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『三宅雪嶺人生訓』一五

https://dl.ndl.go.jp/ja/pid/933730/1/21

〇怠惰の癖
 人に在りて怠惰の癖は最も害あり、啻(ただ)に精神を遅鈍にせず、身体を弱くし、往々病床に呻吟せしむ、小人閑居して不善を為すといふも事実なり。

『日本及日本人』、『三宅雪嶺人生訓』六頁

【現代語訳】
〇怠惰の癖
 人において怠け癖は最も害がある。単に精神を鈍らせるだけでなく、身体を弱くさせ、往々にして病気に苦しめられることとなる。「小人閑居して不善を為す(つまらない人物は暇で一人でいると、つい悪いことをしがちである)」(『礼記』大学)というのも、事実である。

【補説】
「小人閑居~」については、以下を参照。

https://note.com/mute_arnica1642/n/n8186518996a9

この類の論は雪嶺の文章に多数散見される。

人間は生来怠け者であるが、怠けは結果的に本人を弱め苦しめる。

昨今の世の中は働き方改革の名のもと、いかに休むかに注力しているように見える。
ただ、怠けることの害悪についても、もっと考えられてもよいように思う。


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