名曲859　「この星に生まれて」【合唱曲】

ーー胸が締め付けられる。きっと夢はかなうからーー

【【合唱】 この星に生まれて（混声三部）】
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　私が成人してから、定期的に思い出されるのが学生時代の記憶である。恐らく老人になってもそうだろう。そこでまだ学生の方に伝えたいことがある。学生時代はいい思い出をたくさん作っておくのである。いいイメージを持つのである。絶対どこかでフラッシュバックされるその時に、悪い印象があったら苦しいからだ。でもあんまり良すぎても、苦しくなる。私がそうであるように。

　幸いにも私は学生時代恵まれていた。いまのしょぼくれた姿を周りの人が見たらきっとそう思わないだろう。だがその時代に戻りたいと思う度に、いまが苦しくなってきて、どんどん落ち込むのだ。よくいると思う。学生の頃はあんなにイケイケだったのに、久しぶりに同窓会で会ったら顔から生気がなくなって老けていたと。

　学生時代には多少の苦労も必要なのだろう。私はそれが少なかった。それで挫折に弱く、打たれ弱い人間になっていったのだと思う。この世界は厳しすぎる。そんなふうに、大きくなったいまだからこそ感じるのである。

　この星に生まれて、私は夢を持った。小さいものや大きなものも叶えてきた。それで終わりかといえば、全然そんなことはない。私はまだ一応若いので、次なる挑戦もできるはず。そう前に踏み出そうとしたとき、現実という壁に足を止めてしまった。私は白百合より弱い。花のほうが崩れずに立っている分、強い。私はしゃがんでしまった。