壺中天

文筆から別天地へ。 主に詩を書いています。 https://x.com/musou_555?t=JTa4vJca2FaYW8OIRIzw8g&s=09

壺中天

文筆から別天地へ。 主に詩を書いています。 https://x.com/musou_555?t=JTa4vJca2FaYW8OIRIzw8g&s=09

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自己紹介 私と文筆活動

いつもご覧いただきありがとうございます。 私、壺中天(こちゅうてん)と申します。 趣味で文筆活動をしております。 ペンネームの由来は中国の故事です。壺の中に広がる別天地、といった意味になります。 文筆という限られた領域、noteという限られた場所の中で、美しく広がる別天地を描き出せればと考えております。 今まで文筆活動とは縁遠い人生を送ってまいりました。 小学生の時分から国語は好きな教科で、読書も趣味の1つでした。高校時代は文芸部員でしたが、部活動の外で趣味として文筆活

    • 詩「大自然に寄せて」

      「大自然に寄せて」 おお 偉大なる 山の神 木の神 火の神 海の神 水の神 この母なる 大地の 諸々の 目に見えない 精霊たちよ ああ 偉大なる 日月の神 星辰の神 風の神 光の神 闇の神 この父なる 天空の 諸々の 目に見えない 精霊たちよ あなたがたは 或いは おひとりで 或いは おふたり以上で 果てしない 久遠の年月(としつき) 変わりゆく 全てのものに ある時は 生命(いのち)を 吹き込み 与えた またある時は 生命を 抜き取り 奪った 全ては この繰り返し

      • 詩「近代異端禱詩」

        (合唱) 金星の 大地の 大海原の イシュタル イシスにして イルマタル ひいては アスタルト アプロディーテーなる 御方よ 輝かしき 愛と美の みなもとよ (独唱) 仮象なる 世界にあって 春の日に みずみずしい アネモネ一輪 この花に あなたの影を 見出して あなたの影に 恋をした 時の流れの 悪戯に この花は 掌(てのひら)のうち 枯れ果てて 見るも哀れな 貌(かたち)を描く さながら 恐るべき 権謀と堕落の 大公爵 地獄の アシュタロト その人の如く あ

        • 詩「秋」

          咲きこぼれる 桂花の枝を 挿頭(かざし)に挿して いよいよ高く うるわしい あなた 輝く瞳は 目映(まばゆ)いばかり 朗らかに 笑みを浮かべて 陰りなく 蒼々として 澄み渡る あなたに 対するわたしの 胸のうち この秋晴れの 好日に ただ独り 虚しさばかり 積もりゆく あなたには 小さいでしょう それでも どんなに 小さくても あなたはいつも すべてを悟り 無言のままに 慰める どこまでも 清らかな その優しさが ありがたくもあり それゆえに かなしくもあった

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        自己紹介 私と文筆活動

          詩「遠望」

          吹いてゆけ わが心 駆けてゆけ わが涙 遥かに 青山(せいざん)尽きて 大空は 思いもかけぬ 小ささよ 流れゆけ わが心 揉まれゆけ わが涙 波のまにまに 漕ぎ進め 知らぬ間に 青海原の いずくにか 呑まれゆけ わが心 溶けてゆけ わが涙 行く雲に 憂いなし 白々(しらじら)と ただ東天(とうてん)の 彼方のみ 越えてゆけ わが心 飛んでゆけ わが涙 眼前に 今朝の空 どこまでも 永久(とこしえ)に 澄み渡る

          詩「遠望」

          初期作品2篇

          初期の作品から。 当時は4行詩にこだわっていた。 「またたき」 満開のさくらばな ほほえみのうちに散りて去(い)ぬ 眼裏(まなうら)に残るは刹那の輝き これもまた生 「めぐる」 桜の下の春紫苑(ハルジオン) 人知れず咲く追憶の花 世々(よよ)に咲き 世々に散る

          初期作品2篇

          詩 「朝」

          清らかな静けさ。 「朝」 別離は はじまりの朝 見よ 蒼天を舞う二羽の鳩 離れてのち出逢い 連れ立って また渡る

          詩 「朝」

          詩 「深閑」

          第18回「文芸思潮」現代詩賞 二次予選通過作品。 通過作品の紹介はここまで。 「深閑」 優れて甘美な香りがどうしたというのか 幽(かす)かな梅の香りこそ 闇夜を照らす 一筋の光 なお、二次予選通過作品は、以下のリンクからもご覧いただけます。 http://www.asiawave.co.jp/bungeishichoo/bspoem/index.htm

          詩 「深閑」

          詩 「大地の墓誌銘」

          地母神の声。 「大地の墓誌銘」 とりどりの 色も 形も 夢と尽き いまや ひとしく 枯れた 者たち わが胸に 肩を寄せ合い 鎮まれり 安らかに うるわしの わが子ら 忘れて 憩え ひたすら 晞(かわ)き 湿る 営みに 御身(おんみ)をさする 呼び声を 聞く その日まで ※画像出典: https://commons.m.wikimedia.org/wiki/File:Nishi-no-mae_Iseki_dogu-2.JPG#mw-jump-to-license

          詩 「大地の墓誌銘」

          詩 「悲恋」

          第18回「文芸思潮」現代詩賞 二次予選通過作品。 「悲恋」 わが十一番目のムーサ 貴女への思慕は荒波となり 碧海の巨岩をも砕く だが蒼天の太陽は 黒いヴェールで貴女を隠す 涙の雨は海より来(きた)るか 天より来(きた)るか 古来海と天とは相交わらず ああ 回転する三姉妹の錘(つむ)の 残酷な調べよ ※画像出典:https://commons.m.wikimedia.org/wiki/File:Gustave_Moreau_-_Hésiode_et_la_Muse.j

          詩 「悲恋」

          詩 「十七時」

          第18回「文芸思潮」現代詩賞 二次予選通過作品。 「十七時」 黄昏(たそがれ)に 家路を急ぐ二羽の鳥 蒼穹(そうきゅう)は高く広く 日月(じつげつ)を宿して輝く 揺れ動くわが心 重い足取り 果てのない旅路 響くは錆びた晩鐘 戦(そよ)ぐは紫の風信子(ヒヤシンス)

          詩 「十七時」

          原点の詩

          わが詩作の原点。 2022年3月24日、家路の途上で。 おお 路辺の菫よ 小さき顔は 汚れても なお慎ましく か細き躯(からだ)は 踏まれても なお秘やか ただ 銀白の月のみが 夜露に濡れし 君の心を知る

          原点の詩