跳びカエル
昨晩テレビを見ていたら、羽田空港に設置された奇抜な機械がとても印象に残りました。
大型のスマホのような液晶パネルに、大きなボタンが並んでいて、「能登地震寄付 2000円」「能登地震寄付 3000円」など、寄付の目的と寄付額が明記されていました。パネルの右側には入金機があり、とても分かりやすく、良い仕組みだと思いました。(画面のボタンの文字は、テレビ画面からの記憶なのであやふやです)
1)飛行機に乗る人は比較的お金に余裕があるかもしれません。2000円や3000円という金額は、少なすぎず大きすぎず、寄付をしたという満足感が得られる。
2)これから搭乗する人は、もしものことを考え、善行を残そうとする心理が働き、善行をすることで旅の安全を祈る気持ちになるかもしれません。
3)クレジットカードでの決済も可能で、手持ちがなくても寄付ができる。
実はこの寄付、50万円まで可能なようで、大金を寄付した方もいたかもしれません。
とても良いアイデアで、この機械を羽田ターミナルに設置した人は本当に素晴らしいと思いました。
5年ほど前、韓国で葬儀会場にコンビニの決済機のようなものが置いてあり、「これは何ですか?」と質問したところ、香典をクレジットカードや電子マネーで決済する機械だと説明されました。日本では香典袋に紙幣を納めて供える文化があるため、韓国は進んでいるなと感じました。
日本では、精巧な技術で作られた紙幣があるため、偽札を作ることはほぼ不可能ですが、他国では比較的容易に偽札が作れると聞きます。捕まれば重罪なのに偽札が後を絶たないのは、それでも費用対効果があるからなのでしょう。
そのため、他国では比較的早く貨幣の電子化が進み、日常生活で現金を持たない習慣が根付いているため、香典を電子化することにも抵抗がなかったのだと思います。
社会インフラが行き届きすぎているため、逆に技術革新が遅れることがあります。たとえば、電話回線が十分に整備されていない国で一気に携帯電話やインターネットが普及したり、道路事情の悪い地域でドローンが活用されたりといった事例です。
これを「リープフロッグ」と言います。そう、飛び跳ねるカエルのように、一気に技術の進化を遂げるのです。
日本でも、遠方の不幸に対して何か形として残したいという気持ちがあり、遺族に対して不義理をしたくないという思いもあります。となると、電子香典のような仕組みがあり、遺族に直接香典を送ることができれば、そうした問題も解消されるので良いですね。
寄付マシーンですが、以前サイゼリヤの優れたQRコード決済システムについてnoteに書いたことがあります。QRコードを読み込んでスマホで画面遷移し、決済が自然に行われれば、サイネージや大きなパネルも不要になるかもしれません。
近い将来、街のあちこちから看板やサイネージが消え、街の景観がより美しく映える時代が来るかもしれません。
話がかなりそれましたが、寄付行為においては、寄付金が確実に被災者の方々に届くことが重要です。そして、その結果が広く周知されるべきだと思います。寄付したお金が人の役に立ったことを知ることが、寄付した人の心の充足感に繋がるのではないでしょうか。
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