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【9話】マトリックスと仏教

CMが流れているが、その映像を目にしなくても「I'm lovin' it」のフレーズだけで、多くの人は即座にマクドナルドを想起する。このように、言葉や画像が単なる単語やイメージを超え、何らかの「概念」や「価値」を象徴することをシンボル化という。この考え方は、仏教の一派である密教(真言宗:空海)においても重要な要素となっている。

密教とは何か。日本でよく知られている大日如来(仏)や空海(弘法大師)が代表的な存在であり、一言で言えば宇宙の真理と自己を一体化することを目的とする仏教の一つである。

この記事では、密教の世界をより理解するため、そして特に映画「マトリックス」が好きな人にその魅力を感じてもらうため、いくつかの視点から掘り下げていく。

シンボルと修行

密教ではシンボルが重要な要素である。例えば、大日如来は宇宙そのものをシンボライズしている。これらのシンボルを修行や儀式の中で使用することで、何時間もかかるかもしれない瞑想や考察を一瞬で済ませ、高いレベルの悟りへとスピードアップする。

これを現代の言葉で表現するならば「圧縮ファイル」に似ている。コンピュータで言えば、複数のファイルを一つにまとめ、必要なときに瞬時に展開することができる。ただし、この「圧縮ファイル」は特定の「解凍コード」を知っていないとアクセスできない。それが密教における修行と習得である。

マトリックスとの類似性

ここで「マトリックス」が登場する。この映画では仮想世界が現実と錯綜しており、主人公はその仮想世界をコントロールする「プログラム」をインストールするシーンがある。このプロセスは密教における「儀式」や「修行」に非常に近い。

OSクリーンインストール=祓い清める
ファイアウォール=結界
ウイルスバスター=不動明王

このように、密教とマトリックスには多くの共通点がある。

仏陀のネットワーク

密教には「すべての世界に仏陀がいる」という考え方がある。これは一種のネットワークであり、インターネットの世界に例えるならば、各サイトが独立しているようでいて、実は繋がっているのと同じだ。

最後に

密教は仏教の一部でありながら、その教えは非常にユニークで先進的なものが多い。シンボルを活用することで人は精神的に成長し、宇宙の真理に近づく。映画「マトリックス」が好きな人々にとって、この密教の世界は新たな視点で物事を考える場となるだろう。

東大寺の大仏もまた、このような多層的な意味を持つシンボルの一つである。見る角度によって、その意味は無限に広がる。

以上が密教の驚くべき世界とその多面性である。宇宙の真理をこのような形で考え、自らを高めていく方法は他にも多く存在するかもしれないが、密教はその一つの有効な手段と言えるだろう。

※詳細は、コテンラジオ
https://youtu.be/7CfeWmBPQ8g?feature=shared

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