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I've been waiting for that since long time .

月曜日は大体忙しい。今日はたいした案件の量ではなかったけれど、それでも疲れた。きっと休み明けだから。しかもきちんと体の疲れを取ることに失敗した休日だったから。
肩、肩甲骨辺りがこわばっている。こんなの序の口だと放っておくとよろしくない。お湯に浸かって、寝る前にストレッチをしてほぐして、ぐっすり眠ればきっと良くなる。しかしここ最近変な夢ばかり見る。今日の夢のなんて、眠くて眠くて仕方ないのに何故か椎名林檎の『歌舞伎町の女王』をヘッドフォンのスピーカーから爆音で轟かせ横になってしまう。そして母親から「あなたがどこかにあれを片付けてしまったから、支払いが滞って」と叱られるのだ。ひとまずここしばらくの間朝起きて嫌な気分になるような夢ばかり見るようで目覚めた時に何となくさっぱりしない。

 思えば金曜日はとても良い日だった。高校で知り合って今でも連絡を取り合う友達から婚約したとメッセージが届いたのだ。しかし電話しようとすると間が悪く、メッセージのやりとりは中途半端なところで終わってしまった。私の返事の内容が悪かったのかと考えた。土日はそれ以上考えないように努め、今朝になっていつもの思い過ごしかと一度答えを出した。しかし今になってはもうこれ以上彼女からの返信は永遠に来ない気分になっている。私が結婚して子どもを産んで離婚して今に至るまで彼女はずっとこの日を待っていたのかもしれない。私にこうして決別を告げる日を。
そんなことを想像すると今までの時間は何だったのかということになる。けれど私は彼女にプロポーズした人がどんな人かは全く知らない。聞く機会を持たないまま今日を迎えてしまった。彼女の近況も知らない。それくらい普段連絡を取らない。それで友達だと言えるのかと聞かれると返答に困ってしまう。ただ私は彼女が幸せならそれでよい。そう、今の気分はわりと良い。彼女が満面の笑みで好きなことをして楽しく過ごす姿が目に浮かぶ。それ以上すてきなことってあるだろうか。私はこの日をずっと待っていた。ずっとずっと待っていたんだよ。


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