畑中修介

音楽好き(特にインディーロック/エモ)

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スウェーデンの伝説的ロックバンドKentの歴史を知るための名曲20選

 かつてスウェーデンで国民的人気を誇り、2016年に惜しまれつつも解散した伝説的ロックバンド、Kentをご存知だろうか。今回は、私が敬愛してやまないKentの数々の名曲の中から、特に優れていると思う20曲について語っていきたい。  20曲を選出するにあたって、私の主観だけではなく、ある程度客観的な視点も入れたいと思い、明確な選出条件を設けることにした。  下記3点のうち、いずれかに該当していることを選出の条件とする。  1. シングル化している  2. ベストアルバム『B

    • 3月、Kentを観にスウェーデンへ

       2016年に解散したスウェーデンの国民的ロックバンドKentが、2025年3月に3日限りの復活ライブ(追加公演が決まったので計6日?)を行うことを発表。  チケット発売から1時間くらいで、当初の3日間が全てSOLD OUTになるほどの争奪戦だったが、何とかチケットを確保することができた。  私にとってkentは、人生で一二を争うほど多く聴いてきた音楽だが、今までライブを観たことはない。  元々、スウェーデンを中心とした北欧諸国でしかライブ活動を行なっていなかったバンド

      • 【デスキャブ来日】Benjamin Gibbard『Bandwagonesque』(2017)

         デスキャブのベンは2017年に、Teenage Fanclubの不朽の名作『Bandwagonesque』を丸ごとカバーしたアルバムを発表している。  Teenage Fanclubから影響を受けたアーティストなど全く珍しくないし、むしろTFCほど幅広い層からのリスペクトを集めているバンドはそうそう居ない。  デスキャブがTFCとは多少タイプの異なるバンドとは言え、ベンがカバーアルバムを出していることにさほど意外性も無いだろう。  では、原曲のイメージからは想像もつか

        • 【来日決定】American Footballの音楽を聴き直す

           EMO界のリビング・レジェンド、American Footballの来日が決定した。  歴史的名盤であるデビュー作(LP1)の25周年記念ツアーの一貫とのこと。  コロナ影響によって単独公演がキャンセルとなった経緯もあり、フジロック'19以来、6年ぶりの来日ということになる。 ◇ ◾️プロフィール 活動期間:1997年〜2000年、2014年〜現在 活動拠点:アメリカ🇺🇸イリノイ州 ジャンル:EMO/ポストロック ◾️メンバー Mike Kinsella (ボー

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          【解散発表】Mew名曲Best10

           デンマークが誇るオルタナティブ・ロックバンドMewが、結成30周年となる2025年、解散することを発表した。  『明日ニュースがあります』なんてアナウンスされた時点では、『何だろう新作かな』『ロッキンオンソニックで来日あるかな』なんて考えながら楽しみにしていたのだが、蓋を開けてみたらまさかの解散発表に落胆。  現時点でアナウンスされているのは、5月にデンマークで行われるライブのみ。果たしてワールドツアー、来日公演は行われるのか。解散は悲しいが、せめて最後に姿を見せてほし

          【解散発表】Mew名曲Best10

          2024.8.4 宇多田ヒカル Science Fiction Tour@代々木国立競技場第一体育館

           先日、デビュー25周年を記念したベスト盤、"Science Fiction"を引っ提げてのツアーの全日程が終了した。  私は、2018年に行われた前回のツアー"Laughter In The Dark"に続いて2度目の参加となった。  前回は幕張メッセでの参加だったが、最も後方のエリアで、実物の宇多田は豆粒のような小ささでしか視認できず、ほとんどステージ脇のモニターに映し出される姿ばかりを見る羽目になった。  それに対して、代々木国立競技場第一体育館での参加となった今

          2024.8.4 宇多田ヒカル Science Fiction Tour@代々木国立競技場第一体育館

          【厳選】EMOバンド名鑑

           EMOの歴史において個人的に最も重要だと思うバンドを30組厳選し、簡単なプロフィールとともに、各バンドにおいて最もエモいと思う1曲を貼っていく。 ◇ No.01 Sunny Day Real Estate 結成年:1992年 代表作:『Diary』(1994)     『The Rising Tide』(2000) Sub Popレーベルからリリースしたデビュー作『Diary』によって、EMOを世に知らしめた"EMOの元祖"。ジェレミー・エニックの繊細かつ情熱的な

          【厳選】EMOバンド名鑑

          グラスゴーのベテラン、TRAVISの音楽を聴き直す

           先日10枚目となる新作『L.A.Times』をリリースしたばかりのTRAVIS。  個人的に、このバンドへの思い入れは強い。  高1の頃にベスト盤をレンタルして聴いてみたが全く良さが分からず、その後暫くはポップパンクなど分かり易い刺激をくれるファストな音楽ばかり聴いていたのだが、1年ほど経過し何気なく聴き直してみると、雷に打たれたように良さが分かり、急いで5th『The Boy With No Name』のCDを買いに行き、そこからハマったという思い出がある。「良さが分

