すがりたい人向けコンテンツにすがってみた

そう。占い。
私は今まで占いをそう呼んでいた。

こういうものが必要な人はいるのだろうな、と理解はしていたが自分は一切信じていなかった。

雑誌やネット記事にある占いを読んでも、ふーん程度で次の日には内容を忘れている。
星座にしろ、血液型にしろ、誕生月にしろ書いてあることがその属性の人全部に当てはまったらどうするんだ、と心配になることもある。

実際私の家族は3人も血液型、誕生月、星座が同じ人間がいる。同時に金運がマックスになっても我が家は裕福にならなかった。

占いは私みたいな冷めた捻くれものに向けられたものではなく、もっと占いに向けて頑張ろうとか、そこに光を見出して頑張ろうという人に向けられたコンテンツなのだ。

そちら側へようこそ

行くはずのなかったそちら側へ来てしまったのだと気づいたのは今週のこと。
毎週月曜に更新される占いを楽しみにしていたのだ。

占いは数十行に渡り今週の私の見通しが書かれていた。
それを読み、
「あー、当てはまるわ」
「そうか、今こういう時なのか…」
と心の中で相槌を打つ。

おいおい、冷静になれよ。とこちら側の冷めた捻くれ者の自分が言う。
「お前に当てはまっているのは、全文の中の数行だぞ。大半は当てはまってないぞ。」

そう、一部が当てはまっているだけでこちらを見透かしている、つまり占いが当たっていると思ってしまう。
その当てはまる内容が自身にとって都合の悪いものであればあるほど。

すがりたい気持ち

どうしようもなく良くないことが起きると人は落ち込む。
そういう時は全部がセピアに見える。
今の私はセピアの真っ只中だ。4Kとか8Kとか言われているけど、私の2020年は未だチャップリンさながらの白黒だ。

落ち込んで悩んでいる時、どうしても良くないことの原因を求めてしまう。それをうまく他責にして消化できれば良いのだが、私のような小心者の捻くれものは自責として自分を責め続ける。

そうするといつまで経っても沼から上がってこられない。
そんな時に占いを見ると、悪いことは良いことの前触れだとか、長い目で見るとプラスだとか、そういう時期です、とか丁度良い理由をくれる。

知り合いに「そういう時期だよ」とか言われると素直に受け取れないこともあるが、占い師に言われると「きちんと占ってるんだもんな」と少し素直に受け取れる気がする。

そして占いにはその後が書かれている。
「今は悪いけどこうすれば良くなる」それを読み私はよし、頑張ろうと少し気持ちを前に向けることが出来る。

気づけばガッツリすがっていた。
同時に占いを好きな人の気持ちが少しわかった気がする。

占いよ、もう少しすがらせくれ。


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