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昔やってしまった自殺未遂と精神病について
私は病気である。
精神科に通院している病人だ。
病気としての現在の診断は「統合失調症」
しかし精神病、心の病とか心の風邪だとか言ったらなんだかフンワリしすぎていて自分も他者も理解が難しい。
わかりやすい表現としては「脳病」だと思う。
何かのきっかけがあって、脳のホルモンバランスが崩れて自他共に困る症状が出る。
私は医師では無いのでざっくりだが、主なところだとセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミン、そのあたりの脳の分泌ホルモンの異常だ。
私自身のそれの発症から現在までをざっくりと書いていこうと思う。
―発症―
まず発症は17歳、当初の診断は
【鬱病・パニック障害】
症状としては
・気分の落ち込みが酷く希死念慮が強い
・不眠(寝付きが悪い・中途覚醒・早朝覚醒)
・不安で動けなくなる
とにかく家族が、実家が、人間が、辛かった。
――2度目の診断――
19歳で地元を離れ専門学校に入学する為に東京で一人暮らしを初めてから、またその症状は悪化した。
アルバイトをするのも、学校に行くのも難しくなっていた。
その時の診断は【適応障害】
・抑鬱と不眠症状、希死念慮の悪化
・自殺企図
この頃に初めて自殺未遂をした。
全てが辛かった。全てが嫌になってしまっていた。
生きることが、明日が来るのが嫌だった。
薬を沢山溜め込んで、今はもう生産中止となっている薬、
強い睡眠薬を含め360錠を飲んだ。
バルビツール酸系のものである。
バルビツール酸系の薬は昭和時代からの古いものが多く、効果が強いが副作用も強い、そして1錠あたりのグラム致死量も多い。
精神科で主に使われる目的は、不眠、癲癇、統合失調症陽性症状等に対する鎮静効果。
だが、私のように希死念慮の強い患者が私のようなことをする恐れがある為、生産中止になった薬もあるし、現在はほぼ処方をする医師も取扱のある薬局も少ないだろう。
ーー過剰服薬後ーー
それから27〜30時間後ぐらいに発見、救急搬送されたらしい。
経緯はよく覚えていないが、私は1Rのマンション5階で一人暮らし、大家さんは1階に住まわれていた。
搬送されてからもおおよそ24時間意識不明だったらしい。合計すると意識不明状態が丸二日以上になる。
目が覚めたときのことはよく覚えている。
まず、右に父親が居た。
そして涙ぐんだ表情で私の右手を握った。
何か喋ろうとしたが、口が動かないのだ。酸素マスクもしていたが、自分の意思で声を出すどころか、まず口を動かすことが出来ない。
全身チューブだらけだった。
翌日には言葉が出せるようにはなっていた。
そして右の肩の周りが腫れて水膨れになっていて驚いた。右腕と右足の感覚が麻痺していた。
だがこれは一時的なもので、自分の部屋で意識を失っていた時間が長かった為の床擦れだったらしい。
他には
左膝が真っ黒で、傷になって抉れていた。
その理由だが、薬の過剰摂取をした時の私の部屋は、ワンルームにベッドと、ガラス製の小さいテーブルを置いていて、その時床に薬を沢山広げて飲んでいた。
私の記憶はそこで止まっていた。
どうやら朦朧としながらベッドまで行こうとしていたらしく(死ぬつもりでいた癖に)その間にあるガラス製テーブルを膝で粉々にしたらしい。
そうしてベッドの上で血塗れになって意識不明の状態で発見され、搬送されたのだ。
意識が戻ったあと、少しの間車椅子で過ごしたが、1週間ほどで退院したと思う。
今思えば父親や大家さん、救急隊や病院にも多大な迷惑をかけてしまったことを本当に申し訳無く思う。
生きていた。
何故か生きていた。
身体的後遺症も残らなかった。
残ったのは後悔だけだった。
――統合失調症の診断ーー
オーバードーズの話の1年後ぐらいに、アルバイト先の先輩と恋愛関係になり私が引っ越す形で同棲をしていた。
三年ほどその彼と暮らしていたが、色々なストレスから(今は割愛するが)、生きる限界を感じていた。
この頃の事はあまり色々と覚えていない。
思い出したくないというのもあるのかもしれない。
陽性症状が出た。
夢と現実の境目が分からなくなっていた。
幻聴と、今思えば異常な被害妄想やおかしな言動をしていたのだろう。
この時期は精神科専門病院の閉鎖病棟に入退院を繰り返していた。
その当時の彼にもとても迷惑をかけてしまった。
色々あったが、お人好しの優しい人だった、と思う。
私から、地元に帰る、と別れを切り出した。
その後また陽性症状が再発して地元でも入退院を繰り返していた。
統合失調症の主な陽性症状というのは
・幻聴、幻覚、被害妄想、意思疎通困難、等
陰性症状は
・無気力無関心、意欲が無い
・抑鬱
・引きこもり、孤立
・傾眠
等。
――現在――
ここ数年間、長い間陽性症状は出ていないが現在も陰性症状に苦しめられている。
抑鬱、無気力、意欲が無い、引きこもり、孤立、不安、不眠と過眠を繰り返す。
まさに今もそれだ。
しかしなんとか生きていくしかない。
生きる為に己を理解し、認め、病気と、自分自身と向き合っていこうと思っている。
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