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藤崎直人。北海道産。自称吟遊詩人(笑)。 東京、神奈川、長野放浪の末、今は神奈川在住。…

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藤崎直人。北海道産。自称吟遊詩人(笑)。 東京、神奈川、長野放浪の末、今は神奈川在住。音楽、本、日本映画、ドラマ好きジジイ。 単身で29年勤めた長野のプリプレス会社を2022年3月退職後、現在神奈川県の印刷会社でアルバイト勤務。 ベートーヴェンとポール・サイモン命。

マガジン

  • note版 クラシック音楽夜話

    メールマガジン「クラシック音楽夜話」のバックナンバーをベースに一部リライトした文章をNOTE用に掲載しています。 徐々に新原稿を加え、メールマガジンと連動する予定です。 クラシック音楽に限らない気楽な読み物としてお楽しみください。

  • 全曲 サイモンとガーファンクル

    解散後50経っても色あせない永遠のデュオ・サイモンとガーファンクルの全曲解説です。 私musikerが2000年代初期に発行したメールマガジン「All Simon and Garfunkel」の記事をベースに加筆しています。記事はまだ少ないですが、徐々にアップしていく予定です。 S&Gの世界を聴く際のお伴にどうぞ。

  • Song, Paul Simon

    2000年代初頭から配信しているメールマガジンをベースに、米国のシンガーソングライター ポール・サイモンの楽曲を解説しています。 往年のファンの皆さんはもちろん、これまであまり聴く機会がなかった全世代の皆さんの、彼の歌の素晴らしさを知っていただきたい一心で書いています。

  • 自作の歌

    私がまだ若かりし時、髪の毛もたくさんあった時に書いた歌の歌詞を公開します。

最近の記事

  • 固定された記事

開演前のアナウンス

本日は「神玉梨県吹奏楽コンクール」中学校の部にご来場くださいまして誠にありが とうございます。開演に先立ちましてみなさまにお願いがございます。 演奏中はドアを完全封鎖しますので入場される方は演奏終了までドアの外でお 待ちいただきます。出がけの化粧に時間がかかったためとか、交通渋滞に巻き 込まれた、地下鉄の路線乗り換えを間違えた、ゴジラが出現し列車がストップしたなどいかなる理由があっても入場はできませんのであらかじめご了承くだ さい。 演奏中の写真撮影や録音はできません

    • マーラー 交響曲第9番(2) ~人生のあほらしさと楽しさを語る

      【第2楽章】 ファゴットで始まり、クラリネットとホルンがノーテンキな序奏を奏でたと思えば弦楽器が、ちょっとノロノロぎみなワルツを奏でる。ウィンナーワルツとはほど遠く実にのどかだ。上品に貴婦人を気取りたいけど、正体バレバレの田舎もの、というと言い過ぎもしれない。けど、このギャップが面白くてたまらない。ホルンの雄叫びも笑えるし、終始脇役として同じフレーズを続けるファゴットも可笑しい。 滑稽な音楽は続き、今度は弦楽器まで巻き込むんだから、お話にならない。コントラバスが真面目に道

      • R.シュトラウス(Richard Strauss/1864-1949) 4つの最後の歌(4 Letzte Lieder)

        この曲は哀しい。タイトルだけで既に哀しい。誰がこういう題名をつけたのか。まさかリヒャルト・シュトラウス自身ではないだろう…と思ったのだが、案の定出版商の友人だった。そうだろう。自分で「最後の…」と題名をつけるような自意識過剰なふるまいを彼がするはずはない。(あくまでも個人の感想です) でも、名題だとは思う。シュトラウスが最後に書いた歌、というだけで涙が出てくる。 繰り返すが、リヒャルト・シュトラウスは、これを最後の歌と意識して書いたのではない。タイトルは、「シュトラウスが晩

        • マーラー 交響曲第9番(1) ~命への想い、憧れ

          マーラーは晩年、死の予感を日々感じながら過ごしていた。自身の心臓の病。愛娘の死という哀しい出来事。妻アルマへの強烈な愛情と裏返しの嫉妬や猜疑心。こういうストレスが強くのしかかり健康悪化にさらに拍車をかけた。 熱血指揮者と呼ばれ、オーケストラや歌手達と共にオペラと闘い精力的に活躍した。だが、その彼が自身の死とわずか50歳で向き合わなければならなかった。ショックははかり知れない。ちょうど娘の死後ショックが消えない頃に、異国の地でメトロポリタン歌劇場の音楽監督としての活動という「

