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8月を迎えた朝。 朝ベッドで目が覚めて、習慣のように身体の傍らに置いていたスマホの画面を開く。 しかし、夜の間上手く充電ができていなかったようで、すぐに電源が落ちてしまった。 急に手持ち無沙汰になり、でもまだ起きる程の気力もなく。 しばらく開かないままに枕元に飾りのようにして置かれていた本に手を伸ばし、 窓から差し込む夏の朝の光りの下で、ページをめくる。 * * * 空について書かれていた。 オノ・ヨーコの「どんぐり」という空色の真四角の本。 彼女は読者に問いかける。