四月病
外出できなくなってどれくらい経つんだろうか? 思えばあっと言う間に子供の卒業式から1ヶ月が過ぎた。マスクをつけて、ダウンを膝にかけての卒業式。まだ桜のつぼみは固かった。
そうしているうちに桜が咲いているなと買い物へ向かう車窓からぼんやり見ていると、まるで記憶のフィルムがめくられていくようにこれまでの年と変わらぬスピードで満開を迎え、雨と風が揺さぶり、桜は近づいてみることが叶わず散ってしまった。
うちの近くに立派な八重桜の木がある。ソメイヨシノよりも色の濃いその花は、重みも感じて豪華だ。毎年、とても楽しみにしている。今年もいい感じに咲いたな、と思っていると徒な風に煽られて呆気なく散ってしまった。
春。
春を思いっきり満喫した感じがしないので不完全燃焼だ。庭には色とりどりのチューリップやムスコルチア、コデマリが咲いているけれどなにか違うんだ。
春の空気が逃げてしまう。胸いっぱいに春を吸い込むことなく季節は過ぎ去って、今年の春をなきものにしてしまう。
静かに揺れる萌葱色の楓の葉。日を透かして見る時の喜び。そういうものが失われていくのを、ぼんやり立ち止まっていることしか出来ない。
四月病、なんでも出来る気になるとはた迷惑な四月病はどこに消えてしまったんだろう? 何もやる気にならない。外出規制となれば、家でいままでよりゆっくりいろんなことに取り組めると言ったのは誰だ? わたしはどうにも気持ちがついていかない……。
ひょっとして四月鬱? それはありそうな気がする。昨日「マスクは作らない」と書いたけれど、自分の存在意義が揺らいできてしまった。うちはもう子供も育ってるし、「日常」に追い回されることもない。震災の時などは出来るだけ平常な生活を送れるように気をつかったものだけど、いまは子供は子供で精神的に自立しているのでそんな気づかいは不要なのだ。
なにかすることを探さねばなぁ。ダメ人間になってしまう。同じように感じている人もいるかな? みんなネットに手料理の写メを上げたりがんばってるなぁと思う。もしかしてマスクの写メをあげ続けたわたしを「がんばってる」と思った人もいたのかもしれない。
……とりあえず、布マスク業界に戻ろうか。ちなみに売価700円で、置いてもらったお店に3割払う、1枚売れると490円の売上だ(笑)。ハンドメイドやってる人は基本、材料費の元が取れればいいという感じなのでけっこうぼろ儲け。
まぁ、毎日白マスク縫ってると気が滅入りそうなのでやっぱり縫う気はないのですが。
iPad、出してくるかなぁ~。
なんとかこの精神的不調を立て直さなければ。
散歩が一番なんじゃないかな、とほんとは思っている。←
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