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バッハを聴く パオロ・パンドルフォ

巨匠サヴァールの薫陶を受け、ルネサンスからジャズまで縦横無尽に演奏する世界の名匠パオロ・パンドルフォ。
2020年の来日予定がコロナで延期になり、ようやく先日、およそ20年ぶりの来日。
そんな鬼才パンドルフォの無伴奏ヴィオラ・ダ・ガンバによるバッハリサイタルに行ってきました。

パオロ・パンドルフォってどんな人?

パオロ・パンドルフォは、1964年1月31日生まれの イタリアのヴィオラ・ダ・ガンバの名手演奏家、作曲家、音楽教師です。
コントラバスとギターの勉強をし、1970年代半ばから後半にかけて、ローマ音楽院でヴィオラ・ダ・ガンバを学びます。1979年に古楽アンサンブル「ラ・ストラヴァガンツァ」を共同設立し、ルネサンスおよびバロック音楽の研究を始めます。 1981年にスイスのバーゼルに移り、音楽大学スコラ・カントルム・バジリエンシスでジョルディ・サヴァールに師事。1982年から1990年まで、パンドルフォはジョルディ・サヴァールの古楽グループ「エスペリオンXX」のメンバーとして世界中を一緒に演奏しました。

パンドルフォは 1989年以来、サヴァールの後を継ぎ、音楽大学スコラ・カントルム・バジリエンシスのヴィオラ・ダ・ガンバ教授を務めています。一方、世界中で演奏活動も行っています。

真夏の夜のバッハ《無伴奏チェロ組曲・全6曲》

《無伴奏チェロ組曲》の自筆譜は見つかっていません。妻アンナ・マグダレーナの写譜が伝えられ、チェロ用の練習曲として見なされてきましたが、20世紀最大の巨匠パブロ・カザルスの演奏により、世界中で演奏されるようになりました。

パンドルフォは、この組曲はチェロ用に書かれたが、ヴィオラ・ダ・ガンバのポリフォニックなスタイルで考案されたと説明しています。さらに、舞踏組曲はヴィオラ・ダ・ガンバ音楽の一般的な形式であり、バッハの組曲をガンバで演奏することは、ヴィオラ・ダ・ガンバの伝統を取り戻す方法だとも述べています。

第6番 ニ長調 BWV1012

プログラム最後の曲は、全6曲の中で最も長く約35分。
活気あふれるプレリュード、ロマンティックなアルマンド、軽快なクーラント、優しく光る星空のようなサラバンド、軽快なメロディのガボット、そして明るい快活なジーグへと緩急の曲が交互に組み合わされています。プレリュードは誰もが知っている素敵な曲ですが、私はジーグがとても好きです。明るい前向きな気持ちにさせてくれる、元気になる曲ですね。

そして、バッハの曲ってこんなにダンサンブルな音楽なんだ!とあらためて思いました。
今回は2階の正面から聴いてみましたが、肩の動き、指の動き、全てがダンスに連動していて、パンドルフォの演奏自体がとてもダンサンブルなのです。観ている私たちもバッハの舞曲にすっかりのっていました。

1日で全曲演奏、あっという間の3時間。すごい集中力です。
最初のチューニングから素敵でした。そして、ギターのようなテクニック、自由自在な装飾音もあり、彼の編曲により、ヴィオラ・ダ・ガンバの魅力が満載。

「ヴィオラ・ダ・ガンバのパガニーニ」と呼ばれているそうです。

500人のホールは満席!CD完売!サイン会は長蛇の列。
真夏の夜はバッハ愛に溢れていました。

プログラム

J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲
(P.パンドルフォ編曲ヴィオラ・ダ・ガンバ版)
第1番 ト長調 BWV1007
第5番 ハ短調 BWV1011
第3番 ハ長調 BWV1009

—休憩(約30分)—

第4番 変ホ長調 BWV1010
第2番 ニ短調 BWV1008
第6番 ニ長調 BWV1012




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