これくらい違います。
結構違うでしょう。笑
そして、このデザイン1.0のところで私たちは満足したらいけないんですよね。
デザインが整っていても、『素敵〜』で終わっては意味がないですし、一貫性がないのなら、それはブランドとして世界観を作るという面ではもはやマイナスです。
では、どうしたらいいのか?と言いますと…
目指すのはこの図。
世界観のあるブランドとは、目に見えるビジュアルデザインも大事なのは大前提ですが、そのビジュアルのデザインから紐付けられる『体験設計』まで徹底されています。
ちなみに、『体験設計』の一番の核となるのは、お客さまや情報発信の受取手と『どんな関係性を築きたいのか?』という、関係性デザインの部分です。
・こんなノウハウがあるから。
・コミュニティを作るのが流行だから。
・月額課金の方がコンスタントな収入につながるから。
こういった、『HOW』の部分を先に決める人も多いと思うのですが、これって本質的ではないと感じています。
もちろん、数字や目標を決めるのは大事ですが、数字を追いかけるゲームから脱することは出来ません。
そもそも、先にお客さまとどんな関係性が築きたいのか?という問いがあると長期的な施策は変わってくるはずです。(お金というものはいつも人を惑わすなぁと感じています。)
ビジュアルを見た人が、
・どう感じてもらうのか?
・どんな行動を起こしたくなるのか?
といった、反応から、その先までをデザインする必要があります。
ちなみに、体験設計には、やるべきことがたくさんあるので、『これさえやれば。』というものがありません。その掛け合わせえがカッチリとはまって、デザインが、ブランドの世界観を表現するデザインになるのです。
世界観を作るためには、まずは何から考える必要があるのか?
図で見ると、結構違いますよね。
まずやるべきことは、ブランディングにも必須なの『思想の言語化』。これは絶対。
そして、次に、デザイン2.0のフェーズで、デザイン1.0の時と、ビジュアルを徹底するのは一緒です。
たった1枚のビジュアルが『綺麗〜。』で終わらない。そのために、そのビジュアルが起点に必ずなにかと結びついているということが重要になのです。
体験設計をするために、受け取り手が『どんな世界に生きているか』ということを想像していくことから始めるのだと思っています。
同じ商品や同じ工程を踏んだとしても、結果的に、伝え方や細部にブランドらしさが滲み出ていくのです。
ブランドを表現するうちの世界観はほんの一部ですが、そのほんの一部には大きな役割を担っていると思っています。
世界観を徹底するって奥が深い。
よく、『世界観があれば、なんでも上手くいく。』みたいな文脈で『世界観』ということが語られています。
その裏には、徹底したプロフェッショナルとしての取り組みがあるということが一番の理由なのだと思ったいます。
点ではなくて、線で作っていく。
その世界観が好きという人は、その線を辿ってくれる。
結果、世界観に魅了されていくのだと思うのです。
そんなブランドづくりを徹底していこうと思っております。
ご自身の事業において振り返るきっかけになったら幸いです。
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