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起業しやすい国、しにくい国があります
海外で起業するには、狙っているマーケットがあることはもちろんですが、
起業がしやすい国なのか、あるいは、しやすくない国なのかを考えなければいけません。
皆さん、以外かと思うかもしれませんが、私は、中国やベトナムなどの社会主義国は、起業しやすい国だと思っています。
起業しやすい社会主義国家
いまの中国やベトナムなどの社会主義国は、資本主義経済を導入して、外国からの資本を取り込もうと必死です。
たとえば、僕は2017年に中国の蘇州で、2019年にベトナムのホーチミンで、現地法人を設立しました。
その時に感じたのは、資本主義経済を導入している社会主義国は、設立に要求される資本金の額が圧倒的に少ないということです。
中国で現地法人を設立するためには、10万元の資本金が必要でした(大体160万円)。
そして、ベトナムで現地法人を設立するためには、最低資本金額に関する規定自体がありません。
中国やベトナムなどの社会主義国は、以前は業種によって必要な資本金の金額が異なっており、非常に煩雑なルールがありました。
しかし、ともに会社法が制定され、外国人でも法人の設立が認められ、さらに、外国からの資本を取り込むために、簡単に会社を設立することができるようになっているのです。
そして、もちろん、中国やベトナムのマーケットは、いかなるビジネス分野においても、日本人にとっては、魅力的なマーケットですよね。
経済成長率が、日本よりも何倍も高いので、そこに住んでいるだけで、経済のムーブメントを感じて、わくわくします。
起業後の会社の維持は?
そうは言っても、資本金の額やマーケットだけではなく、設立した会社の運営とか税金なども、それ以降の会社の維持に必要でしょと、言われるかもしれません。
会社の運営については、業種によって、様々なアプローチがあると思います。
僕の場合は、現地で面接して、スタッフを直接選んでいきました。
そのスタッフと、会社を運営していくアプローチです。
もちろん、起業時のオープニングスタッフでは、良い人が集まらなかったり、失敗してしまったりしていました。
でも、どこの国でも、言ってみれば、日本でさえも、最初から良い人には巡り合えないですよね。
いろいろと試行錯誤しながら、現地のビジネスに合った、自分にとって良い人たちが揃ってくるものです。
税金が高い日本、資本金が高いアメリカ
それと、税金に関して言えば、日本よりも高い国はそうそうありません。
アジアの国に、会社を設立すれば、おおよそ節税の効果があります。
一方で、アメリカで起業する場合は、多くの場合は、資本金の額が高すぎて、個人や小さい企業では難しいです。
特にビザを含めると、現状では4000万円くらいないと、アメリカで起業することはできません。
かなり、ハードルは高いですよね。
9.11の有事で大変化
僕がアメリカで起業したのは、2002年の10月でした。その前の年の2001年9月11日には、アメリカに対する大規模な同時多発テロがありました。
これにより大きくアメリカのビジネス環境が変化するんだと、直感的にわかりました。
以前勤めていた会社では、アメリカにしばらく住んでいた時期もあったんですよね。
僕が起業した2002年には、すべての面で、アメリカでの起業のハードルが下がったのです。
当時の資本金の準備金額は、500万円まで下がりました。
その頃は、同時多発テロの影響で、世界中の起業家や投資家がアメリカから逃げ出していたので、資本金も通常の1/5程度で済んだのです。
いまのコロナ禍では、ひょっとしたら、同じことが起こるかもしれませんね。
ただし、僕の場合は、共和党政権だったので、経済拡大により自由度の高い政策を行っていました。
いまのバイデンは、民主党なので、どちらか言うと、真逆の政策を行うかもしれません。