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バロックフルート 装飾を考える

バロック音楽では、アダージョなどのゆっくりとしたテンポの楽章は音譜のままを弾くのではなく、自由に装飾をつけて演奏します。但し一定のルールはあります。

●フランス風装飾  
前打音やトリルやモルデントなど、一つの音に付けられた記号にしたがって装飾をつけます。

●イタリア風装飾
音譜を細かく分割する装飾を付けます。分割する形は任意ですが、低音のバスに基づく和音の中で、自由にメロディーを作ります。ただし、元の音型がわからなくなるほど作曲をしてしまうことはしてはいけません。

●フランス風装飾×イタリア風装飾
フランス風、イタリア風の両方を使って装飾をします。こちらは前田りり子先生の『クヴァンツのフルート奏法を読む』というオンライン講座でちょうど勉強中です。クヴァンツの本には色々な装飾の例が取り上げられており、使えそうだと思うものを利用できるようになっています。

さて、今回はG. F. ヘンデル:フルート・ソナタ ト長調 HWV 363b op.1 Adagioで実際に装飾を考えてみることとなりました。
やり方としては楽譜をコピーして1段ごとに五線譜に貼り付けます。何も書かれていない下段の五線譜に、自分で作った装飾を書き込むというのが宿題😱

そうはいってもすぐにはできないですよね〜。低音のバスに基づく和音の中で自由にメロディーを作ると言われても、アイディアが湧かない….。
そこで、youtubeでバロックフルートでこの曲を演奏している4人の方の演奏をピックアックし、その中でも気に入った部分を取り入れてみることにしました。ちなみにモダンフルートの方の演奏は、トリル以外ほとんど装飾をつけていないので、参考になりません😢

全く同じ装飾を吹いても、自分には吹きづらい部分があるので、そこからまた吹きやすいように装飾し直します。フルートの王様エマニュエル・パユがマスタークラスで、音大の学生さんに「僕の装飾を真似してもダメだよ、フフフ笑」って言っていた意味がよくわかります。そもそも彼の装飾は凄すぎて吹けないですが😅

最後のところの9小節。2段目がアレンジした部分。最後はちょっと劇的にかっこよく終わりたかったのですが、拍数がわからなくなって先生に書いてもらいました😆


先生に楽譜を見ていただいて、装飾入れすぎだからとるとか、もう少しここは入れた方がいいとか、修正を加えて出来上がりました!何度かやってみると、新しいアイディアが出るから、また別の日もチャレンジするようにと。楽譜を書くことは久々で難しい作業でした。楽譜というのは、読めても書けなかったりしますね😓

ということで、1月にはチェンバロと合わせてバロック・フルートを演奏する機会があるので、それまでに全楽章をチャレンジです!
次回は、アレグロでタンギングの勉強です。


ここまでお読みいただきありがとうございました。

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