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          Winnie "Nostalgic Evolution" (2014)

           00年代の国内インディーシーン、とりわけ90'sのEMOから影響を受けているバンド達が好きだった。  EMO+ブリットポップなOCEANLANEを筆頭に、 MineralやGloria Recordを彷彿とさせる柏のBuddhistson、 ゲットアップキッズの熱烈フォロワーである青森のLocal Sound Style、 Pizza of Deathでは異色のパワーポップサウンドを鳴らしていたComeback My Daughtersや、Weezerからの影響が色濃い福

          Winnie "Nostalgic Evolution" (2014)

          Sondre Lerche "Two Way Monologue" (2004)

           Sondre Lerche (ソンドレ・ラルケ)は、地元ノルウェーにおいて絶大な人気を誇るシンガーソングライターである。  2022年には、ノルウェーのグラミー賞である"Spellemannprisen"において、Alternative  Pop/Rock Albumの最優秀賞を受賞している。  レコーディング当時19歳の若さでリリースしたデビュー作、"Faces Down"でノルウェーグラミー新人賞を獲得したのが2001年。  そこから現在までに10枚ものオリジナル

          Sondre Lerche "Two Way Monologue" (2004)

          2024上半期 新譜レビュー

           今年も早いもので半分が経過した。  良かったものから期待外れだったものまで、気になったものをランダムにレビューしていく。 ◾️ヘッドライナー級の大物  ビッグネームでまず名前を挙げたいのはThe  Smileの2nd『Wall of Eyes』。'22年の前作『A Light For Attracting Attention』は、思い切りギターロックサウンドを掻き鳴らしているように見えて、その中身は難解で取っ付きづらかった。それに対して本作は、難解なエレクトロ・アンビ

          2024上半期 新譜レビュー

          Kings Of Leon全アルバム聴いてみた

           The Nationalなどもそうだが、キングス・オブ・レオンもまた、海外での人気と日本での知名度が最も大きく乖離しているバンドの代表格だろう。  かく言う私も、その乖離を作り出すのにしっかりと貢献しており、アルバム単位はおろか、曲単位でさえ彼らの音楽を聴いたことが全くなかった。  先日リリースされたばかりの新作『Can We Please Have Fun』を機に、全作をレビューしてみようと思う。 1st『Youth and Young Manhood』(2003)

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          2024.04.14 STARMARKET 30th Anniversary Tour@今池Huck Finn

           世界一好きなバンドのライブを観てきた。  前回の2019年の再結成ツアーが一生に一度の機会かと思っていたが、まさか再びスウェーデンから来てくれるとは。  更に、20年ぶりの新曲を引っ提げての来日という、ファン感涙の展開である。 ◾️セットリスト 01. Ten Seconds (2nd) 02. Carry On (2nd) 03. Count With Fractions (3rd) 04. You Can't Come (2nd) 05. Into Your Ar

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          Vampire Weekend 全アルバム聴いてみた

           5年ぶりとなる5th"Only God Was Above Us"をリリースしたばかりのヴァンパイア・ウィークエンド。  個人的に、彼らの音楽は2008年頃にデビュー作を少し齧った程度で、それ以降は聴いてこなかった。当時高校生だった私はメロコアやEMOなど分厚いギターサウンドばかり聴いていたため、"A-punk"のスカスカな音と、鼻歌系へなちょこメロディ(当時はそう感じた)に辟易とした記憶がある。  当初はインディーロック界隈におけるカルト的人気としか思っていなかったの

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          "SCIENCE FICTION" 収録曲から辿る宇多田ヒカル25年の軌跡

           デビュー25周年を記念したベスト盤『SCIENCE FICTION』のリリースと、『Laughter In The Dark Tour 2018』以来6年ぶりとなる全国ツアーの開催を発表した宇多田ヒカル。  ベスト盤に選出された26の楽曲に焦点を当てながら、25年間の活動を振り返っていく。 1st "First Love" (1999)Science Fiction収録曲:2曲  -Automatic  -First Love  『日本の音楽史上一番売れたアルバム』、

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          ハードコアパンクとEMOの邂逅 The Coastguards『I Refuse』(2014)

          The Coastguards(ザ・コーストガーズ)は、千葉県柏市を拠点に活動する、メロディック・ハードコアバンドである。  彼らが参照する音楽は、Dag NastyやLifetimeといった80's〜90'sのハードコア・パンクから、Further Seems ForeverやStarmarket、Jimmy Eat Worldといった初期EMOまでを網羅している。  それらの音楽を見事なまでに鮮やかにクロスオーバーさせてみせたのが、2014年リリース、彼らにとって唯一

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