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音楽話

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投稿のメインです。自分の好きな音楽を勝手気ままに取り上げ、紹介していきます。
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#jazz

(音楽話)135: Jamie Cullum "All I Want For Christmas Is You" (2018)

(音楽話)135: Jamie Cullum "All I Want For Christmas Is You" (2018)

クリスマス特集 #5 「クリスマスは君のもの」
ヒト: Jamie Cullum

日本での知名度はイマイチ、母国・英国ではメジャーなシンガーだけどどう位置づければいいか皆まだわかってないような気がするJamie Cullum。でも私は断言します。

彼はまごうことなき天才であり、ジャンルの枠を軽く超えていろんな方向に光輝く才能の塊です。

1979年英国東部のエセックス州生まれ。多様な民族ルーツ

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(音楽話)132: Ella Fitzgerald “Good Morning Blues” (1960)

(音楽話)132: Ella Fitzgerald “Good Morning Blues” (1960)

クリスマス特集 #2 「クリスマスだからって」
ヒト: Ella Fitzgerald

「First Lady of Song」「Queen of Jazz」「Lady Ella」と呼ばれた、正真正銘・ジャズ・ヴォーカル界の伝説。ふくよかな体躯、マイルドで太い声、豪快なステージング…どれをとっても至宝のシンガーであり、エンタテイナー。Ellaはいくら称賛してもし切れません。
1917年米国ヴァー

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(音楽話)118: Joni Mitchell “Free Man In Paris” (1979)

(音楽話)118: Joni Mitchell “Free Man In Paris” (1979)

【懐かしく素晴らしい思い出】

Joni Mitchell。70年代数多く登場した女性SSWの代表格のひとりであり、ジャンルの枠組みなどお構いなしの多彩な音楽アプローチ、詩情溢れる歌詞、複雑に聴こえるが耳に残るメロディなど、そのオリジナリティはその後多くのシンガー、ミュージシャンに影響を与えています。彼女が居なければその後の音楽は全く違ったものになっていたであろうこと(少なくともジャンルレスなアプ

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(音楽話)110: Samara Joy “Guess Who I Saw Today” (2023)

(音楽話)110: Samara Joy “Guess Who I Saw Today” (2023)

【成熟とは】

「成熟」。年月、経験、反省、思慮、気概などがすべて合わさって生み出される進化、とでも言いましょうか。それに対して類義語「成長」は、これらの要素のどれかが欠けても成立する伸び、という感じかしら。あくまでも私見ですが、「成熟」と「成長」にはかなりの開きがあるように思えます。

例えばJohn Lennon(この投稿のリリース日10/9は彼の誕生日)。
The Beatles当初は"Pl

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(音楽話)89: Peggy Lee “Black Coffee” (1953)

(音楽話)89: Peggy Lee “Black Coffee” (1953)

【前向きなヤサグレ】

Peggy Lee “Black Coffee” (1953)Peggy Lee、本名Norma Deloris Egstrom。70年ものキャリアを誇った大御所シンガー。

1920年米国ノース・ダコタ州ジェームズタウンで、北欧系両親の下に誕生。カリフォルニアで働きながらデビューのチャンスを狙っていた際、当時バンド専属の新しいシンガーを探していたBenny Goodman

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(音楽話)86: Chet Baker “Almost Blue” (1987)

(音楽話)86: Chet Baker “Almost Blue” (1987)

【天才でクズ】

Chet Baker “Almost Blue” (1987)時折、というかしょっちゅう、我々は「天才」を目にします。どんな分野において才能が豊かで突き抜けているかはさておき、そうした「天才」を思う時、その見た目が考慮されない、ということは基本的にあり得ないことだと、私は思っています。

…わかりづらいですか?我々は結局のところ、見てくれを重視している、ということです。

もちろ

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(音楽話)71: Les Paul with Anita O’Day “Is You or Is You Ain’t My Baby” (1994)

(音楽話)71: Les Paul with Anita O’Day “Is You or Is You Ain’t My Baby” (1994)

【チャーミング】

Les Paul with Anita O’Day “Is You or Is You Ain’t My Baby” (1994)

