運命はあるのか、ないのか。数秘の話。
数秘のことを書きたいなと思いつつ、どこから書きはじめようかと考えてるうちに時間が過ぎてしまうので、思いついたことから書いていこうと思う。
占いの話をするにあたって、「運命」とか「使命」とかそういう話になることもあるし、よくあるスピリチュアルなものの本で「お役目が」みたいなことを見かけることもある。なので、「運命」「使命」などについてどう考えてるのか、ここでちょっと整理しておきたいと思う。
そもそも、運命は決まってるのか決まってないのか、ということから。私は決まった運命というものは存在しないという考え方をしてる。これは「運がいい・悪い」とかの話とはまた別の話で、「起こることはすべて決まっていること」というのはおかしいと思う、という意味。何もかも決められたベルトコンベアみたいな世界ではない、ということ。
だっておかしいじゃないか。決められた運命が存在して、それをひたすら消化するということは、映画館で映画をただ見続けることと何が違うというんだろう。それって実感を伴って生きている意味はあるんだろうか?決められた役割をこなし、決められた場所で決められた台詞を言うために存在するってどういうことなんだ?となるじゃないか。そんなの実在し生きていることの意味がないじゃないか、というと大袈裟な言い方になるけど。
自分で選びとれる、ということが人生の一番のおもしろさなんだということを忘れてしまうと、生きることは苦しいことになる気がする。
運命は決まっていないし、決められた宿命も存在しない。そういうスタンスで占いを考えると、じゃあ何を見ているのだろうか。
私は、数秘は本人がどのようなことを経験したいのか、その基礎情報を読み解くツールだと考えている。
占いの中でも、例えば四柱推命は社会的な顔や役割、社会の中でどのように生きていくかという情報が多く含まれているように思う。だから、社会の中で自分がどのように生きていくかということを考えるとき、四柱推命はとてもわかりやすい。
数秘はどちらかというと本質的な、その人の魂の計画とか、本来の自分自身が何を体験するために生まれることを選んだのか。という情報が含まれてるように思う。どちらも個人を深くみるものではあるんだけど、性質とか読み解き方のアプローチが違うなと感じる。
魂がどのようなことを望み、体験したいのかというのが前提にあって、現在どのような性質を選んで生まれてきているのか、ということが読み解けるツールだと思う。
大事なことは、その上で、生き方や何を大事にするのかというのは自由選択なんだということ。運命など存在しない、すなわち決められたルートというのは存在しない。だけど、自分がどこに向かっていきたいのかという本人の希望は存在している、という感じ。
だから、数秘の読み解きにも私は旅の例え話をよくする。例えばその人は、東京から沖縄に行くという計画を持ってたとする。その際のルートや交通手段は自由に選べるので、新幹線でもいいし、飛行機でもいいし、船でもいいし、徒歩でもいい。行き方は自由だ。仮に行かないでずっと東京に居たとしても、それも自由、ということでもある。ただし、きっと自分の本望としては沖縄に行きたいので、東京に留まり続けることや、逆方向の北海道を目指すことは、自分の進みたい方向ではないので生きづらいのではないか、という程度。でも行きづらい生き方を選ぶことはダメなことではない。ただ、自分で忘れてしまってるだけで、本当は沖縄に向かいたいと知ってるから、無理して北海道を目指すことは本人にとってもしんどいことだし、当然過酷な旅になる。だって本当は沖縄に行きたいんだから。だから、数秘を読み解くことでなにが出来るかというと、「あなたは沖縄に行きたいんじゃないですか?」というのを再確認することなのかなと思う。本人としては北海道に行くべき理由がある、と思い込んでたりするので(親から沖縄は怖いから北海道にしろと言われたとかね)、「本当は沖縄に行きたかったのでは?」という話になる。
いちばん大事なことは、自分の旅に必要なものは、きちんと持って生まれてきているということ。沖縄に必要な装備は持っている。沖縄で泳げる身体や、泳ぎの能力は持ってる。だけど、北海道に行くには寒すぎる、スキーも出来ないし雪山に行く靴もない。というのが「悩み」とか「困難」として表面化していることが多い。そこで、「いやいや、そもそもあなたの装備は沖縄向けですよ」「北海道に行かなくていいんじゃないですか?」というのを改めて確認する場になるのではないかと思う。
数字としては同じように見える「1」でも、旅の行き先や目的は人それぞれ違う。その違いを読み解くことが、鑑定のおもしろさであり、好奇心をそそられるところだと思ってる。
そうやって、オリジナルな「自分」というものの存在を、数字を通して再確認することが出来たらいいんじゃないかと思う。
人はみんな違う旅をしてる。生まれた場所も、旅先も、旅の目的もすべて違う。そのすべてが異なる人たちが同時にここに存在してる。だから、自分の旅の行き先や旅の目的を思い出すだけで、きっとみんな自由に旅が出来る。そして、「あの人はおかしい」とか「みんなこうしてるから」とかそういう変な同調をする必要もなく、逆に「私の旅が正しいんだ」と主張する必要もなく、それぞれが望んだ旅を楽しむ世界であればいいなと思う。
ここでこうして数秘の話を書いていると、また個人鑑定をしたいなーと思う。あなたの世界はどんな世界?どんな旅をするの?それを垣間見させてもらってる気がする。こんな言い方は変かもしれないけど、数字を通して見る世界は美しくておもしろいと思う。自分の中で回路が繋がっていく感じがしておもしろい。この瞬間に「生きてるな」と感じる。ギャハギャハ楽しいとかではないし、地味だけど、とても大きな喜びの瞬間なんだと思う。
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