腸粉のすゝめ
世の中には二種類の人間がいます。腸粉が好きな人と、腸粉をまだ知らない人です。
この前人生で初めて香港へ行き、そこで出会ってからというものの、腸粉が大好きです。日本ではあまりメジャーじゃないのが信じられない!
感動し過ぎて現地でレシピ本買ったし、家で作ったし、日本で食べれる店も常に探してます。この記事は、せっかくなので、腸粉について溜まったこの歴史を記録しておくことにしたもので、半分紹介、半分備忘録です。
腸粉?
名前をぱっと聞いただけでは、なんだかホルモンみたいな難易度高めの料理を想像する方も多そうですが、全く癖のある料理ではありません。
腸粉は、広東料理の点心の一つで、米粉などで作られたもちもちの薄い生地を巻いたものです。
名前は見た目だけなんですね。生地自体には味はあまりついていなくて、いわゆるクレープやライスペーパーのような感じで、中にエビや豚肉などを巻いて、上からタレをかけて食べるのが飲茶などでよく見かけるスタイルです。
私は確かネットで名前が挙げられてて美味しいよ!というのだけ聞いたことがあって、前から食べてみたかったのですが、ついに香港旅行で食べる時が来まして、ついて初めて行ったここのレストランで注文して一口食べたときから、世界が変わりました。もし私史を書くなら、腸粉を知る前と知った後で年号が変わるレベル。写真を貼ろうと思って探してたら、美味しすぎて撮らずに食べ終わってました。
もうとにかく美味しいんです!!生地の説明が難しいんですが、同じコメでもライスペーパーとはまた違った感じなんですよね。飲茶に行ったことがある方なら(だったら腸粉知ってそうですが)蝦餃(ハーガオ)の生地のような、ライスペーパーと、ワンタンの皮の、中間みたいな感じ….もちもち、むちむちしてて、食べ応えがあって、トュルンとしてて…
私の好きなスタイル
上に挙げた、中に具を巻いてタレをかけて食べるスタイルが私が行った飲茶では多くみられたのですが、他にもいろいろなスタイルがあるんですね。
中でも私は、あるレストランで出会ったスタイルに心を盗まれました。
それは、炒め物スタイル!
こちらがLung King heenで出てきまして。(https://www.fourseasons.com/zh_hant/hongkong/dining/menus/lung-king-heen-main/)
こちらのメニュー名はX.O.醬腸粉で、メニューしかなかったので上で書いた腸粉かな?と思って頼んだらまさかのスタイルで初めは驚いたのですが、食べて一口、またしても天変地異が起きました。もうホントおいしくて。これはどちらかというと、タイ料理のパッタイみたいな雰囲気で、パッタイも麺がもちもちしているのと、炒めてあるので結構近い美味しさなんじゃないかなと思います。ただ、もちもちの満足度が半端じゃなくて、無限に食べられます!!!
このメニュー、レストランのおしゃれオリジナルメニューかと思ったら全然そんなことはなく、翌日朝ご飯に入った店でも売っており、こんなに美味いものがそこらへんで食べれるのかとめまいがしました。
これは↓で食べた全く同じ名前のものです。レストランのと比較すると、あちらのほうがおそらくXO醬由来の干しエビのような海鮮乾物がもっとガッツリ入っていて、味が濃厚だったかな?こちらは毎日食べられる、日本でいうデイリー野菜炒めみたいな気楽さがある味でした。
家で食べたい
こんなに美味しいものを知ってしまったら、もう元には戻れません。これは家で作るしかない!蝦餃の生地もそうなのですが、広東料理のもちもち系の生地ってスーパーで売ってないんですよね。多分すぐ乾燥しちゃうから、そういう形態で売れないんだと思います。だから家で食べたかったら生地から作るしかない。調べてみると、ライスペーパーで作っている記事もありますが、それはそれで美味しいと思うんだけどやっぱ違うんです!!!
