10年前の憧れについて

10年前、17歳だった。
当時の私は27歳の人間をとてもスゴい人間だと思っていた。

大人だから、何でもこなせる。
大人だから、辛いことも耐えられる。
大人だから、幸せになれる。

などなど…。過大な大人への期待があった。
稼ぎもなく、社会に守られる立場であった学生と言う身分は社会に出て自分の稼ぎで生活をする「大人」に過剰な憧れを持っていたのだ。

そういった大人は人生をうまく舵取りをしていて、充実した人生を歩んでいる。
高校生の頃から拗らせていた私はそんな将来に期待をしていた。

そんで10年後

そんな期待を持っていた17歳の頃から10年が経った。
さて、どうだろう。今の私は10年前に憧れた立派な大人に慣れているだろうか?
答えは簡単「全然なっていない」

確かに自分で稼げるようにはなった。1人で生活はしている。

ただ毎日しょうもないことで悩むし、落ち込む。
友達と小学生みたいな会話で爆笑し、ファミチキも食べる。
高校生の時に録画して観ていたアニメを休日Netflixで観ている。
高校生の時にCDレンタルで聴いていた曲を通勤中にSpotifyで聴いている。
10年前の延長線上でここまで来てしまった。

全然「大人」になっていない。
それなのに、周りの同年代はえらく大人に見える。みんなどうやって大人になっていったのだろうか。
私だけ何かのチェックポイントを踏み忘れてしまったのだろうか。

次は37歳

37歳の私にはそんなに気にしていない。
「歳を重ねる=人が変わる」訳ではない。私はずっと私なのだ。
多分37歳の私も今と同じ感じなのだろう、と過度な期待をしなくなった。

その時ふ、と気づいた。
過度な期待はしない。現実を見る。
これは17歳の時にはなかったものだ。少しは大人になったのかもしれない…。

多分チェックポイントなんてないのだろうし、周りも言うほど自身が大人だと思っていないのだろう。

そうして皆理想と現実のギャップを感じることで徐々に現実を見ていく。
それが大人になるってことなのかな。

であるなら10年前の自分に声をかけてあげたい。
「中身は変わっていないけど、ディズニーの入園料は一丁前に大人だよ。」

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