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ピアノ学習者、拍感を身に付ける方法

いわゆるリズム感がいい、というのと、
指定されたテンポで最後まで弾く、というのは、
少し違います。

リズム感というと、2拍や3拍の混じった複合リズムや、
跳ねたリズム、付点の付いた音、などが流れよく
正確に表現できるという意味合いですが、

拍感というと、4分の4と指定されたら、
その決まった速さで弾き切るという意味です。

もちろん、途中でリタルダンドしたり、タメを作って
弾いたりする場合を除きます。


バイエル後半~ブルグミュラー以上になると、
16分や8分の混じった綺麗で豊かなメロディが増えてきますが、

まず、16分だと速く弾く、8分だと遅め、と絵面で思い込むと、
最初に設定したテンポが狂ってしまい、
4拍子なのに途中で3拍子になり、また4拍子に戻る、
という不思議な曲になってしまいます。

もちろん、頭で理解しなくてはいけない音の長さの
理論(足し算)が十分理解できていないか、
わかっていても気づかないか、のどちらかが考えられますが、

問題はこの、わかっていても気づかない、ことなのです。
説明をすると、あ~なるほど!とすぐ納得できるのに、
お手本を聴いても再現できません。

ずっと4拍子なら4拍子の設定が、体の中にできていないと
感じています。


私は例え話にすることが好きなのですが、
シンデレラのお話を読んでいると、
意地悪なお姉さんや魔法使いが出てきて、
舞踏会に行きます。
12時の鐘が鳴り、ガラスの靴を落としてしまいます。

ここは曲でいうサビですね。

主役はシンデレラであり、物語の中で緩急があり、
ストーリーが展開していきます。

が、この拍感が上手く作動しないと、
シンデレラのお話の中に、桃太郎や白雪姫が出てきて、
読んでる方は混乱が生じます。
途中で速さが変わってしまうのは、そういうことだよ、
シンデレラの途中で、鬼ヶ島に行っちゃったら、
違和感を感じるでしょ?

・・・という話を子どもにすると、
「あ~~~なるほど」と納得してくれますが、
よく弾き込んで来ている子どもほど、すぐには
直せません。
最後の手段は、私が弾いたものを動画で何度も見て
一緒に弾けるまで練習をするという手を使いますが。。

これは、作詞でも同じです。
主人公は変化なく、その中で山あり谷ありの
ストーリーが変化していきます。

では、具体的に、どうやったら直せる?の方法ですが、
ピアノ学習者は、ふだんから浴びるように音楽を
聴くのが、最も手っ取り早い方法です。
もちろん、ソルフェージュのリズム練習なども継続しつつ。

今までたくさんの子ども達と接して来ましたが、
ふだんからよく音楽を聴いている子どもは、
拍感での問題は、まず生じません。

今流行りの音楽がダメとは言いませんが、
(私もよく聴くので)
でも、最近の曲は、電子音がたくさん入っていたり、
DTMで作られたものは遊び心が多く、複雑なリズムや
その上に乗っけられた一般受けする歌詞が早口で歌われたり
しているので、聴覚発展途上の子どもには向きません。

まずは、アコースティックなもの。
ピアノでもギターでもいい。
クラシック曲。
古典的なものは譜割りがしっかりしている。
そして、ハーモニーの王様、交響曲を聴かせるのが
ベストチョイスです。
できれば、小学校のうちは、この辺を親が選んで
聴かせてあげてほしいです。



ということで、皆さん、最後に、清塚信也さん好きですか?
私は面白いので大好きです。

私が毎週欠かさず見ているのが、清塚さんがMCを務める
これ↓
NHKのクラシックTVです。
ピアノ演奏を聴くこともできます。


ホントに企画と視点が斬新で、弾き込まれます。

ぜひ、ぜひ、子どもといっしょに見てください。
自分の毎日練習している音楽の、今と、先、に
あるものを、気づいてもらえたり、興味を持って
もらえたら・・と願っています。


ちょっと、話がシンデレラからきよりんに飛びましたが、

ピアノはやはり、根気と集中力。
それが継続に繋がります。

その、継続を支えるものは、興味関心なのです。

それは誰でも同じです。

興味があるから、関心があるから、
それは好奇心に繋がり、継続に繋がります。
小さい頃は、親の強制力を存分に発揮することもできますが、
ソナタまで到達するには、ほぼ10年はかかります。

だから本人が、自発的に継続できるような好奇心を、
幼いころに培っておく必要があると感じています。


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