旅行中隙あらば本屋などに顔を出し、ようやくこの本を見つけました。
Hong Kong Local: Cult Recipes From the Streets that Make the City https://www.smithstreetbooks.com/catalogue/hong-kong-local/
ちなみに見つけたのは、G.O.D.です。地元の本屋だと英語の本はあまりなかった!ここはお土産屋さんなので、他にも写真集とかもあり、オリジナルの香港グッズが質も高くめちゃくちゃ可愛いのでとってもおすすめ!
https://god.com.hk/
この本と、下記のサイト
(腸粉の生地はここ↓)
(ソースはここ↓)
を参考に、
作ってみました!
結構再現度高めにできてとっても嬉しかったです。上記のサイトのほぼ和訳ですが、レシピと作り方を下記に記載します。蒸し器がなくても作れますよ!もし作りたい奇特な方(同志)がいらしたら、参考にどうぞ!
腸粉のX.O.醬炒めのレシピ
約二人前です!
✳︎生地
•米粉 120g
私は、台湾の料理教室で大根餅を作るときに買った、在来米粉が残っていたので、それを使用しました。日本の米粉を使うと、またちょっと違うテクスチャになる可能性がありますね。
•タピオカスターチ 10g
もちもちタピオカのイメージがありますが、粉末にしてお菓子や生地にも使えるんですね!ちなみに揚げ物の衣に使うとサクサクにできますよ。
•浮き粉 10g
聞き馴染みのない粉ですが、こちらも富岡商店に売ってます。蝦餃の生地にも使うやつです。
•水 500ml
•サラダ油 大1
✳︎ソース
•X.O.醬 大2
マンダリンオリエンタルホテルのオリジナルXO醬が超おすすめです。
•オイスターソース 大1
せっかくなのでちょっといいやつ使っちゃいましょう。
•生抽 大1
•老抽 小1
この二つは、amazonで素敵なセットが売ってます!香港料理には欠かせない調味料です。
•胡麻油 小1
可能なら黒胡麻油の方が香りがいいかな。
•炒め油 適量
✳︎その他
•ニラ 好きなだけ
•卵 二個
•もやし 一パック
作り方——
生地の蒸したりするやり方は、一つ目のリンクにある動画がめちゃくちゃわかりやすいです。
1.ボウルに生地の材料を入れて、よく混ぜる。
2.フライパンの上に、適当な耐熱皿を置き、さらにその上に、サラダ油をキッチンペーパーなどで薄く敷いた金属バットを置く。火をつけ、沸騰するまで熱する。何回も油は塗ることになるのでたこ焼き用のハケとかがあると便利かもしれないです。あとはヘラにキッチンペーパーを巻いて輪ゴムで止めるとかもありかも。
3.湯気に気をつけながら、バットの上に、生地を薄く注ぐ。
4.布ふきんをフタに巻いて(水滴が垂れるのを防止するため)フライパンに蓋をし、2分ほど蒸す。
5.蓋を開け、金属バットを取り出して、氷や冷たい水の上にバットを置き、容器を冷やす。(私はシンクにもう一段階大きな金属バットを置いて、そこに水を流して置いてました)
6.手で持てるくらいになったら、ヘラで生地をはがして丸める。ゴムベラがおすすめです。
7.この工程を繰り返し、すべての生地を作る。お湯が干上がるのが危険なので、都度水を足しつつ。生地ができたら、5cm幅くらいにカットする。
8.ソースの材料を混ぜておく。ニラは5cmくらいに切り、卵は混ぜておき、もやしは洗っておく。
9.フライパンに油を敷き、腸粉を軽く温める。ここで焼くと、お餅みたいにカリカリになってしまうので、焼き目はつけないで本当に温めるくらいが、香港で食べたものに近いと思います。
10.野菜を入れ、軽く炒める。
11.調味料を入れ、お好みの程度まで炒める。途中で卵を加える。私は結構しっかり炒めるのが好き。
出来上がり!
日本で食べられるところ
炒め物スタイルの腸粉はまだ出会ってませんが、上に書いた飲茶におけるスタンダードスタイルの腸粉は、ここ↓で食べられました!ここはQRコードで頼めて、他の地方の中華料理もたくさん気軽に食べられてバチバチにおすすめなのですが、それはまた別の機会に。