Les PaulとAnita O’Day。かたやギターの神様、エレキギターの名ブランド「Les Paul」生みの親。かたや元祖ハスキーヴォイス、「The Jezebel of Jazz/ジャズ界のイゼベル」と呼ばれたスィング歌姫。この超豪華共演を

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【音楽話】59: Julie London “Evenin’”(1961)

【音楽話】59: Julie London “Evenin’”(1961)

【夜の帳】

Julie London “Evenin’” (1961)

これまでも定期的にジャズのシンガーをご紹介してきましたが、今回はJulie Londonを。

1926年米国カリフォルニア州生まれ。44年に映画女優としてデビューするも、当時の情勢=第二次世界大戦真っ只中。時代的にも作品にもあまり恵まれませんでした。その後結婚ー引退ー出産ー離婚を経て53年に芸能復帰し、今度はシンガーとし

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(音楽話)56: Chick Corea “Livestream Day32 Piano Improvisation Landscape” (2021)

(音楽話)56: Chick Corea “Livestream Day32 Piano Improvisation Landscape” (2021)

【永遠】

Chick Corea “Livestream Day32 Piano Improvisation Landscape” (2021)

2021年2月9日、Chick Coreaが亡くなっていたことが公式にアナウンスされました。79歳。死因は「最近発見されたレアな形をした癌」だそうです。コロナ禍でも精力的に発信していただけに、非常に残念です。

1941年米国チェルシーの生まれ。4歳

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(音楽話)49: Blossom Dearie “I Walk A Little Faster” (1957)

(音楽話)49: Blossom Dearie “I Walk A Little Faster” (1957)

【甘くて、苦くて、切なくて】

Blossom Dearie “I Walk A Little Faster” (1957)

Blossom Dearie。

まだ人生の何も知らなかった、高校時代のある日。私の姉がジャズのコンピレーション・アルバム・シリーズを購入してきました。私は最初あまり興味がなかったのですが、たまたま聴かせてもらった瞬間、ものすごいスピードでジャズが私に落下してきました。ビ

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(音楽話)37: Carmen McRae “Everything Must Change” (1982)

(音楽話)37: Carmen McRae “Everything Must Change” (1982)

【不変な普遍】

Carmen McRae “Everything Must Change” (1982)

2021年も始まり、ここでのジャズ初めをどれにしようかと悩みました。どうせならゴージャスに、でもしっとり、ムーディで穏やかな音と声が聴きたい。というわけで私の大好きなジャズ・シンガーのひとり・Carmen McRae、しかもライヴ、しかも日本での伝説的な野外フェスでの映像を。

Carme

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(音楽話)34: Shirley Horn “Here’s to Life” (1992)

(音楽話)34: Shirley Horn “Here’s to Life” (1992)

【乾杯】

Shirley Horn “Here’s to Life” (1992)

大野えりというベテランのジャズ・シンガーがいます。たまたまYouTubeで見つけた、彼女が「50年ぶりにピアノに挑戦して」弾き語りした”Here’s To Life”の味わい深さに酔いました。

大野えり ”Here’s to Life” (2020)

このオリジナルを探すと、Shirley Hornというジ

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(音楽話)32: Andrea Bocelli and David Foster with Natalie Cole “The Christmas Song” (2009)

(音楽話)32: Andrea Bocelli and David Foster with Natalie Cole “The Christmas Song” (2009)

【だってクリスマスなんだから・その3】

Andrea Bocelli and David Foster with Natalie Cole “The Christmas Song” (2009)

クリスマス。由来や意味合いはさておき、信者であろうがなかろうが、人が人として人に優しくなれる日だと思いたい。少なくともそういう気持ちを持てる時期であってほしい。

クリスマス特集の最後は、日本では案外

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(音楽話)30: Ella Fitzgerald “Frosty the Snowman” (1960)

(音楽話)30: Ella Fitzgerald “Frosty the Snowman” (1960)

【だってクリスマスなんだから・その1】

Ella Fitzgerald “Frosty the Snowman” (1960)

クリスマス。由来や意味合いはさておき、信者であろうがなかろうが、人が人として人に優しくなれる日だと思いたい。少なくともそういう気持ちを持てる時期であってほしい。

実に多くのクリスマス・ソングが存在します。ここから数日はそれらをちょっと取り上げようかと。最初はご存知E

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