#109 オアシス「『Definitely Maybe(邦題:オアシス)』30周年記念デラックス・エディション」
オアシス「『Definitely Maybe(邦題:オアシス)』30周年記念デラックス・エディション」
ついにというか、とうとうというか、やっぱりというべきか、オアシスが復活しました。すでに世界中のロック・ファンが大騒ぎ。きっとその時が来ても、経緯が経緯だし、意外と静観しているのかも……と思っていた僕だったのですが、控えめに言っても心が躍っています。
何がうれしいって、自分の中の「90年代ベスト・ロック・ソング」に、ニルヴァーナやグリーン・デイらの曲とともに、オアシス曲が数多く含まれていて、それらが改めて、より広い世代に注目されるであろうこと。今さらながら、本当にいい曲を書くのです、ノエル・ギャラガーって人は。本当にいい歌を歌うのです、リアム・ギャラガーって人は。
タイミングよく30周年記念デラックス盤がリリースされた、デビュー・アルバムは、いわゆる捨て曲なし作品として有名だけど、個人的な激推しが2曲あります。まずは、♪サンシヤ〜イン♪というリアムの歌い回しも最高な、1曲目の「Rock'N'Roll Star」。そう、オアシス伝説のすべては30年前、<今夜、俺はロックンロール・スターだ>と高らかに歌い上げた、予言のようなこの名曲から始まったのです。
そしてもう1曲が、同じく♪リアリワナノ〜ウ♪という言い回しも最高な「Live Forever」。グランジやニルヴァーナへのアンサーとして、<お前と俺は永遠に生きるんだ>と誓いを立てた、気骨に満ちた名曲です。
本来のデラックス盤のレヴューであれば、幻に終わったとされるレコーディング・セッションからの音源や、アウトテイクなどが収められたDISC-2の魅力こそを語るべきなのでしょう。しかし、ロックの不朽不滅のマスターピースが30年前に生まれていたことを、改めて知ってもらういい機会だと思い、本編にスポットを当てさせていただきました。また、純粋な「新作」ではないことも、大目に見てください。
それにしても、あれからもう30年。その事実に愕然とするし、ノエルとリアムが同じステージに立つ瞬間を、ぜひとも目撃したい。願わくは、再結成ツアー中にまたケンカ別れ、な〜んてことになりませんように!
鈴木宏和