敷居を下げる事よりも伝える能力を
私が最近、周りに良く話していることは、
クラシック演奏家やクラシック音楽を職業としている人は、
少なからずクラシック音楽を演奏以外で伝える義務があるということ。
私自身、学生の頃からずっとクラシック音楽を勉強してきて、何ができるかいつも考えていました。
それは、自身が音楽を通じて、
何をしていけるのか、何か世の為人の為、自分の為に、と考えるようになってからです。
基盤となる知識がないと、入りづらいクラシック音楽。
身近に感じてもらおうと、
同期とグループを組み、自主的に公演をしたり、
わかりづらいクラシックを、
他のジャンルにアレンジしたものを演奏してわかりやすくしてみたり。
あらゆることをだいたい一通りしてみました。
ただ、卒業しても自主公演や、様々な場所で演奏し続ける中で、
いざ顔を上げてしっかりと周りを見渡すと、
クラシック音楽が好きな人、
友人、家族、先生、自分の生徒。
・・・あれ、おかしいな。
クラシック音楽を知っている人しかいない。
そもそも、他の公演に参加したり、聴きに行っても、
見渡せば、クラシック音楽が年代的にお好きになられた方や、
音楽を勉強している方、クラシック音楽が好きな方ばかりで、
「クラシック音楽を今日初めて聴く方!」って、
挙手制にしたら、きっと数えるほどで、
しかも、もしそこから、
「今日のプログラムについて、
解説できる方!
作曲家はどのような方ですか?
この曲の時代背景は?そもそもなんでこの曲作ったの??」
という挙手制にしたら?
手を挙げれる人は、2.30人越えるでしょうか?
どれか一つでも、声を大にして、
自信を持って答えられるでしょうか?
音楽の聴く目的は、人それぞれ違うんだし、
そこに無理に詰め込んだら楽しくないし、
音を楽しむと読むんだから、
難しいこと考えず楽しもうよ!!
という考え方ももちろんわかります。
しかしながら、誰しもが通ってきたとされる義務教育で、
皆さんは、実はすでに基礎的な音楽は習っています。
少なくとも、6年以上は音楽を学んでいる中で、このような結果は
もはや学ぶ意味があるのかさえ私は疑問に感じます。
この疑問は、皆さんにもあるのではないでしょうか?
「受験に関係ないのに、 生きていく上で必要ないのに、なんで音楽を学ぶの?」
私の学生時代の印象では、
音楽や美術(図工)の教科書は、他の教科に比べて極めて薄く、
夏の暑い日には、
団扇として活用できるくらいの、
しなり具合の良い感じの厚さ。
教科書の内容は、私は演奏家なのでもちろん音楽は好きですが、
そんな私でも、あんまり興味をそそられないような、
とりあえずこれはこの時期に学んでおくほうが良いかな?
みたいな事務的な内容。
音楽好きな子は真面目に聞いて、
音楽に興味ない子は、テストだけ良い成績とれればいいや!と、寝ていたり聞かなかったり。
それは、私が教育実習に行った際も、
とても感じました。
生徒にも、「これやる意味あるのー?」ってきかれて、即答できず。
もちろん、これは皆さんのせいではなく、国も、誰も悪くない。
世の中での音楽の優先順位がそもそも低い中、
特にクラシックなんて、他の国の音楽ですし、その血が流れていない中での理解はなかなか難しいと思います。
ただ、日本で芸術が、一般の方からは、
敷居が高いけど関心は低く、
私たち演奏家や音楽家からしてみれば
高貴な神聖な音楽を、私たちだって理解するまで必死で学んだことを、
簡単に伝えることがとても難しいことが溝を作り、
クラシック音楽が好きな人と苦手だったり嫌いな人の壁を作りあげているのは確かです。
これを打破するにはどうしたらいいか?
究極に言えば、
私たちが、皆さんにわかりやすく興味を持ってもらえるように伝えていく、
その1択しか方法がないのです。
演奏家の言語力、いわばクラシックのプレゼン能力を上げることがまず必要です。
ただ演奏や解説をするだけではなく、
難しいものでも、言語化して伝えること、できれば面白く伝えること。
良いものは良いと、
必ず人は感じる力を持っております。
それは、敷居を下げる事よりも、
伝える能力を身につけることにより、
クラシック音楽が素晴らしいという事実を、演奏と同等の価値で提供することができます。
音大にも、そんな授業があればいいな、と思うくらい。
そんな中始めたのが、
ミュージックリベラルアーツです。
まだまだ根付いていませんが、
ライブ配信も始め、皆さんとまずは同じ目線で一から勉強していき、
そこからセミナーとして、
音楽を教養として学んでいただくことをテーマに活動しております。
音楽は、人の心や生き方を豊かにします。万人共通の言語でもあります。
心を豊かにすることで、
さまざまなことが潤ってきます。
潤うことで、人は余裕がでてきます。
色々な視野が広がり、沢山のことを吸収できるようになります。
まずは私たちの心を豊かにすること、
それが音楽の力であり、
私たちに欠かせないものという証です。
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