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        開演前のアナウンス

        • マーラー 交響曲第9番(2) ~人生のあほらしさと楽しさを語る

        • R.シュトラウス(Richard Strauss/1864-1949) 4つの最後の歌(4 Letzte Lieder)

        • マーラー 交響曲第9番(1) ~命への想い、憧れ

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        • note版 クラシック音楽夜話
          63本
        • 全曲 サイモンとガーファンクル
          42本
        • Song, Paul Simon
          3本
        • 自作の歌
          11本

        記事

          「ブックエンドのテーマ〜リプライズ」 Bookends Theme-Reprise/サイモンとガーファンクル「ブックエンド」第7曲

          前曲「旧友(Old Friends)」のボーカルが終わると、オーケストラによる不安げな曲想の後奏が長く続きます。やがてホルンによる「旧友」のメインメロディーの変形を合図に、オーケストラがヒステリックに再び騒ぎだしますが、全体がオリジナルメロディに導かれ…、ストリングスの長いフレーズ。ギターの前奏が溶け込みオケの音は消えていきます。ギター伴奏だけになり、第1曲「ブックエンドのテーマ」でギターだけで奏でられたメロディに歌が重なります。 1枚の写真に写るのは想い出。すべてであり、

          「ブックエンドのテーマ〜リプライズ」 Bookends Theme-Reprise/サイモンとガーファンクル「ブックエンド」第7曲

          「旧友」 Old Friends/サイモンとガーファンクル「ブックエンド」Bookends 第6曲

          「老人の会話」が終わると、静かにフェードインしてくるストリングス。ギターのコード。一風変わったコードが2拍続きます。そのコードに乗るメロディ。というより、コードに合わせた。シンプルそのものの。 ブックエンドのように座るというとベンチで隣り合わせではなく、間を置き離れて座っている光景を想像します。親しい関係ではない。公園のベンチで、会話をかわすことのない老人が二人、少し離れて座っている寂しい光景です。 (「寂しい」というのは傍観者の一方的な想像。知り合いではなくとも、同じ歳

          「旧友」 Old Friends/サイモンとガーファンクル「ブックエンド」Bookends 第6曲

          「老人の会話」Voices of Old People/サイモンとガーファンクル「ブックエンド」第5曲

          この作品は歌でなく、老人たちの会話を録音し編集された作品です。英語ですし、よく聞き取れない声の小さな女性の会話などもあり、英語を聞き取れない私のような日本人は雰囲気だけ感じ取るしかありません。 この奇妙な試みを考えたのは、アート・ガーファンクルで、彼はテープ・レコーダーを持って、ニューヨークとロサンジェルスのさまざまな場所で老人の会話を録音したそうです。ここに収録されているのは、抜粋で、ユダヤ老人共同ホーム、リシーダのカリフォルニア老人ホームにおけるものだそうです。 最近

          「老人の会話」Voices of Old People/サイモンとガーファンクル「ブックエンド」第5曲

          オリジナルTシャツ作ってみました

          オリジナルTシャツ作ってみました

          「オーヴァーズ」Overs/サイモンとガーファンクル「ブックエンド」第4曲

          耳を澄まして良く聞くと、冒頭数秒後にマッチの火を付けたような音、そして、かすかな息づかいが聞こえます。前奏無しでいきなりポールの悲痛な声で歌は始まります。 かきむしるようなギターのアクセントが、耳に突き刺さります。 別れ話。それも、長年連れ添った夫婦のようです。 きっと、もはや会話もなく、毎日をただ静かに過ごしているのでしょう。会話がなくとも、心が通じ合っている夫婦もあるかもしれませんが、この二人は、すでに心もバラバラのようです(ポール・サイモンの歌にはよくニューヨークタ

          「オーヴァーズ」Overs/サイモンとガーファンクル「ブックエンド」第4曲

          ベートーヴェンの後期3大ソナタはひとつのソナタか?

          何度か書いていますが、ベートーヴェンのピアノ・ソナタは私のクラシック音楽体験原点。とりわけ後期ソナタと呼ばれている3作品(op.109、op.110、op.111)は、特別な存在です。   古いドラマですが、「Change」で、キムタク演ずるモジャ倉先生を政界に引っ張り出し人生を変えたのは、深津絵里さん演ずる美山さんでした。 私の音楽人生をガラリと変えたのは、やはりベートーヴェンのこれら3つのソナタでした。この出会いは、その後の音楽との向き合い方に大きな影響を与えたし、あ

          ベートーヴェンの後期3大ソナタはひとつのソナタか?

