名曲270 「タイミング~Timing~」【ブラックビスケッツ】
ーーKYの先駆けとなった「空気の読めなさ」を明るく変えていくーー
【ブラックビスケッツ タイミング】
私が小さいころにJ-POPを聴いていた理由としては母親の影響が強い。三つ子の魂百までというのは本当で、未だに脳裏にこびりついている。今回紹介する曲は特に思い入れが強い。なぜなら私が初めて、母の買ってきたシングルを好きになった曲だからだ。
歌うはブラックビスケッツ。ビビアン・スー、南原清隆、天野ひろゆきの3人のユニットだ。これは番組の企画で生まれた(ポケビもそう。以前にも取り上げた)のだが当時の私はまったく知らなかった。
{急に冷たくなって ソッポ向かれたり なんでなんでなんで? どんなにいいことだって 間がワルいとね カチンときたりで}
{それがなぜか 君が喋り出すと イヤな空気すっかり変えてしまうから…}
{ズレた間のワルさも それも君の“タイミング" 僕のココロ和ます なんてフシギなチカラ}
この曲は歌詞が刺さること刺さること。平成の当時に「空気の読めない」ことをここまできちっと書いた作品はなかなかない。それでいてサビになると心がほっこりするような構成にまとめている。
{妙にセコセコ生きて 楽しくなくて 昨日と同じで 君と出会う前まで キモチ張りつめ 折れそうだったよ}
{小さなこと いちいちムカついて 笑い方も なんだか忘れてしまってた}
{ヒトも街も宇宙も まわれまわる“タイミング" ヘンにね合わせ過ぎても たぶん辛いだけさ}
{たまに間のワルさも 大事なんだね“タイミング" 君と僕のシアワセ 笑いながらいこう}
2番に至っては涙が出てくる。これは多くの現代人にとって励みになるのではないか。私も決して空気の読めるタイプではなく、空気を悪くさせてしまうことが多々ある。そんなとき、社会人であることをやめたくも思う。
しかし、この曲はなんて愛があるのだろう。それをメリットに変えてしまえと明るく歌い飛ばす。「タイミングって難しいよね!よくわかんないからグルグル回ってけ!」否が応でも元気が湧いてくる。
{誰もみんな 君のようならいい 争いまで きっとなくなったりするでしょう}
こんな人を目指したい。ふと狩野英孝、出川哲朗が浮かんだ。表向きはポンコツだといわれるが、なんだかんだ愛されているなあと感じる。
一時期、KYという単語が流行った。当時学生だった私もよく使ったし使われた言葉である。当時の言い方は「サムい」感じのマイナスなニュアンスであったが、なんてことはない。「たまに間のワルさも 大事なんだね“タイミング"」。おどけて笑ってしまおう。きっとみんなも笑ってくれるはずだ。
【今日の名歌詞】
ズレた間のワルさも それも君の“タイミング" 僕のココロ和ます なんてフシギなチカラ
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