バッハを聴く カンタータ第63番《キリストを信ずる者らよ、この日を刻み込め》より
今年最後のコンサート。鈴木雅明氏のオルガンによるJ.S.バッハのクリスマスコンサートを聴きに、神奈川県民ホールに行ってきました。
今回はバッハ・コレギウム・ジャパンでお馴染みの松井亜希(ソプラノ)さんと加来徹(バリトン)さん、そしてこの神奈川県民ホールのオルガンアドバイザーでもある中田恵子さんがゲストに加わって行われました。
カンタータ第63番《キリストを信ずる者らよ、この日を刻み込め》より
第3曲 二重唱 BWV63/3
バッハがワイマールの宮廷楽師長に任命された1714年のクリスマスに、ワイマールの宮廷礼拝堂で初演されたカンタータ第63番です。
今回の出演は、お二人の歌手ということですが、
ソプラノとバスのデュエットは、「魂」と「イエス」の対話という趣向になっていて、二重唱として、バッハのカンタータの中にはよくある楽章なのだそうです。
そこで、オルガンも鈴木氏と中田さんで二重奏で演奏され、二重唱×二重奏の組み合わせでカンタータを演奏されました。オルガンを二人で演奏するのはなかなかないのですが、音が2倍に重なり深みが増すので、迫力もとてもありました。
第3曲アリアは、オーボエのオブリガートの厳粛で真摯な旋律で、二重唱は救い主イエスの誕生という神の恵の業により、永遠の喜びが我らにもたらされたことへの深い感謝と神への信頼を歌います。
神よ、あなたは良く計らってくださいました。
今、私たちに起こっていることを。
だから常に神を信頼し、
その恵みの上に家を建てようではないか。
神は、私たちに贈って下さったのだから、
私たちを永遠に喜ばせるものを。
第一曲、第七曲もクリスマスらしい祝典的なムードです。
<出演者>
鈴木雅明(オルガン)
松井亜希(ソプラノ)
加未徹(パリトン)
ゲスト:中田恵子(オルガン)
<プログラム>
J.S. バッハ
幻想曲ト長調 BWV572 (org)
パストラーレへ長調 BWV590 (org)
カンタータ 第36番く嬉々として舞い上がれ、星々の高みまで)より
第7曲 アリア「くぐもった、か細き声にても」BWV36/7 (S/org)《クリスマス・オラトリオ》第1部より
第7曲 コラールとレチタティーヴォ「彼は貧しき姿で」BWV248/7(S/B/org)
第8曲 アリア「大いなる主、おお強き玉よ」BWV248/8(B/org)
第9曲 コラール「ああ、心より愛しまつるイエスよ」BWV248/9(S/B/org)《18のライプツィヒ・コラール集》より
「いざ来ませ、異邦人の救い」 BWV659、BWV660、BWV661 (org)カンタータ 第63番《キリストを言ずる者らよ、この日を刻み込め》より
第3曲二重唱「神よ、あなたはことをよく計らわれました」 BWV63/3(S/B/org)《クリスマス・オラトリオ》第3部より
第29曲 二重唱「主よ、あなたの憐れみは」BWV248/29(S/B/org)《18のライプツィヒ・コラール集》より
「いと高きところには神にのみ栄光あれ」BWV662 (org)トッカータとフーガ へ長調 BWV540 (org)
昨年はバッハ・コレギウム・ジャパンのクリスマスオラトリオを聴きましたが、今年はオルガンでバッハのクリスマスを楽しませていただきました。
山下公園に面したこのホールは設立50周年。残念ながら来年2025年3月31日で閉館します。このオルガンもこれで見納めとなりました。まだこのホールがどのようになるかの発表はありませんが、また音楽ホールとして復活されることを願っています。
追伸:以前、記事を書きました、シュトーレンの包装紙のデザインについて
余談ですが、アートディレクションを担当させていただいている洋菓子メーカーのシュトーレンが、12月に入り販売開始となりました。
今回は、包装紙とインサート用に、「うさぎ」とクリスマスらしいモチーフを組み合わせたデザインを制作させていただきました。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
過去の記事は各マガジンからもご覧いただけます。
楽しんでいただけたら幸いです。
スキ&フォローをしていただけたら大変励みになります。