この記事は、本『演奏不安・ジストニアよ、さようなら 音楽家のための神経学』の補足、深堀りです。 今回は、演奏不安でのリラックス法の補足、書き漏らしたことの追記です。 リラックス法、補足演奏不安、予期不安(また、前と同じ失敗やパニック発作をしそうで怖くなる)、不安障害など、恐怖を感じているときは、脳で扁桃体という部位が、警報を鳴らしています。 非常に怖かったこと、痛かったこと、ショックだったことなど、過去の出来事のせいで、今の状況を危険と判断し警報を鳴らします。多くは記憶に
この記事は本『演奏不安・ジストニアよ、さようなら 音楽家のための神経学』の補足、深堀りです。 ・リハビリ、手術については『主な治療法とその利点欠点』 ・他『ジストニア改善に用いられる身体技法や療法』 精神的負担を減らそうメンタルが悪化 フォーカルジストニアの治療は、本人の精神的負担をできるだけ大きくしないことが大切です。 音楽家がジストニアになると、演奏部位をコントロールできず大きなショックを受けます。自分の動きや演奏に失望し、音楽家としてのプライドが傷つきます。満足に
この記事は『演奏不安・ジストニアよ、さようなら 音楽家のための神経学』の補足、深堀りです。 この回は、「音楽家のジストニアの治療法」から、身体技法と民間療法を分けたもので、おすすめ本を追記しています。 ジストニア改善のための身体技法身体技法をやるといい理由 身体技法を取り入れることは、ジストニアの改善に役立ちます。 理由を、わかりやすくするために2つに分けて説明します。 1つ目は、体がリラックスすることで、精神的にリラックスする効果があります。 ジストニアであるという
この記事は『演奏不安・ジストニアよ、さようなら 音楽家のための神経学』の補足、深堀りです。 フォーカルジストニアの改善ジストニアは不治の病なのか? 音楽家のフォーカルジストニアは、よくならない病気、音楽家人生を奪ってしまう病と言われてきました。これまで多くの演奏者が、練習不足と考えて練習量を増やしたり、動きを矯正しようとムキになって取り組んだりして、症状を悪化させてきました。演奏を諦めたり、日常生活で不自由になった方もいます。 しかし、音楽家のジストニアは、全身や躯幹に
この記事は『演奏不安・ジストニアよ、さようなら 音楽家のための神経学』の補足、深堀りです。 手術していない症例順不同。個人的に印象的な部分を抜粋しています。 鍵盤、リハビリ症例 ・動画「ジストニア改善経験者達の演奏」 トルーシュ亜紀子さんなど、11名のピアニストと、琴奏者の脇坂明日香さんが参加された動画。発症から、療法、練習方法、経過まで、様々な体験談が演奏とともに紹介されています。脳神経内科、青嶋陽平医師による編纂。 管楽器 フロート、尾崎勇太さん(左手、右手、口
この記事は『演奏不安・ジストニアよ、さようなら 音楽家のための神経学』の補足、深堀りです。 本は神経系全般についてのため、ジストニアの症例がありません。 こちらに記載します。 ローベルト・シューマン(1810〜1856年)シューマンが16歳のとき、姉が心の病で自殺をしてしまい、父もその年に亡くなり、彼は鬱状態に陥ります。 右手を故障、ピアノを断念 シューマンの手の障害に関しては、1978年、British medical journal4月8日号に「Shumann’s
この記事は『演奏不安・ジストニアよ、さようなら 音楽家のための神経学』の補足、深堀りです。 この回は、フォーカルジストニアの主な治療法についてです。 「身体技法や療法について」は、別ページに分けてあります。 よくやられている方法リハビリ(動きの訓練、トレーニング) 奏法の改善。自分で取り組むケースや、指導している人から受ける人も多い。 手指の感覚と運動を再学習するリハビリ法(Sensory motor returning=SMR法など)、整形外科医の酒井直隆医師が考案した
この記事は拙著『演奏不安・ジストニアよ、さようなら 音楽家のための神経学』の補足、深堀りです。 ※ジストニアの治療法については次回に挙げています。 この回は、"ジストニアかもしれない方”向けです。 同じ動きを繰り返さない思うように弾けないとき、無意識のうちに力んだ動きをしてしまいます。 自分ではわかりませんが、動きにくい状態です。 力んだ動きを繰り返すことで、その動きを身に付けてしまいます。 ある動きがきっかけとなって、特定の筋の反応を誘発するようになる。 こうして、脳
