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音楽話

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投稿のメインです。自分の好きな音楽を勝手気ままに取り上げ、紹介していきます。
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#blues

Albert King "Blues Power" (1970)

Albert King "Blues Power" (1970)

音楽話141: 問答
現代音楽の源流のひとつ、ブルース

いきなり大層な見出しですが、決して大袈裟ではありません。現代音楽は、ブルースが無ければ今の形になっていません。
音楽は時の流れの中で受け継がれ、発展し、進化してきました。つまりその逆、ロックにせよR&Bにせよ、その源流を遡っていくとその一部はブルースに辿り着くのです。

だから、もしあなたが「アメリカ人、しかも黒人がギターをガンガン弾きなが

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(音楽話)132: Ella Fitzgerald “Good Morning Blues” (1960)

(音楽話)132: Ella Fitzgerald “Good Morning Blues” (1960)

クリスマス特集 #2 「クリスマスだからって」
ヒト: Ella Fitzgerald

「First Lady of Song」「Queen of Jazz」「Lady Ella」と呼ばれた、正真正銘・ジャズ・ヴォーカル界の伝説。ふくよかな体躯、マイルドで太い声、豪快なステージング…どれをとっても至宝のシンガーであり、エンタテイナー。Ellaはいくら称賛してもし切れません。
1917年米国ヴァー

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(音楽話)116: Rickie Lee Jones “Living It Up” (1995)

(音楽話)116: Rickie Lee Jones “Living It Up” (1995)

【無垢の終焉】

既に紹介していたと思っていました、Rickie Lee Jones。コケティッシュな歌声、シンプルでアコースティック、カントリーやジャズの匂いも感じるサウンド、細かな描写と心象を重ねた表現…彼女しか出せない世界観は、もしかすると好き嫌いが分かれるかもしれません。しかし非常に美しい楽曲を多くリリースしてきたSSWであり、素晴らしいシンガーでもあります。

1959年米国シカゴ生まれ

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(音楽話)111: Elvis Costello and The Roots “I Want You” (2023)

(音楽話)111: Elvis Costello and The Roots “I Want You” (2023)

【欲望の塊】

日本語だろうが外国語だろうが結局のところ、人の出逢い・別離を表す言葉はシンプルであればあるほど、伝わる熱量・質量・意味合いは強烈です。

愛してる、さようなら、大好き、大嫌い、恋してる、別れましょう…前後の文脈によって如何様にも受け取ることができますが、それら自体はとても強い言葉です。そして、それら強烈な言葉自体を使わずにいかにそのものを表現するか。聴く者に「うまいこと言うなぁ」「

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(音楽話)92: Mad Dogs and Englishmen “Honky Tonk Woman” (1970)

(音楽話)92: Mad Dogs and Englishmen “Honky Tonk Woman” (1970)

【ズルい】

Mad Dogs and Englishmen “Honky Tonk Woman” (1970)
(Joe Cocker)

英国は、定期的にソウルフルなシンガーってのが世に出てきます。古くはTom JonesやSteve Marriott、Steve Winwood、Rod Stewart…比較的最近ではLeona Lewis、Amy Winehouse…Adeleもソウルフルと

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(音楽話)85: Joanna Connor Band “Walkin’ Blues” (2014)

(音楽話)85: Joanna Connor Band “Walkin’ Blues” (2014)

【心の器】

Joanna Connor Band “Walkin’ Blues” (2014)注意: ブルースと聞いて退屈だと思われる方、この曲聴かない方がいいかも、6分近いブルースなのでm(_ _)m 但し聴くとニヤつくこと間違いなしですよぉ…

皆さんに大事なことをお伺いします。
皆さんの生活にブルースはありますか?人生は人それぞれだけど、嘆きたくなる時、ポジティヴなことを一切考えずに今はた

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(音楽話)65: Buddy Guy “Ten Years Ago” (1974)

(音楽話)65: Buddy Guy “Ten Years Ago” (1974)

【恍惚】

Buddy Guy “Ten Years Ago” (1974)

注意: ブルースと聞いて退屈だと思われる方、この曲聴かない方がいいです、9分近い濃厚なブルースなのでm(_ _)m 但し聴くと気持ち良いですよぉ…

ブルースの巨人のひとりであり、米国シカゴ・ブルースの代表格、Buddy Guy。実は彼の生まれはシカゴではなくルイジアナ州生まれ(1936)。若くしてシカゴに移り58年に

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(音楽話)46: David Gilmour & Mica Paris “I Put a Spell on You” (1992?)

(音楽話)46: David Gilmour & Mica Paris “I Put a Spell on You” (1992?)

【呪文】

David Gilmour & Mica Paris “I Put a Spell on You” (1992?)

たまにはブルースを。”I Put a Spell on You”は聴いたことある方、多いと思います。オリジナルはScreamin’ Jay Hawkins(超変人)が1956年に発表した、ワルツ的リズムで禍々しい雰囲気の変な曲でした。その後様々なカヴァーが生まれ、いつし

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(音楽話)26: Dr. John “Locked Down” (2012)

(音楽話)26: Dr. John “Locked Down” (2012)

【クセ者】

Dr. John “Locked Down” (2012)

Dr. Johnは1941年、米国ルイジアナ州ニューオリンズ生まれ。元々はギタリストでしたが、61年にイザコザに巻き込まれ、友人を庇って左手を銃で撃たれ薬指が不自由になりその道を断念。キーボディストの道を歩み始めます。
ニューオリンズに伝わる伝統音楽に光を当てた「Dr. John’s Gumbo」(1972)、ダミ声な彼な

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(音楽話)17: Bonnie Raitt & John Prine “Angel From Montgomery” (2019)

(音楽話)17: Bonnie Raitt & John Prine “Angel From Montgomery” (2019)

【豊枯】

Bonnie Raitt & John Prine “Angel From Montgomery” (2019)

温かい黄昏ーーーこの映像を観た時の印象です。
日本では知名度イマイチですが、Bonnie Raitt、John Prine共に米国では大御所、レジェンドです。残念ながらJohnは今年4月に逝去。全米中のメディアが彼を特集し、その死を悼みました。

Bonnie Raitt

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