          「アメリカ(America)」/サイモンとガーファンクル 「ブックエンド」第3曲

          はじめに…映画「卒業」のこと 映画「卒業」は1967年に公開された米国の映画です。主演はダスティン・ホフマン。 物語は、主人公ベンジャミン(ダスティン・ホフマン)が大学を卒業した後自分の将来を迷いながら成長していく成人していく様子を描いています。彼は、父親や周囲の人々の期待に反し、自分の人生を模索し、時には社会のしがらみに抗しながら生きようとします。 家庭教師として雇われますが、雇い主の妻ミセス・ロビンソンと関係を持ちます。その後、ロビンソンの娘エレインに惹かれていくと

          「アメリカ(America)」/サイモンとガーファンクル 「ブックエンド」第3曲

          父とラーメン

          父はラーメンが好物 父の好物はラーメンだった。 昭和40年代。ラーメンといえば、今風にいう醤油味、細麺。食堂で出される普通のラーメンだ。 オヤジは、ラーメンをラーメン店で食べてはいない。 家で母親(つまりオヤジの妻)が作るラーメンを好んで食べていたのだ。…と思うよ、私子供だったのでよく知りませんが(^_^) 夕食がラーメンの頻度が高かったのは、たぶんオヤジの好みに合わせていたのだろう。兄や私育ち育ち盛りの息子達には、野菜たっぷり味噌ラーメンを3〜5杯もふるまいながら、母

          父とラーメン

          我が子を救いたまえ Save the Life of My Child/サイモンとガーファンクル「ブックエンド」第2曲

          騒がしい歌です。高いビルから飛び降りようとしている少年を見ながら、大騒ぎする人々の光景を実況生中継するアナウンサーのよう。  腹の底に響く低音部のけたたましいエレクトリック音、べース、そして妙にクリアなアコースティックギターによる伴奏に続き、歌うのは、ポールによるあわてふためいた歌声 早口でポールはまくしたてるように歌う、というかしゃべっているような感じです。 そして、この歌で共通するさびの部はアートと共に妙に美しいハーモニーで天使の歌声のようです。 第2番では、

          我が子を救いたまえ Save the Life of My Child/サイモンとガーファンクル「ブックエンド」第2曲

          ヒンデミット作 ヴィオラ協奏曲「白鳥を焼く男」

          ある日、協奏曲の楽章構成について調べていたところ、目を疑うタイトルに遭遇しました。 ヒンデミットのヴィオラ協奏曲「白鳥を焼く男」です。 ショッキングなタイトルで思わず後ずさりしてしまいます。あの白鳥ですよ。神秘的で清楚なイメージの鳥を焼くとは、いったいどんな男なのだ。というかそれがタイトルになるなんて、ヒンデミットという作曲家はひんでいひっと(人)だ…、とさえ思いました。(あの〜、今の微妙なダジャレのつもりですが、わかりました?笑) すぐさま更に調査を継続。調べてみると

          ヒンデミット作 ヴィオラ協奏曲「白鳥を焼く男」

          小澤征爾さんと若者たちの共同作業に感動する

          教育の本来あるべき姿は、こういうことなのではないか? 火曜の夜(2002年3月19日頃)、久しぶりにまともな時間に帰れたので、テレビをつけると、偶然にも小澤征爾さんの番組が始まる間際だったので、着替えもそこそこでテレビに釘付けになった。 昨年夏(=2001年)に行われたタングルウッド音楽祭のドキュメンタリーで、小澤さんが、世界各国から集まってきた若者で構成されるオーケストラとのリハーサルの様子を映していた。 ご存じの通り、小澤さんは、今年でボストン交響楽団音楽監督を退き

          小澤征爾さんと若者たちの共同作業に感動する

          重要なコンセプトアルバムの発表 サイモンとガーファンクル第4作アルバム「ブックエンド」(1968年)

          サイモンとガーファンクル第4作アルバム「ブックエンド」は、1968年に発表されました。 ジャケットはモノクロで、二人がこちらを見ているとても印象的なショットが使用されています。 タイトルもジャケット下部に細めのゴシック体で BOOKENDS / SIMON & GARFUNKEL  と白抜き文字で記載があるのみの。CDで見るとさほどではありませんが、LPレコードジャケットの大きさ(30cm×30cm)で見ると相当インパクトがあります。また、細かいことですが、CD版の写

          重要なコンセプトアルバムの発表 サイモンとガーファンクル第4作アルバム「ブックエンド」(1968年)