この記事は拙著『演奏不安・ジストニアよ、さようなら 音楽家のための神経学』の補足、深堀りです。 前回の「ジストニアとイップスの共通点」からの続きです。 ジストニアやイップスと、メンタルの関係は?ジストニアやイップスになると 音楽家がジストニアに、スポーツ選手がイップスになると、自分の大事な部位を思うように動かせないことにショックを受けます。その道を懸命に歩んできたのに満足にプレイできず、アイデンティティが傷つき大きくダメージを受けます。 その上、ジストニア、イップスとい
この記事は拙著『演奏不安・ジストニアよ、さようなら 音楽家のための神経学』の補足、深堀りです。 フォーカルジストニアの診断が難しいわけ見た目で判断される 局所性ジストニアの診断は、臨床的に判断されます。見た目で判断されるということです。 例えば、感染症の場合、ウイルスや細菌がいるのかを抗原抗体反応をして陽性か陰性かで診断します。腱鞘炎の場合、動かしたり押さえたりすると、痛みがあったりカクンとなったりします。 しかし、音楽家の局所性ジストニアの場合、何か検査をしたらはっきり
この記事は拙著『演奏不安・ジストニアよ、さようなら 音楽家のための神経学』の補足、深堀りです。 スポーツのイップススティーブ・ブラス病、ぬけぬけ病 「イップス」という言葉は、プロゴルファーがパターを以前のように打てなくなった症状を、yipsと呼んだところから始まりました。 他のスポーツにおいても、慣れているはずの動作をコントロールできなくなること、運動障害をイップスと呼ぶようになりました。 野球では、極度の制球困難になることを「スティーブ・ブラス病」、陸上選手が走れなく
この記事は拙著『演奏不安・ジストニアよ、さようなら 音楽家のための神経学』の補足、深堀りです。 フォーカルジストニアという言葉フォーカル focal は、局所や焦点という意味で、広い範囲でなく限局したところに表れるという意味です。 ジストニアのジス dis は、良くないという意味の接頭語で、主に動きが悪いことを表します。 キネシアkinesia は、動きという意味で、運動障害を意味します。 似た疾病として、舞踏病、ジスキネジア、筋ジストロフィー などがあります。胆道ジスキ
『演奏不安・ジストニアよ、さようなら 音楽家のための神経学』の2章、神経学は、医学的な専門用語が並んで読みづらい、わかりづらいと思います。 音楽家が、体のしくみを理解するために、脳や神経について書いたため、医療系の人が学ぶような内容は省いています。 ちょっと省きすぎました。 なので、理解しやすくなるためのコツ、オススメの動画、脳の全体像をあげておきます。 わかりやすい言葉に置き換える難しい単語を自分がわかりやすい言葉に置き換えると読みやすく、理解しやすくなります。 「情
音楽家の体調不良 『演奏不安・ジストニアよ、さようなら:音楽家のための神経学』の本は、あがりやジストニアだけじゃなく他にもこんな症状の方にお勧めです。 ・気圧や気候の変化に弱い気象病 ・頻回な下痢、潰瘍性大腸炎、拒食症・摂食障害 ・原因不明のめまい ・繰り返す偏頭痛、緊張性頭痛 ・息が続かない、すぐ声が嗄れる ・喘息、過換気症候群、パニック発作 ・肩こりがひどい、背中が張って痛い ・疲れやすい、よく眠れない など これらは原因がわからず自律神経失調症と呼ばれることもあり、
嬉しいよりも、心配3月27日(日)ザギンへ。 日比谷線の銀座駅降りたら「銀恋」が、間違って回転数を速くしたような超アップテンポで流れて、足スベりそうでした。 あまり聞かない、懐かしい曲です。懐メロ、駅メロ。 ヤマハ銀座店に自分の本『演奏不安、ジストニアよ、さようなら;音楽家のための神経学』を買いに行ったのでした。 オサレなとこで、緊張しますな。 まず2階のカフェへ。満席でしたが、運良く席が空いてゆったり座れました。 実演できるグランドピアノ、アコベ、ドラム越しにモニター
2月の半ば、用があって御茶ノ水にある出版社を訪れました。 春秋社は、宗教・哲学・思想・心理・音楽の各部門の専門書。 譜面はジャジャジャジャーン♪ ハクション大魔王ではない。 ベートーヴェンです。クラッシックを取り扱っていらっしゃいます。 100年以上の歴史ある格式高い出版社です。 執筆者は、研究者や教授、海外で活躍歴のある音楽家ばかり。 私は「はじめに」「あとがき」を、普段どおりに書いたので、あんなに高尚でない文章を書くのは、私ぐらいじゃないかと思います。 春秋社の音楽