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爆弾 感想 不様に嗤う人間の性

こんにちはキーです!!!
今日は「爆弾」を読み終えたので感想を好き勝手に述べていきます!!
とにかく面白かった本です!!!すごい!!!!

簡単なあらすじ


『爆弾』は、呉勝浩による緊迫感あふれるミステリー小説です。物語は、謎の男スズキが警察に「東京のどこかに爆弾を仕掛けた」と告げる場面から始まります。スズキは取り調べ中、警察に一連のクイズを出し、その回答によって爆弾の位置を示唆します。警察はスズキのゲームに翻弄されながら、爆弾を見つけ出そうと奔走します。

ネタバレなし感想

個人的にミステリー小説は読みにくい印象が強いんですが
この本はめちゃめちゃ読みやすかったです!!!!
素直に読み進めていける。続きが単純に気になる書き方だと思った!
謎の男スズキと警察の心理戦。
スズキという男の巧みな話術がすごい。
緊迫感がすごく伝わってきてとにかく面白かった!!!
時系列がめちゃくちゃだったりすることもなく
読んでて理解しやすいので、物語においてけぼりにされる心配のない本です!!心理描写も良かった!!!
読後もいろいろ考えさせられる場面が多く、圧倒的に面白い人間ドラマを見た感覚です。
どの人物も自分の立ち位置だったり、想い、考えのもと動くけれど
それが良かったのか悪かったのか
そこに信念があったりなかったり、でも今この瞬間したいと思った行動をとっていった。その結果紡がれた物語。
適当に動いた結果じゃない。
だから読み終えた時、余韻がありました。

ネタバレを含む感想



スズキけっこう好き
読んでる途中でずっと思ってたのはスズキをどこかで天然パーマ類家(イメージ勝手にミステリと言う勿れの主人公でした)が言い負かし
スッキリするのかな!?という思いでした。
スズキマジでむかつくんだけどすごいんだよな。。。腹立つぜスズキ!!!
と思いながらずっと読んでました。w

幼稚園児を守れたけどホームレスがけっこう死んだ時
不幸中の幸いだとか
せめてもの救いみたいな描写が出てきましたが
僕も全く同じことを思いました。
命は平等とかは全然思いませんし、そりゃそうだろうと思うけど
その責任を押しつけられるのは嫌だなぁとただ思いました。
子供救ったしいいじゃんとも思うけど
自分がホームレスの立場だったり、最後出てきたおじいちゃんの立場だったら絶対に納得いかない怒りを抱えるだろうなとも思った。

事前に清宮から命は平等と言質をとり、正義感溢れる想いを確認させた後に自分で思ってたより自分はひどいやつなのかもしれないと思わせる流れはすごい!!!とただ思いました。
スズキ!!!腹立つけどすごいなこいつマジで!!!!
とずっと思ってました。w

スズキは犯人っぽいし、社会からの落伍者で無敵の人
だけど、どこか何かを期待する。
なんていうのかわかりませんが
人間力みたいなのがとにかくすごかった。
マジで勝手によくしゃべるし結論述べないし、はよ本題言えよ!!!
と本当に何度も思った。w
でもこいつすごい…スズキと類家のやりとりもすごかった。
どちらもどういう想いで話してるのかはわからなかったけれど
似たもの同士だけど一線を超える者と超えない者の違いなのかな
二人のやりとりは純粋にわくわくした!!!

倖田も好き!

明日香を最後止める倖田のシーンも好きだった
倖田もなんとなくで動くし直情型だけど
人間らしくて好きだった。
スズキに銃向ける気持ちも
矢吹の足が吹っ飛んで、ほかのやつらはどうでもいいからここに助けを寄越せって気持ちも
人に対する思いなんて平等じゃない

明日香が幸せに生きていたら世間は赦さないであろうことも
爆発してスズキと死んだらどこか赦される感覚もとてもわかった。
それでも最後この身近な人が死んでしまうのも嫌という気持ちもとても自然だと思った。
警察続けて欲しいなーって勝手に思いました!w

まとめ

この本を読んで
「世の中に対して迷惑なやつは死ねばいい」とか
「他人にそんなに関心がない」とか
「身近な誰かが生きててくれて、幸せであってくれれば他人の生死なんてどうでもいい」という気持ちもわかるし
それでも知らない誰かを助けたい気持ち
人の役に立ちたいと思う心
知らない誰かに死んで欲しいと思ってるわけじゃないという気持ち
矛盾が起きるかもしれないけど
こういうのが人間なんだよなぁ…としみじみ思いました。

読後の余韻がすごい一冊でした。ぜひ読んでみてください!!!

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