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#109 オアシス「『Definitely Maybe(邦題:オアシス)』30周年記念デラックス・エディション」

服部さんへ

 テイラー・スウィフトが、民主党支持を堂々表明しましたね。かっこいいな〜。日本で人気アーティストがこれをやったら、大変なことになるでしょうね。個人的にアメリカという国には嫌いなところが多いのですが、こういうところはとても好きです。
 さて、マックス・リヒターの新作紹介、ありがとうございました。いやこれ、よく眠れそうです(笑)。真面目な話、これが音楽の面白いところで、間違いなく聴く人の心身に影響を与えますよね。今回は、僕には「寝る時に聴きたいアルバム」ですが、服部さんのように感情を共有できるリスナーもいれば、クラシック音楽マニアのように、自ら音像に包み込まれに行くようにして熟聴する人もいるのでしょう。ちなみに、僕が「仕事をする時に聴きたいアルバム」は、ダントツでブライアン・イーノなんです。
 といったところで今回は、ブリットポップが苦手な服部さんには申し訳ないですが、オアシスを取り上げさせていただきます。


オアシス「『Definitely Maybe(邦題:オアシス)』30周年記念デラックス・エディション」

 ついにというか、とうとうというか、やっぱりというべきか、オアシスが復活しました。すでに世界中のロック・ファンが大騒ぎ。きっとその時が来ても、経緯が経緯だし、意外と静観しているのかも……と思っていた僕だったのですが、控えめに言っても心が躍っています。
 何がうれしいって、自分の中の「90年代ベスト・ロック・ソング」に、ニルヴァーナやグリーン・デイらの曲とともに、オアシス曲が数多く含まれていて、それらが改めて、より広い世代に注目されるであろうこと。今さらながら、本当にいい曲を書くのです、ノエル・ギャラガーって人は。本当にいい歌を歌うのです、リアム・ギャラガーって人は。
 タイミングよく30周年記念デラックス盤がリリースされた、デビュー・アルバムは、いわゆる捨て曲なし作品として有名だけど、個人的な激推しが2曲あります。まずは、♪サンシヤ〜イン♪というリアムの歌い回しも最高な、1曲目の「Rock'N'Roll Star」。そう、オアシス伝説のすべては30年前、<今夜、俺はロックンロール・スターだ>と高らかに歌い上げた、予言のようなこの名曲から始まったのです。

 そしてもう1曲が、同じく♪リアリワナノ〜ウ♪という言い回しも最高な「Live Forever」。グランジやニルヴァーナへのアンサーとして、<お前と俺は永遠に生きるんだ>と誓いを立てた、気骨に満ちた名曲です。

 本来のデラックス盤のレヴューであれば、幻に終わったとされるレコーディング・セッションからの音源や、アウトテイクなどが収められたDISC-2の魅力こそを語るべきなのでしょう。しかし、ロックの不朽不滅のマスターピースが30年前に生まれていたことを、改めて知ってもらういい機会だと思い、本編にスポットを当てさせていただきました。また、純粋な「新作」ではないことも、大目に見てください。
 それにしても、あれからもう30年。その事実に愕然とするし、ノエルとリアムが同じステージに立つ瞬間を、ぜひとも目撃したい。願わくは、再結成ツアー中にまたケンカ別れ、な〜んてことになりませんように!
                              鈴木宏和


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